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決算短信の先頭ページから5年先の企業価値を計算する方法


投資コラム

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今日は決算書の先頭ページから、
未来の企業価値を計算する方法について、
具体例を交えて解説します。

このコラムでは企業価値の計算に
はっしゃんが開発して実際に利用している
5年後株価計算ツールを使用します。

■5年後株価計算ツール
 成長率と財務3指標から5年後までの理論株価を計算
 http://kabuka.biz/funda/calc/

決算短信で使う3項目

ここでは、5年先の企業価値を
5年先の理論株価として考えます。

理論株価は将来の企業価値を示すものとして、
最も適切な指標の1つだと思います。

理論株価の算出にも様々な手法がありますが、
今回は、はっしゃん式理論株価を使います。(笑)

実は、はっしゃん式理論株価は、
決算短信1ページ目から3項目の数値
拾うだけで計算することができます。

チェックする項目は、

・自己資本比率
・1株純資産
・今期予想の1株利益 (経常利益or税引前利益)

の3項目だけです。

3項目のうち、自己資本比率と、
1株純資産は、そのまま使います。

1株利益は、1株当たり当期純利益がありますが、
継続性のない一時収益や特別収支を外すため、
経常利益や税引前利益から計算しなおす場合があります。

経常利益や税引前利益と当期純利益の関係が、
 経常利益×(1-実行税率)=最終利益 ※経常利益の60-70%程度
であれば、おおむねOKです。
そうでない場合は、経常利益や税引前利益
60-70%程度の数値で代用します。
(厳密には、損益計算書から実効税率を逆算します)
決算書が全然分からないという方は、こちらをご覧ください。

<9843>ニトリHDの決算短信の例

先日、32期連続増収増益を達成したニトリの
決算短信1ページ目は下のようになっています。
使用する数値は、赤枠の3項目になります。

■2019年2月期のニトリ決算短信の場合
 このニトリの例では、そのまま1株純利益を使って問題ないでしょう。
2019年2月期ニトリ決算短信

本決算では、今期予想の数値を使いますが、
1Q-3Q決算では、四半期利益を
進捗率で調整して使うことが多いです。

 1Q:利益を4倍する
 2Q:利益を2倍する
 3Q:利益を4/3倍する
自由競争の原理が正常に機能している業界には投資チャンスが多い。
小売業やサービス業では、一般消費者の取捨選択がそれに当たる。

企業価値を計算する

続いて、上記3項目から理論株価を計算します。
計算には、はっしゃん監修5年後株価計算ツールを使っています。

5年後株価計算ツール

■5年後株価計算ツール
 成長率と財務3指標から5年後までの理論株価を計算
 http://kabuka.biz/funda/calc/

成長率と財務3指標の設定

まず、ツール画面の中ほどにある
設定画面に3項目の数値を入力します。
いっしょに株価も入力します。

入力できたら、[5年後の株価を計算する]ボタンをクリック。

成長率と財務指標の設定画面

5年後株価チャート

数値が正しく入力できていれば、
下のような5年後株価チャートが表示されます。

■成長率5%の場合の5年後株価チャート

成長率5%の5年後株価チャート画面

左端の青い棒グラフが現在の株価。
横の3色の棒グラフが現在の理論株価です。

そして、
 1年後、2年後、3年後、4年後、5年後と
5年先までの企業価値の推移を表示しています。

このグラフでは、5年後に30%程度の
企業価値増が見込めることを示しています。

理論株価の理論は、すべての銘柄に当てはまらない。
ならば、当てはまらないものは、除外すればよい。

成長率を変更して考える

ニトリの場合、2020年2月期の利益成長率が4.9%だったので、
成長率は、初期設定の5%で計算しました。

ツールでは1-5年後の成長率
1年毎に変更することもできます。

5年後株価計算の利益成長率の設定

5年先の企業価値は、成長率によって大きく異なります
例えば、成長率が10%になった場合と
成長率0%になった場合のグラフが下のものです。

■成長率10%の場合の5年後株価チャート

成長率10%の5年後株価チャート画面
■成長率0%の場合の5年後株価チャート

成長率0%の5年後株価チャート画面

成長率10%では、5年後の企業価値は80%近く増加しますが、
成長率0%の場合は、-3%とマイナスになります。

そして、成長率10%と0%とでは、
5年後の企業価値に2倍近い差があることも分かります。

同業他社比較は、5年後に伸びる企業を探す方法の1つ

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バックテストで検証する

企業価値の計算は過去データに対しても同様ですので、
過去の決算短信を遡っていくとバックテスト的に
株価と企業価値、理論株価の連動性を確認できます。

ニトリの決算短信を5年前まで遡って、
理論株価をつないだのが下のチャートです。

■ニトリの株価と理論株価の推移(2014-2019年)

ニトリの株価と理論株価の推移(2014-2019年)

連動性は銘柄によって異なりますが、
ニトリの場合は高い連動性が確認できました。

理論株価の計算ロジックは、こちらのコラムもご覧ください。

ROA、ROEが成長のカギ

上のニトリの場合は、右肩上がりがピークを打った形ですが、
成長率が10%以上に伸びる企業と、5%、0%に減速する企業では、
どのような違いがあるでしょうか?

そのカギとなる指標がROA、ROEになります。
5年後株価計算ツールでは、ROA、ROEの推移も表示
できますので、見てみましょう。

■ニトリのROA、ROE推移
ニトリの5年後ROA、ROEのシミュレーション例

さらにリンクをクリックして、ROA・ROEを分母と分子に分解し、
ビジュアル表示することもできます。

■ニトリのROA、ROEビジュアル表示

ニトリのROA、ROEチャート例

10%成長時のROA、ROEは横ばい、
5%成長時では減少しているのが分かります。

一般に成長期の企業ではROA、ROEが上昇しますが、
ピークを過ぎると伸びが鈍化してきて横ばいとなり、
さらに、成長ペースが落ちると減少に転じます。

ROA、ROEの時系列変化をみると成長が加速しているか、
減速しているかの見通しをある程度予測できますので、
バックテストで確認して成長率予測に活用しましょう。

■成長ステージとROA、ROEの関係
 成長期:ROA、ROEが上昇
 安定期:ROA、ROEが横ばい
 減速期:ROA、ROEが低下

ROA、ROEが減少に転じた成長企業は、
増収増益でも理論株価は上昇しにくくなります。

ニトリのチャート例は、ROA、ROEが天井を打ち、
成長のピークを過ぎた経緯を示すチャートとなっています。

PERやROEなどの考え方はこちらを参照してください。

自分で考えて判断する

成長率で企業価値に大きな差があることや
ROA、ROEとの関係が分かりましたね。
長期投資、成長株投資の肝は、利益成長率です。

説明してきたようなプロセスで予測は可能ですけど、
実際の未来のことは、誰にも分かりません
NYテロや東日本大震災のような想定外の出来事も発生します。

最終的には、自分で考えて判断するしかありません。
ツールを活用して、よい企業を探してください。

ラッキーという感情は、実力以上の成果を得たときに感じるものです。

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