株ブログ はっしゃん式 長期株投資

50歳代エンジニア兼業投資家。金融資産2億円に到達。月次情報と理論株価の分析をライフワークに、ストレスのかからない「スロートレード」を実践しています。

<7211>20年で株価を10分の1にした三菱自動車4回の不祥事

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三菱自動車が報酬過小申告事件で逮捕された
カルロス・ゴーン氏の会長職を解任しました。

事件の舞台は日産が中心となっていますが、
ゴーン氏が逮捕された翌日には、
三菱自動車の株価も7%近くの下落となり、
日産以上に売り込まれています。

ゴーン氏は三菱自動車にとっても会長。
20年で4回もの不祥事を経験することになった
三菱自動車を事例に企業の不祥事と
株価インパクトについて検証します。

発掘チャートのエントリーは、
様々な銘柄の記憶に残すべき場面を
株価チャートで再現して
振り返っていただこうという企画です。

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三菱自動車の不祥事まとめ

2000/07/06 リコール隠し発覚 (内部通報)
2002/10/19 トラック暴走事件 (運転手死亡)
2003/10/24 母子3人死傷事件 (母親死亡)
2004/05/06 リコール隠し再発 (三菱ふそう前会長逮捕、法人起訴)
2016/04/20 燃費不正事件 (走行試験子会社の不正)
2018/11/19 ゴーン会長逮捕 (日産での不正)

発掘チャート<7211>三菱自動車リコール隠し事件

三菱自動車1回目のリコール隠しは内部通報により発覚しました。
運輸省が2000年7月に内部通報の情報を元に抜き打ち検査を実施。
リコール制度の発足から30年以上にわたって欠陥を隠蔽したり、
公表せずにヤミ修理を行っていた実態が明らかになりました。
その数は、乗用車、大型車合わせて69万台

このリコール隠し事件で、社長が辞任に追い込まれたほか、
国内販売台数も急減。資本提携先のダイムラー・クライスラーから
エクロート氏を迎え入れて再建を図ることになりました。

1回目のリコール隠し事件での株価は、
 発覚前:453円 (2000年6月 現株価では4530円)
 発覚後:332円 (2000年9月 現株価では3320円)
発覚前月から最大26.7%の下落となっています。
この段階では多くの国民が、体制が一新され、
改善されるだろうと思っていたわけです。

■月足チャート(2000年1月-2004年12月)
三菱自動車リコール隠し事件時の株価チャート
※株価チャートは株式併合による補正を反映しています。

2002年1月、三菱トラックのタイヤが外れて、
通りがかりの母子3人に激突。
母親が死亡するという痛ましい事故が発生します。

2002年10月には、三菱の大型車がブレーキ操作不能に陥り、
運転していた男性が自損事故で死亡するという事故も発生。

これらの事故に対して三菱サイドは、
ユーザー側の整備不良と主張していましたが、
構造的な欠陥が原因であることが突き止められ、
74万台にのぼる再度のリコール隠しが発覚しました。

そして、2004年5月にはリコール隠しによる
業務上過失致死傷で三菱ふそう前会長ら7人が逮捕され、
三菱自動車も起訴されることとなります。

この異常事態に、ダイムラー・クライスラーは、
支援の打ち切りを発表してエクロート氏は辞任。

三菱自動車は、倒産の危機に陥りますが、
三菱重工などの三菱グループが支援を表明し、
最悪の事態を免れることになりました。

2回目のリコール隠し事件で株価は、
 発覚前:273円 (2000年4月 現株価では2730円)
 発覚後:72円 (2004年8月 現株価では720円)
発覚前月から最大73.6%の下落となっています。

はっしゃんの友人が1名、重工に勤務していますが、
三菱のクルマを購入して三菱自動車を支えていました。
同じような人は、たくさんいるはずです。

発掘チャート<7211>三菱自動車燃費不正事件

燃費不正事件は、三菱から軽自動車のOEM提供を
受けていた日産が燃費数値の異常に気づいて発覚しました。

燃費データはメーカーが走行試験を行った結果を
国交省に提出することになっていますが、
三菱自動車は、過去の実験データを流用するなど、
不正な手口で燃費をよく見せていました。

不正は、走行試験を委託された子会社で行われており、
実際の性能と比べ過大な目標を要求された子会社が、
窮して行ったことが判明しています。

■月足チャート(2013年12月-2018年11月)
三菱自動車燃費不正事件での株価チャート

本来はクルマの性能を上げなければならないのに、
子会社に燃費責任を押しつけていたことになります。

この不祥事で三菱自動車の株価は三度目の暴落。
今度は、日産傘下として出直すことになります。

燃費不正事件で株価は、
 発覚前:843円 (2016年3月)
 発覚後:412円 (2016年4月)
発覚前月から最大51.1%の下落となっています。

日産ゴーン会長不正事件

カルロス・ゴーン会長の不正事件については、
現在進行形となっていますが、
下のコラムでまとめています。

カルロス・ゴーンを追放した日産を待ち受けるイバラの道
http://hashang.kabuka.biz/industry/7201

前科3犯の三菱自動車は、日産の後ろ盾で
信用を担保している状況です。
ルノーを含む3社との関係次第では、
株価も影響を受けることでしょう。

ゴーン会長不正事件で株価は、
 発覚前:711円 (2018年10月)
 発覚後:658円 (2018年11月)
発覚前月から最大7.5%の下落となっています。

不正体質の改善は非常に難しい

三菱自動車の一連の事件は、
不正体質の改善が非常に難しい
ことを示しています。

「ウソを付いてはいけない」
「ズルをしてはいけない」
のは、当たり前の事ですが、
都合のよいウソは信じてしまう
ようです。

三菱自動車だけが不正体質を
克服できなかったのではありません。

同じ自動車業界では、
SUBARUや日産自動車でも
完成車検査の不正が再発しています。

不正体質の自動車業界が迎える自動運転時代の過酷な運命
http://hashang.kabuka.biz/industry/automobile

不正再発は致命的な経営ダメージ
となる恐れがあります。

三菱自動車の場合は、20年で4回の不祥事により、
株価は10分の1まで縮小しました。

不正の前科を持つ企業への投資は、
再発リスクを十分考慮せねばなりません。

■月足チャート(1998年12月-2018年11月)
三菱自動車の20年株価チャート

参考書籍

あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

・ブラックマンデー(1987年)
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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