2019年12月、
中国の武漢で発生した
新型コロナウィルスは、
1ヶ月あまりで中国全土に波及、
世界的な流行へ拡大しました。
1月30にはWHOが非常事態を宣言。
2月28日には世界レベルの危険性を
4段階の最高レベルに引き上げ、
3月12日にはパンデミックを宣言するに至りました。
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INDEX
発掘チャート<2020.02.24-28>コロナショック
2020年1月。
中国国内で新型コロナ肺炎が深刻化し、
中国政府が
・武漢など4都市を封鎖
・団体海外旅行の禁止
などの施策を打ち出したこともあり、
週明け1月27日の日経平均は
大幅安となりました。
コロナショック・日本
その後は、いったん反発に転じましたが、
クルーズ船からの感染者が急増し、
国内でも経路不明の感染者が多発するなど、
封じ込め策は失敗となりました。
(各国とも封じ込めは時間稼ぎにしかなっていない)
さらに感染が韓国、イタリアなどでも拡大すると、
2月24日にNY市場が1000ドル安となり、
日経平均も安値を割り込み、
1週間で10%近い暴落となりました。
2週目、しばらく揉み合った後、
欧州や米国で感染が急増すると、
暴落から回復しないままの3週目、
3月9日に-1000円超の下げとなり、
3月13日には一時、-1800円安の
17000円割れまで下げました。

■コロナショックの日経平均推移
2月24日(月)振替休日
2月25日(火)-781.33円(-3.34%)
2月26日(水)-179.22円(-0.79%)
2月27日(木)-477.96円(-2.13%)
2月28日(金)-805.27円(-3.67%)
1週目:-2243.78円(-9.59%)
3月09日(月)-1050.99円(-5.07%)
3月10日(火)+168.36円(+0.85%)
3月11日(水)-451.06円(-2.27%)
3月12日(木)-856.43円(-4.41%)
3月13日(金)-1128.58円(-6.08%)
3週目:-3318.70円(-15.99%)
コロナショック後の日本では、
・イベントや集会の中止・延期
・公共工事の中止
・小・中・高等学校の休校
・海外からの入国者を2週間隔離
などの対策を順次実施。
その後、東京オリンピックが延期となり、
海外からの入国も全面的に禁止。
4月7日から5月25日まで外出の自粛を要請する
緊急事態を宣言し、
経済活動も自粛の流れになりました。
コロナショック・米国
米国では、カルフォニア州で米国初の
経路不明のコロナ陽性者が確認されると、
コロナウィルスのリスクが再認識され、
NYやナスダック市場の株安は止まらず。
NY市場は2月24-28日の1週間で
-3583.05ドル(-12.4%)
の大幅安で株安が世界に連鎖。
そして3月9日(月)には、
-20013.76ドル(-7.79%)
と、過去最大の下げ幅を記録し、
さらに3月16日(月)には、
-2997.10ドル(-12.93%)
と過去最大の下げ幅を更新し、
下落率でもブラックマンデーに次ぐ
史上2位の暴落となりました。

■コロナショックのNYダウ推移
2月24日(月)-1031.61ドル(-3.56%)
2月25日(火)-849.44ドル(-3.15%)
2月26日(水)-123.77ドル(-0.46%)
2月27日(木)-1190.95ドル(-4.42%)
2月28日(金)-357.28ドル(-1.39%)
1週目:-3583.05ドル(-12.4%)
3月09日(月)-2013.76ドル(-7.79%)
3月10日(火)+1167.14ドル(+4.89%)
3月11日(水)-1464.94ドル(-5.86%)
3月12日(木)-2352.60ドル(-9.99%)
3月13日(金)+1985.00ドル(+9.36%)
3週目:-2679.16ドル(-10.4%)
3月16日(月)-2997.10ドル(-12.93%)
その後は、FRBが緊急利下げや
無制限の量的緩和を実施したことで、
コロナの感染数・死亡数は急増しましたが、
株価はリバウンドに入りました。
東日本大震災との比較
コロナショックと同じく
予測不能という共通点を持ち
自然災害としては過去最大級の
(+原発事故で人災的要素あり)
東日本大震災と比較してみましょう。
東日本大震災後では発生から8ヶ月後に
日経平均の最安値を記録。
直後水準の復帰まで2年近く
の年月を要しました。

■震災前後の比較
震災発生直後:10254.43円
震災直後安値: 8227.63円(-19.8%、2日後)
震災後最安値: 8135.79円(-20.7%、8ヶ月後)
直後水準回復:2013年1月(1年10ヶ月後)
コロナショックは下の通りで、
3週間で東日本大震災を超える
下落率を記録したことが分かります。
ショック前高値:23386.74円
ショック後安値:16358.19円(-30.1%、4週間後)
直後水準回復:なし
福島第1原発の水素爆発直後には、
首都圏に死の灰が降るシナリオまで
織り込まれた大震災ですが、
コロナショックは下落率、下落スピードとも
大震災に匹敵、またはそれ以上の
大暴落だったといえるでしょう。
はっしゃんは出張中に渋谷で被災しましたが、命の意味を考えさせられました。
チャイナ・ショックとの共通点

■日経平均の株価推移
2015/8/19 -331.84円 (-1.61%)
2015/8/20 -189.11円 (-0.98%)
2015/8/21 -597.69円 (-2.98%)
2015/8/24 -895.15円 (-4.16%)
2015/8/25 -733.98円 (-3.96%)
5日間合計:-2,747.77 (-13.37%)
チャイナ・ショックには、コロナ・ショックと
いくつかの共通点があります。
・中国が震源地であること
・最初の1週間で10%超の暴落を記録していること
・最大で約30%の下落率になっていること
・長期間続いた上昇相場を経て発生していること
・発生前に消費税の増税があり、消費に悪影響があったこと
最悪のシナリオを考えてみる
考えられる最悪のシナリオは、
武漢やダイヤモンドプリンセス号の再現です。
その後、イタリアやNYも同じ状況となりました。
最悪のシナリオまで想定して
行動計画を建てておくのは、
投資家として健全なことです。
・日本国内での感染者数と死亡者数の急増
・世界各国からの日本人の入国禁止措置
・東京オリンピックの中止
・安倍政権の崩壊と政治的混乱
・株価暴落と企業の連鎖倒産
■最悪のシナリオ・世界
・世界的な流行の拡大と進行
・都市封鎖・国家封鎖の拡大
・サプライチェーン崩壊と悪性インフレ
・株価暴落と企業の連鎖倒産
・デフォルトの多発と経済危機
・恐慌、戦争リスクの増大
リーマン・ショックでもそうでしたが、
悪い時は、次から次へと悪材料が出てきて
どんどん転落していきます。
その時に株価はどうなっているのか。
東日本大震災級:2割安
チャイナショック級:3割安
リーマン級:6割安
といったところですが、平均株価の話なので、
個別銘柄では半値以下も出てきますし、
リーマン級なら9割安も珍しくないと思われます。
シナリオのどの段階で
どう行動するのか?
不確定要素も多いですし、
行動計画が定まらないのも
仕方ないと思いますが、
その場合、ギャンブルはせず、
リスクオフが健全な選択肢
になるかと思います。
全戻し期間twitterアンケート
3/1にtwitterで全戻しまでの期間について
アンケートを実施しました。
結果は次のようになっています。
コロナショックの全戻しまで
どのくらいの時間がかかると思いますか?— はっしゃん😈 (@trader_hashang) March 1, 2020
アンケートの時点では、
多くの方が1年以内の全戻しを
予想していますが、
過去事例では大暴落後は、
長くなることも多いようです。
ご参考になれば、幸いです。
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あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。
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