決算期に入ってきましたので、
はっしゃんが自ら開発して
実際に使用している決算分析ツールの
使い方を紹介させていただきます。
お金の流れをビジュアル化して、
分かりやすく表示するツールで、
投資判断にとても役立ってます。
初心者の方でも簡単に使えますので、
ぜひご活用いただければと思います。
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INDEX
キャッシュフロー計算書とは?
上場企業の決算書を構成する「財務三表」の1つで、
決算期間のお金の流れ(キャッシュフロー)を、
・投資活動 .. 事業投資や金融投資など(投資時-売却時+)
・財務活動 .. 配当や借入金の調達・返済など(収入時+支出時-)
に区分して表示するものです。
四半期決算での提出義務がなく、
企業によっては、決算短信に
添付されていない場合もありますので、
注意してください。
(直近は、中間決算、本決算に添付されています。)
信越化学のキャッシュフロー計算書
先日の中間決算のキャッシュフロー計算書です。
1ページだけの簡単なものです。
とはいえ、決算書なので、
ちょっと難しそうに感じますが、
見るポイントは決まっています。
赤枠の5つの数字をピックアップするだけでOK。
数字左の△印はマイナスという意味です。
2.営業活動によるキャッシュフロー
3.投資活動によるキャッシュフロー
4.財務活動によるキャッシュフロー
5.現金及び現金同等物の期末残高
この5つの数字と売上数字を入力するだけで、
キャッシュフローのビジュアルチャートを
作成することができます。
バランスシートを詳しく見ることになりますが、
OKかNGかは、これだけで分かります。
売上は決算短信の表紙から持ってきます。
キャッシュフロー[CF]チャートの使い方
分析ツールのページを開きます。
PCでもスマホでも使えます。
ツール画面をスクロールして、
中ほどのパラメータ設定画面に
キャッシュフロー計算書と売上の数字を入力します。
(銘柄コードも入力すると会社名を表示できます。)
入力できたら、[更新]ボタンをポチ。
これだけ。
キャッシュフロー[CF]チャートの見方
数字が正しく入力できていたら、
キャッシュフロー計算書の内容を
ビジュアルチャート表示できると思います。
左から期首のキャッシュ残高に
営業CFの利益を加え、
投資CFへの支出を減じ、
財務CFも引いて、
為替差損等を調整して、
期末のキャッシュ残に至る流れが
ビジュアル化されました。
さらに、キャッシュフローの
簡易評価も表示します。
信越化学の場合は、営業CFマージンが
26.3%と非常に優良な水準にあり、
その利益の大部分を投資に回して、
残りは配当金と借金返済に宛てています。
お手本のようなキャッシュフローです。
数字を入力するだけで分析できますので、
ぜひ、皆さんも持株のキャッシュフロー分析に
チャレンジしてみてください。
キャッシュフロー[CF]チャートの項目とサンプル事例解説
キャッシュフロー[CF]チャートの見方を
項目ごとに簡単に説明します。
5つ6つの数字を入力するだけですので、
たくさんの企業のキャッシュフローを
ビジュアル化してみると理解が早いと思います。
キャッシュフロー残高
大きいほど好ましいです。
資金ショート=倒産になります。
期首と比べて増加しているのが好ましいですが、
小幅マイナスは気にする必要はありません。
(ツールはマイナス時、評価を下げています。)
資金調達直後なので大きくなり、
先行投資で減っていきます。
営業CF
こちらもプラスが大きいほど良いです。
また、損益計算書の利益と営業CFの差が大きい場合は、
営業CFの内訳を確認しましょう。
例)最終利益が黒字なのに、営業CFが赤字とか。
投資CF
マイナスが大きいほどよいです。
営業CFを超えない範囲が妥当水準ですが、
成長株の場合は、超えることもあります。
プラスになるのは異常ですので、
資金繰りに問題がないか確認します。
しっかりと先行投資ができているか。
過剰投資になっていないか確認しましょう。
第三者割当増資の資金調達により財務CFプラス。
成長タイプで営業CFマージンは35%と高収益ですが、
投資CFはそれ以上のマイナスと勝負しています。
財務CF
小さめのマイナスが普通ですが、
増資や新規借入時はプラスになります。
プラスの場合は内容を確認します。
特に営業CFマイナス、財務CFプラスで
C残高が減少するのは危険な兆候です。
営業CFを投資CFと財務CFに回している理想形。
上場3年目でC残高が巨額ですが、増やしています。
財務CFの内訳は上場費用と配当金が中心で小規模です。
参考:キャッシュフロー[CF]チャートの評価基準
ツールでは、入力データから簡易評価を
計算して出力する機能を用意しています。
簡易評価では営業CFマージンと
営業CF、投資CF、財務CFの組み合わせの
2種類で評価します。
投資判断の参考にしてください。
営業CFマージン評価
営業CFマージンとは、
売上に占める営業CFの割合で、
営業利益率のキャッシュフロー版です。
ツールでは以下4段階で評価しています。
○ 普通以上 (10%以上)
△ イマイチ (10%未満)
× NG (赤字)
営業CF、投資CF、財務CFの組み合わせ評価
期末残高が期首より大きいか少ないかと、
各キャッシュフローのプラス・マイナスで
4段階に評価しています。
◎ 営業CF+ 投資CF- 財務CF-
◎ 営業CF+ 投資CF- 財務CF+
○ 営業CF+ 投資CF+ 財務CF-
○ 営業CF+ 投資CF+ 財務CF+
△ 営業CF- 投資CF+ 財務CF+
△ 営業CF- 投資CF+ 財務CF-
△ 営業CF- 投資CF- 財務CF+
△ 営業CF- 投資CF- 財務CF-
■期首残高 > 期末残高の場合
△ 営業CF+ 投資CF- 財務CF-
△ 営業CF+ 投資CF- 財務CF+
△ 営業CF+ 投資CF+ 財務CF-
△ 営業CF+ 投資CF+ 財務CF+
× 営業CF- 投資CF+ 財務CF+
× 営業CF- 投資CF+ 財務CF-
× 営業CF- 投資CF- 財務CF+
× 営業CF- 投資CF- 財務CF-
ご参考になれば幸いです。
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