はっしゃんです。
一時は160円を超えた円安が
修正されてきました。
今回は、ドル円相場とドルベース日経平均株価の
24年間を振り返ります。
まず、冒頭のアイキャッチ画像は、2000年12月~2024年8月までの
月末終値ベースでの日経平均とドル円の相関図です。
これを見ると、ボリュームゾーンでの例外はありますが、
日経平均とドル円が比例関係にあり、
日経平均が上昇するためには円安が必要だと分かります。
これは、日本が資源国ではなく工業国であり、
資源を輸入して工業製品を輸出している国であることから
ある意味、当然のことと言えるでしょう。
次の画像はドルベース日経平均株価の
2000年12月から2024年8月までの推移です。
2020年3月にコロナショックの谷があります。
当時のドル円は107円台程度で
日経平均株価は17000円台でした。
そこから4年で日経平均株価は
バブル最高値を更新して4万円になりましたが、
ドル円160円まで超円安が進んでいたこともあり、
ドルベース日経平均株価では2万5000円前後にすぎません。
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INDEX
ドルベースの株価
日本市場の6割は外国人投資家の
取引と言われています。
われわれ日本人は円ベースで、
株価を見ていますが、
外国人投資家はそうではありません。
基軸通貨であるドルベースで
株価をみて投資判断しています。
下のチャートは2000年12月以降の
日経平均とドル日経平均の比較です。
(月足終値ベース)
紺色が円ベースの日経平均。
紫色がドルベースの日経平均になります。
2023年から2024年にかけての
日経平均株価の上昇と比べて
ドルベース日経平均株価の停滞が目に付きます。
コロナショック後の高値程度の
水準にとどまっていますね。
計算式は、比較しやすいよう
ドル日経平均=日経平均/ドル円×100
と100倍に補正しています。
アベノミクス以降の為替相場は
「弱い円」ありきで、
2003年の金融危機脱出以降は、
「相場の上昇時は円安となり、
下落時は円高となる」
という法則が維持されています。
チャートから紫色のドル日経平均の方が、
山が低く、谷も浅いのがわかりますが、
過去の株高や暴落は「ドル円相場と連動」しています。
ドル日経平均株価10の局面
それでは、ドル日経平均株価チャートを
10の局面に分けて振り返ってみます。
1.2003年の金融危機まで
都市銀行の破綻や国有化、メガバンク救済など、
バブルの精算から日本売りとなった局面。
米国でもITバブル後に金利が上昇し、
ワールドコムやエンロンが破綻しました。
ただし「円安・株安」は、この時が最後で、
円は、国際的に信用力の高い通貨のポジションを取り戻しました。
2.金融危機の回復からリーマンショックまで
金融危機を脱出して「円安・株安」から
「円安・株高」に移行した回復局面。
3.リーマンショック
サブプライム問題からドル売りが優勢となり、
一気に「円高・株安」が進行した局面。
アメリカのローン債権がデフォルトとなり、
金利を下げまくってドル安誘導した結果、
底なしの円高不況となる。
4.超円高不況
東日本大震災により原子力発電所を停止。
火力発電所を再稼働して経常収支が悪化。
株価も底這いを続けた局面で
リーマンショック後も「円高・株安」が続いたが、
エネルギー収支が赤字になったことで、
円高は一服する。
5.アベノミクスによる円安
アベノミクス以降、日銀の異次元緩和などにより、
「円安・株高」に誘導していった局面。
6.チャイナショック+ブレグジットショック
海外の波乱要因から、
短期的に「円高・株安」となった局面。
7.アベノミクス終盤からトランプ時代
トランプ氏からの圧力や
米中貿易摩擦などがあったが
金融緩和を継続して
「円安・株高」が続いた局面
8.コロナショック
コロナショックによる株価急落と
世界的な金融緩和で一時的に
「円高・株安」となった局面
9.コロナ後とロシア軍ウクライナ侵攻
戦争による資源高とコロナ後の
インフレ対策で米国は金利上昇。
日米の金利差から超円安になった局面
ここから株価は急上昇していく
10.日銀の利上げと円キャリートレードショック
日銀がマイナス金利解除から利上げに動き、
米国ではインフレが緩和して利下げをにらむ局面へ移行
超円安から円高に水準訂正されはじめ、
株価が急落した局面
という感じです。
今後の見通し
2024年以降は
日本
・異次元緩和の終了と2%インフレ目標
・段階的に金利の引き上げを実施
米国
・インフレ一服感と景気後退懸念
・高水準にある金利の引き下げを模索
と日米の金利差が縮小していく
見通しに変わっています。
景気後退が表面化してきました。
インフレ再燃を警戒しつつも
段階的な利下げを視野に
リセッションを防ぎソフトランディングさせる
という神経質な局面に入ってきました。
ここから先、米国は金融引き締めが終わり、
金融緩和へ誘導していくことになるので、
異次元緩和からの戻りに入る日本とは逆で
金利格差が縮小していくことになり、
超円安から円高方向へシフトすることになりそうです。
円高シフトがソフトランディングなら
株価に大きな影響はなさそうですが、
(円高デメリットを米金融緩和が吸収する)
米国初の信用不安がリーマンショックのような
ハードランディングになった場合には、
一気にドル暴落(超円高)+株価暴落リスクもあります。
為替の変動リスクは、
株価にも大きな影響を与えますので、
ドル円相場と個別株の投資戦略を
再確認しておきましょう。