株ブログ はっしゃん式 長期株投資

50歳代エンジニア兼業投資家。金融資産2億円に到達。月次情報と理論株価の分析をライフワークに、ストレスのかからない「スロートレード」を実践しています。

不正体質の自動車業界が迎える自動運転時代の過酷な運命

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不正体質の自動車業界が迎える自動運転時代の過酷な運命

日産のカルロス・ゴーン会長が逮捕されましたが、
自動車業界の不正体質はゴーン会長に限ったものではありません。
リコール隠し、燃費・排ガス改ざん、エアバッグ暴発疑惑。
そして度重なる検査不正。

不正体質から抜け出せない自動車業界の現状と
2020年以降の自動運転時代に訪れる
過酷な運命をについて考察します。

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最近の自動車業界の主な事件

2000年7月 三菱自動車 リコール隠し事件
2009年8月 トヨタ米プリウス暴走事件 (不具合ではなく、運転ミスで確定)
2015年11月 タカタ エアバッグ暴発事件
2016年4月 三菱自動車 燃費改ざん事件
2017年9月 日産 新車検査不正事件
2017年10月 SUBARU 新車検査不正事件
2018年7月 日産 新車検査不正事件 (再発)
2018年8月 スズキ 検査不正事件(少数ではあるが、マツダ、ヤマハでも発覚)
2018年9月 SUBARU 新車検査不正事件 (再発)
2018年11月 日産 役員報酬過小申告事件
2018年12月 日産 新車検査不正事件 (再々発)

海外企業でもフォルクスワーゲンが
悪質な排ガス不正事件を起こしていますが、
ここでは日本企業を取り上げます。

最近は、ゴーン会長の逮捕や検査不正事件で
日産の不祥事が目立ちます。

カルロス・ゴーンを追放した日産を待ち受けるイバラの道
http://hashang.kabuka.biz/industry/7201

しかし、リストを見ても分かるように、
ほとんどのメーカーが事件や不祥事に
関わっています。

三菱自動車は3度目の不正発覚で、
自力再建が困難となり、
日産傘下となりました。

20年で株価を10分の1にした三菱自動車4回の不祥事
http://hashang.kabuka.biz/discover/7211

最近では、タカタがエアバッグ暴発の
リコール費用が膨らみ倒産しています。

<7312>エアバッグ死亡事故多発!タカタ倒産の疑問と真相
http://hashang.kabuka.biz/discover/7312

理論株価チャート分析

各社の理論株価チャートから業績を確認してみましょう。
理論株価は、EPS、ROE、BPSなどから資産価値と事業価値を算出しています。
オレンジ色のラインが理論株価の推移です。

■7203 トヨタ
トヨタの理論株価チャート
業績は過去最高ですが株価は横ばいです。
■7201 日産
日産の理論株価チャート
検査不正やゴーン会長逮捕で下落傾向です。
■7267 ホンダ
ホンダの理論株価チャート
タカタ事件後の下落から回復しましたが、業績と比べ株価は低迷しています。
※タカタはホンダと資本関係のある準系列企業でした
■7261 マツダ
マツダの理論株価チャート
業績も株価も低迷しています。
■7270 SUBARU
SUBARUの理論株価チャート
業績も株価も低迷しています。検査不正のリコール費用も重しです。
■6902 デンソー
デンソーの理論株価チャート
部品メーカーも見ておきましょう。業績、株価とも横ばいといったところ。
成長しているチャートではないですね。

業績面では、トヨタ、ホンダ、日産の上位は堅調ですが、
マツダ、SUBARUなど下位は低迷しています。

一方、株価は全社低迷といってよいでしょう。

従来は、自動車会社の業績は為替連動と言われていましたが、
円高でもない現在、どうして株価が低いのでしょうか
不正事件の影響だけとは思えませんよね。

自動車株が安い2つの理由

自動車株が安い理由を
短期的理由と長期的理由で見ると
次のようになものでしょう。

短期:日米貿易摩擦(自動車関税)による収益懸念
長期:自動運転時代到来による収益懸念

自動車関税問題については、
トランプ氏のパフォーマンスなので、
落としどころはいくらでもあるでしょう。

より大きな理由は、
差し迫ってきた2つ目の
自動運転時代で収益が悪化する
ことへの懸念です。

PC、携帯電話の二の舞は避けられない

90代にインターネットブームを巻き起こした
パソコン業界がスマホ時代の到来と共に
没落していったことは記憶に新しいですね。

NEC、富士通、東芝、シャープ、ソニー、日本IBM

パソコン業界がブームを過ぎると
成り立たなくなった理由は簡単です。

パソコンのコアとなる部品。
CPUとOSを外部から調達する
アセンブリメーカーに過ぎなかったからです。

アセンブリではコストの安い
韓国、台湾、中国に勝てません。

国産PCメーカーは絶滅に等しい状況ですが、
インテルやマイクロソフトは、
しっかりと生き残っています。

当時からパソコンはWintel時代と呼ばれ、
コア技術を持つマイクロソフトとインテルが
高収益を得る収益構造でした。

そして、2007年にiPhoneが登場すると、
携帯電話でも同じことが起きました。

携帯電話の世界は、アップルとグーグルが
支配する世界になっただけのことです。

自動車業界の時価総額ランキング

ここで自動車業界と
自動運転時代に関わってくる
IT企業の時価総額を
ランキングしてみましょう。

■2018年11月23日現在の株価と為替で計算。
米アップル 92.3兆円
米グーグル 80.6兆円
中アリババ 43.7兆円
トヨタ 22.3兆円
米NVIDIA 10.0兆円
独VW 8.5兆円
米テスラ 6.3兆円
ホンダ 5.7兆円
米GM 5.7兆円
デンソー 4.1兆円
日産自 4.1兆円
仏ルノー 2.3兆円
SUBARU 2.0兆円
マツダ 0.7兆円

自動運転は夢の技術ではなく、
カウントダウンが始まっている
近い将来、実現する技術です。

はっしゃんは、現時点の市場評価が
ほぼ正しい未来だと思っています。

 エンジニア兼投資家としての予測ですが、株価と時価総額から見て、間違っていないと思います。特に中下位は、厳しいでしょう。

自動車メーカーの生き残る道

自動車業界もPCや携帯電話と
全く同じ道を歩んでおり、
既定路線になっていると感じます。

トヨタ自動車社長の豊田章男氏の
最近の発言から引用してみましょう。

「100年に1度の大変革の時代」
「生きるか死ぬかの瀬戸際の戦い」

さすがに豊田章男氏は、
置かれている状況を100%把握
しておられるようです。

ここ最近のトヨタの提携や投資の動きを見ていると、覚悟がよく分かります。
戦力外に近い位置ながら、権力闘争している日産とは違いますね。

自動車メーカーは、
もはや完成車メーカーとしては、
生き残っていけないので、
モビリティサービス企業として
活路を見いだそうとしています。

つまり、AIやビックデータ、コネクティッド技術など、
自動運転のコア技術を自社開発して握るのではなく、
周辺技術とサービスで生き残り
賭けているということです。

 世界の自動車メーカーで、自社技術だけでレベル3以上の自動運転車(一般公道対応)を作れるところはありません。
 レベル1:自動ブレーキ、急発進防止などのアシスト機能
 レベル2:部分的自動運転 (自動ブレーキ+自動追尾走)
 レベル3:ドライバー責任の自動運転 (緊急時は人間が交代)
 レベル4:特定環境下での完全な自動運転
 レベル5:制限のない完全な自動運転

コア技術を握るのは
Google、Apple、NVIDIA
などの米IT企業になる可能性が高いでしょう。
 
え、アップルが自動運転?と思う方は、
ググってみてください。

アップルは当初、自動運転車をすべて自前で作ろうとしていましたが、
現在は、システムだけ開発しているようです。
自動車の価値が自動運転技術の性能で左右されるようになった時、
車両技術は一気にコモディティ化します。
車両技術が欲しければ、価値が下落してから買えばよいのです。

超高度化したIT業界に
自動車業界が飲み込まれようとしている
というのが実情ではないでしょうか。

自動運転技術の競争に入ってくる
2020年以降の自動車業界は、
収益面はもちろん、生き残りにおいても、
不確実性が高い業界と言えるでしょう。

現在の株価や市場評価は、
待ち受けている過酷な運命
如実に表していると言えそうです。

配当利回りが高いという理由だけで、
自動車業界に投資できますか?

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