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ドル円相場とドルベース日経平均株価の20年


投資コラム

はっしゃんです。
一時は150円を超えた円安が
修正されてきました。

今回は、ドル円相場とドルベース日経平均株価の
20年を振り返ります。
冒頭の画像はドルベース日経平均株価の
2000年12月から2023年3月までの推移です。

チャートを見る限り、ドルベース日経平均株価は、
・コロナショックからの景気回復
・ロシアのウクライナ侵攻
が影響した超円安のため
値幅ではリーマンショック以上の
急落になっていたことが分かります。

そして2023年3月現在は、その最悪の
状況から少し反発したところです。

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ドルベースの株価

日本市場の6割は外国人投資家の
取引と言われています。

われわれ日本人は円ベースで、
株価を見ていますが、
外国人投資家はそうではありません。
基軸通貨であるドルベースで
株価をみて投資判断しています。

下のチャートは2000年12月以降の
日経平均とドル日経平均の比較です。
(月足終値ベース)
紺色が円ベースの日経平均。
紫色がドルベースの日経平均になります。

2020年の後半以降、
ドルベース日経平均株価の急落
が目に付きます。

計算式は、比較しやすいよう
 ドル日経平均=日経平均/ドル円×100
と100倍に補正しています。

アベノミクス以降の為替相場は
「弱い円」ありきですが、
2003年の金融危機脱出以降は、
相場の上昇時は円安となり、
 下落時は円高となる
という法則が維持されています。

チャートから紫色のドル日経平均の方が、
山が低く、谷も浅いのがわかりますが、
過去の株高や暴落は「ドル円相場と連動」しています。

ドル日経平均株価9つの局面

それでは、ドル日経平均株価チャートを
9つの局面に分けて振り返ってみます。

1.2003年の金融危機まで
 日本では年銀行の破綻や国有化、メガバンク救済など、
 バブルの精算から日本売りとなった局面。
 米国でもITバブル後に金利が上昇し、
 ワールドコムやエンロンが破綻しました。
 ただし「円安・株安」は、この時が最後で、
 円は、国際的に信用力の高い通貨のポジションを取り戻しました。

2.金融危機の回復からリーマンショックまで
 金融危機を脱出して「円安・株安」から
 「円安・株高」に移行した回復局面。

3.リーマンショック
 サブプライム問題からドル売りが優勢となり、
 一気に「円高・株安」が進行した局面。
 アメリカのローン債権がデフォルトとなり、
 金利を下げまくってドル安誘導した結果、
 底なしの円高となってしまう。

4.超円高不況
 東日本大震災により原子力発電所を停止。
 火力発電所を再稼働して経常収支が悪化。
 リーマンショック後も「円高・株安」が続き
 株価も底這いを続けた局面。

5.アベノミクスによる円安
 アベノミクス以降、日銀の異次元緩和などにより、
 「円安・株高」に誘導していった局面。

6.チャイナショック+ブレグジットショック
 海外の波乱要因から、
 短期的に「円高・株安」となった局面。

7.アベノミクス終盤からトランプ時代
 トランプ氏からの圧力や
 米中貿易摩擦などがあったが
 金融緩和を継続して
 「円安・株高」が続いた局面

8.コロナショック
 コロナショックによる株価急落と
 世界的な金融緩和で一時的に
 「円高・株安」となった局面

9.コロナ後とロシア軍ウクライナ侵攻
 戦争による資源高とコロナ後の
 インフレ対策で米国は金利上昇。
 日米の金利差から超円安になった局面

という感じです。

今後の見通し

2022年後半以降は
日本
・日銀の円買い介入
・日銀による長期金利上限0.5%引き上げ
・日銀総裁が黒田氏から植田氏へ
米国
・FOMCが金利を4.5%まで引き上げ
・SVBの破綻、欧CSの信用不安が発生
・CPIは高水準が続きインフレは注視

米FOMCの利上げが効き過ぎて、
金融不安が表面化してきた形です。
かといってインフレが静まったわけではなく、
CPIを注視しなければならないが
これ以上は利上げも難しいという
神経質な局面に入ってきました。

ここから先、米国は金融引き締めが終わり、
金融緩和へ誘導していくことになるので、
異次元緩和からの戻りに入る日本とは
金利格差が縮小していくことになり、
超円安から円高方向になりそうです。

円高シフトがソフトランディングなら
株価に大きな影響はなさそうですが、
(円高デメリットを米金融緩和が吸収する)
米国初の信用不安がリーマンショックのような
ハードランディングになった場合には、
一気に超円高+株価暴落リスクもあります。

為替の変動リスクは、
株価にも大きな影響を与えますので、
ドル円相場と個別株の投資戦略を
再確認しておきましょう。

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