今回は2015年のチャイナ・ショックについて
株価チャートを中心に検証します。
チャイナ・ショックは当初、
中国国内の株価バブル崩壊に伴う
ローカルな株安でしたが、
影響が広がるにつれて
世界同時株安へと波及しました。
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INDEX
発掘チャート<2015.08.24>チャイナ・ショック
チャイナ・ショック<中国>
2014年6月には2000元程度だった
上海株価総合指数は2015年6月には、
5178.19元と1年で2.5倍超に急騰。
背景には信用取引などを通じた
個人投資家の投機的取引の加熱があり、
その後、バブルが弾け暴落に転じました。
上海指数は2015年7月の急落で、
-8%超の下げとなり、日経平均株価も
-3%程度の下げとなりましたが、
上海指数が戻すと値を戻しました。
しかし、その後8月11日に中国政府が
人民元を切り下げると株価は再度下落し、
8月24日に-8%超、さらに25日も-7%超と
2日間に渡って大幅安を記録しました。
8月24日は月曜日だったため、
「チャイニーズ・ブラック・マンデー」
とも呼ばれます。
・空売りの禁止
・5%以上保有者の売却禁止
・約1300社の取引停止(当時の45%)
・風説の流布容疑でジャーナリストを逮捕
など、なりふり構わず
制限を実施しています。
チャイナ・ショック<日本>
チャイナ・ショック8月の下げは世界同時株安へと波及し、
日経平均も8月19日から25日までの
5営業日で、
-2,747.77円(-13.37%)
の暴落を記録しました。
■日経平均の株価推移(7月)
2015/7/08 -638.95円 (-3.14%)
■日経平均の株価推移(人民元切り下げ時)
2015/8/12 -327.98円 (-1.58%)
■日経平均の株価推移(8月)
2015/8/19 -331.84円 (-1.61%)
2015/8/20 -189.11円 (-0.98%)
2015/8/21 -597.69円 (-2.98%)
2015/8/24 -895.15円 (-4.16%)
2015/8/25 -733.98円 (-3.96%)
5日間合計:-2,747.77 (-13.37%)
これは、コロナ・ショックでの
1週目の下げ(月曜日は振替休日)
-2,243.78円(-9.59%)
を上回る記録的な連続株安でした。
追記:コロナ・ショックは3週目で
チャイナ・ショックを超える暴落が発生しました。
-3,318.70円(-15.99%)
なお、リーマン・ショックでは、
わずか1週間で、
-2,661.71円(-24.3%)
の驚異的な下げを記録しています。
堀北真希ショック
チャイナショックは、
人気女優・堀北真希さんの
結婚発表と重なったため、
日本では「堀北真希ショック」
と呼ばれることもあります。
チャイナ・ショックから全戻しまで
チャイナ・ショックは、
日本ではアベノミクス開始から
株価が3年近く上げ続けた
タイミングで発生したため、
調整の幅・期間とも長くなり、
全戻しまではトランプ大統領の当選後、
株価が上昇に転じる2017年10月まで
2年2ヶ月の期間を要しました。
月足ベースで下落率でみると
チャイナ・ショック安値:14865.77円(2016年2月)
英EU離脱ショック安値:14864.01円(2016年6月)
最大下落率:-27.8%
と30%近い下落を記録しました。
※底値圏で英EU離脱ショックが発生したため
W底の形になっています。
また、回復に時間がかかったのは、
チャイナ・ショック前には、
消費税8%への増税があったため、
その影響も考えられます。
チャイナ・ショックとコロナ・ショックの5つの共通点
コロナ・ショック後安値:16690.60円(-28.6%、3週間後)
チャイナ・ショックは、2020年に発生した
コロナ・ショックといくつかの共通点があります。
・中国が震源地であること
・最初の1週間で10%超の暴落を記録していること
・最大で27-8%の下落率になっていること
・長期間続いた上昇相場を経て発生していること
・発生前に消費税の増税があり、消費に悪影響があったこと
既にコロナ・ショックは、
1週間下落率、最大下落率とも
チャイナ・ショックを超えています。
ちなみにチャイナ・ショックの
全戻しまでは2年2ヶ月。
リーマン・ショックは4年半です。
不吉な共通点かもしれません。
ご参考になれば幸いです。