はっしゃんです。
今回は、はっしゃんが監修している
投資家向け情報サイト「月次Web」
の使い方を紹介します。
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動画版
動画がお好みの方はこちらをごらんください。
月次Webとは?
上場企業250社以上の月次情報を
データベース化して
リリース当日に掲載している速報サイトです。
過去2年分の月次売上(全店・既存店)を
株価チャートと時系列に比較したり、
業種別ランキングで同業他社との比較もできます。
月次情報は業績好不調のバロメーターと
なりますので、株価にも大きな影響を持っています。
業績に対する期待値が変わり、
決算コンセンサスや株価も動きます。
にもかかわらず、決算とは異なり、
統一基準のないリリース情報になりますので、
リリース方法や型式などが各社バラバラ
になってしまっています。
それでは不便なので、はっしゃんが
月次Webを作ってデータベース化して
簡単に比較・分析できるようにしました。
(無料で利用できます)
対象となる銘柄は月次リリース企業だけ
に限定されますが
・保有銘柄の継続判断
にとても役に立ちますので、
うまく活用することで、
業績を考える投資家として
スキルアップできると思います。
トップページの使い方
最初にトップページの使い方を紹介します。
タイトル画面
タイトル下に検索窓がありますので、
銘柄名や銘柄コードを入力できます。
この検索エンジンは自作したもので、
名前から検索はあまり得意でありません。
銘柄コード入力をおすすめします(苦笑)
検索窓の下は、更新情報表示になっていて
・最新月次のリリース数
を表示しています。
業種の好不調を俯瞰する
トップページのタイトル下に
業種別月次平均を表示しています。
月次Webでは、小売業を中心に月次情報リリース企業を
10種類の業種カテゴリーに分類しています。
業種別月次平均グラフは、業種カテゴリー別で
業績の好不調を俯瞰できるので便利です。
100%を上回っているのが好調な業種。
下回っているのが不調な業種です。
好業績セクターの高値を狙っていくのか
不調セクターを逆張りを狙うのかなど
投資戦略を考えることもできますね。
【食品・スーパー】イオン、アサヒビール、プレナスなど
【コンビニ】セブン&アイ、ローソン、ミニストップなど
【ドラッグストア】ウェルシア、コスモス薬品、スギHDなど
【生活雑貨・家電】ニトリ、ケーズHD、DCMHDなど
【外食チェーン】マクドナルド、すかいらーく、ゼンショーHDなど
【通販・EC】モノタロウ、アスクル、千趣会など
【百貨店】高島屋、三越伊勢丹、Jフロントなど
【サービス】JR東日本、パーク24、ラウンドワンなど
【ネットサービス】サイボウズ、ラクス、NSDなど
これらの月次平均のデータは
常に最新にアップデートされていて
更新日に確認できた月次売上で更新されます。
一般的な経済ニュースでは約1ヶ月遅れで
前年同月比の業界売上が報告されていますが、
ここでは常に最新情報にアクセスできます。
なお2021年2月現在ではコロナ禍であり、
勝ち組と負け組が極端に別れています。
ネットサービス、通販・EC、ドラッグストア、食品・スーパー、生活雑貨・家電
負け組
外食チェーン、百貨店、サービス、アパレル、コンビニ
新着月次12社表示
月次リリース企業を新着順に12社表示しています。
チェックしたい企業が決まっている場合は、
ここからフォロー企業のページにジャンプできます。
月次ランキングのメニュー
新着リストや全店ランク、既存店ランクなど
月次Webを使いこなすためのメインメニューです。
新着順に月次リリース企業が並んでいます。最も人気のあるページです。
予定日カレンダー
企業の月次リリース予定日が並んでいます。
何日頃にチェックすればよいか分かります。
全店ランク
全店、全社の業種別ランキングです。
全店を数字で同業他社比較します。
既存店ランク
既存店の業種別ランキングです。
既存店を数字で同業他社比較します。
全店グラフ
全店、全社の業種別ランキング(グラフ版)です。
既存店グラフ
既存店の業種別ランキング(グラフ版)です。
株価ランク
株価上昇率の業種別ランキングです。
月次と株価の連動を確認できます。
コード
フォロー企業が銘柄コード順に並んでいます。
新着月次を毎日チェックしよう
月次Webで一番人気があるページで、
月次リリースを新着順に表示しています。
新着順に会社名と全店、既存店をまとめチェックできるので、
このページを毎日チェックしていると
よい出会いに恵まれるかもしれません。
予定日カレンダーでリリース日をチェックする
月次Webでは、フォロー企業の
月次リリース予定日も公開しています。
株価は月次リリース翌日には動いてきますので
お目当ての企業がいつ頃発表なのか確認して
チェックするようにしましょう。
ほとんどの企業は月次リリースは、
その日の15:00以降ですが、
中には昼休みや場中にリリースする
企業もあり、この場合は場中に
株価が大きく変動することもあります。
KeerPer技研、ゲンキー、あさひ、アイケイなど
また、決算発表月の月次については、
・いつも通り発表する
・決算発表まで遅らせて発表する
など各社で対応が分かれますので、
月次が遅いと思った場合は、
決算発表月かどうか確認するようにしましょう。
業種別のリリース動向
以下に各業種のリリース日の傾向を示します。
発表日が土日祝に重なると前倒しになったり
後ろ倒しになったりします。
【食品・スーパー】各社バラバラ
【コンビニ】毎月10日に揃う
【ドラックストア】25日~翌15日あたりまで
【生活雑貨・家電】1日~10日あたりまで
【外食チェーン】牛丼、回転寿司、ファストフードは5日くらいまで
【通販・EC】10-15日くらい遅めが多い
【百貨店】毎月1日に速報、15日に確報
【サービス】10-15日くらい遅めが多い
【ネットサービス】10-20日くらい遅めが多い
【20日〆企業】21日から月末にリリース
月次の好不調は、業種によっては連動することも多いので、
先行する20日〆企業(それ以外は月末〆)の発表以降、
同業他社の株価にも少しずつ織り込まれていく傾向があります。
業種別ランキングの使い方
月次Webではピックアップ10業種と
全業種の業種別ランキングを用意しています。
・既存店ランク
・株価ランク
同業種の同業他社と比較することで、
業績の好不調や優位性をチェックできます。
全店・既存店の違いと使い方
まず、全店(全社)と既存店の違いについて
確認しておきましょう。
すべての店舗または全社の売上
・既存店
店舗型で1年以上を経過した店舗の売上
既存店は開店からおよそ1年以上経過した店舗。
(基準は会社によって少し違います)
全店は全店舗または全社売上です。
ネットサービスや通販・ECのように
店舗を持たないビジネスの場合には、
既存店の数値はありません。
小売業やサービス業では、
新たに開店した新店には客が入りやすい
という傾向があるため、
開店から1年経過した既存店が
前年同月比100%を超えているというのは、
業績好調のバロメータになります。
継続して90%を下回っている場合は注意が必要です。
店舗ビジネスでは売上が1割、2割減少しても
必要な固定費は変わりませんので、
損益分岐点を下回ると赤字となり、
長引くと経営危機に直結する可能性もあります。
一方で全店の数字は、
全店舗・全社の合計ですから、
決算の売上予想との比較で重要な指標です。
月次進捗が決算の売上予想を上回っていれば、
上方修正が期待できるかもしれません。
逆に月次の数字が好調そうに見えても
決算予想を下回っているならば、
市場期待に届いていない可能性があります。
ですので、月次業績を見る場合は、
決算や四季報で今期予想の数値を確認しながら
見るのがオススメです。
すべての業種ランク上位に注目する
すべての業種TOP10にランクインしてくるような
スター株が大きく上昇することは珍しくありません。
月によって基準が違いますが、
全店で120%、既存店で110%以上になると
上位に絡んでくるようです。
TOP10上位は数ヶ月から長くて1-2年程度で入れ替わる傾向があります。
TOP10常連組の業績が一服してランクを下げると
株価も下落するという傾向も見られます。
逆に中下位に甘んじていた割安企業が
新たに上位進出してくると人気化することが
多いので定期チェックがオススメです。
月次Webで転換点を捉えることができると
大きな投資チャンスになります。
月次が好調になると割安が水準訂正されて上昇
月次好調で割高になった銘柄
月次が不調になると割高が水準訂正されて下落
月次ランキングは20日〆企業がある関係で
毎月21日頃がスタートとなり、
翌月20日にはランキングが確定します。
(発表日が遅めでランキングで拾えない
銘柄も一部にあります。)
同業他社の勝ち組・負け組を知る
同じ業種の月次と株価を比較すると、
勝ち組は人気化して割高まで買われる傾向にある反面で、
負け組は、売られたり、安値のまま放置されます。
そして、月次業績が変われば、
勝ち組と負け組は入れ替わりますので
・同業他社と比べて優位かどうか
チェックするようにしましょう。
業界をリードする主役株も
ひんぱんに変動していますので
どこを中心に動いているかを把握しておくと
動きを捉えやすいと思います。
以下、2021年2月時点での各業種の状況と
勝ち組、負け組について軽くチェックしてみましょう。
アパレル業界の勝ち組・負け組
個別状況:少数の勝ち組と多数の負け組
注目株:ファストリ、良品計画、ワークマン、しまむら、西松屋チェーン、スノーピーク、アルペン、JINS
コロナ後は負け組のアパレル業界ですが個別で見ていくと
・少数の勝ち組
・多数の負け組
に明暗が別れています。
勝ち組になっているのは、
・ファストリテーリング
・良品計画
・ワークマン
・しまむら
・西松屋チェーン
・スノーピーク
などカジュアル衣料を中心とした
ごく少数の銘柄。
また、ロードサイド店舗が多い
しまむら、西松屋チェーンなどは、
コロナ前は負け組に近い位置でしたが、
コロナになってから復活しました。
(テレワークなどで人の移動が減少し
ロードサイド店が優位になったため)
アパレルでは、コロナ前まで高成長の
ワークマンが大ブームとなり主役でしたが、
コロナ後はワークマンの伸びが一服して
ユニクロや良品計画が巻き返しています。
特にユニクロはコロナ後には、
フォーマルからカジュアルへの流れや
セルフレジ、EC分野の先行などから成長期待が高く、
時価総額でZARAを抜き世界首位に登りつめました。
他ではスポーツやアウトドア系の
ブランドが強い反面で、
百貨店やSCテナントが中心の
ファッションブランドや紳士服は、
コロナ後は惨敗でかなり厳しい状況まで
追い込まれています。
またPCメガネで躍進したJINSが
使い捨てコンタクトレンズに注力していて
面白いポジションにあります。
コロナ後、店舗からECの流れが加速しつつあり、
中下位は順位変動が大きくなりそうです。
食品・スーパー業界の勝ち組・負け組
個別状況:大多数の勝ち組
注目株:イオン、神戸物産、ベルク、ヤオコー、ハローズ
戦後の高成長期、大量仕入れ・販売で
全国の八百屋さんを代替することで
成長した食品スーパー業態は、
生鮮食料品によるリピート集客を
ビジネス基盤としています。
それが女性の社会進出や核家族化の進行で
飲食店やコンビニへと代替され、
ドラッグストアとの競合にも晒されるなど
近年は防戦一方になっていましたが、
コロナで風向きが変わりました。
多くの人が外食を控え、
自宅で食事をするようになり、
ほぼ全社が勝ち組となっています。
しかしながら、この状態が永続的で
持続成長が続くものかというと
市場は懐疑的に捉えているようです、
月次業績は前年同月比の比較。
2021年は緊急事態宣言のあった
前年との比較になってきます。
一時的な特需効果なのか。
これまでの常識を覆して
今後も継続的に成長するのか。
この中で成長著しいのが、
業務用スーパーを展開する神戸物産で、
プライベートブランドと
小商圏出店戦略に強みを持ち、
コロナ前からの主役株をキープしています。
また、都心からの人口流出と
埼玉、神奈川、千葉など周辺地域への
流入増がニュースになっていますので、
これら地域の地方スーパーには、
恩恵がありそうです。
なお、業界首位のイオンも堅調ですが、
大型SCによる大規模集客がコロナでは
やや裏目に出ています。
現在、この業界は業績は好調でも
先行して上昇した株価が上がらない
状況になってきています。
ワクチン接種が進み、緊急事態宣言から
1年後の月次業績に注目する必要があります。
コンビニ業界の勝ち組・負け組
個別状況:大多数の負け組
注目株:セブン&アイ、ローソン、ファミマ(上場廃止のため除外)
コンビニ業界は人の移動を前提とし、
駅前や通学路、通勤路など、
人の導線に店舗を張り巡らせた
小商圏型ビジネスモデルです。
前述の食品スーパー業界の凋落とは逆に
女性の社会進出や核家族化の進行により、
食品スーパーからの代替として
成長してきた業界といえるでしょう。
利便性の代替として定価販売や
PB商品で高利益率を誇りましたが、
・全国の店舗網が飽和してしまった
・コロナで人の移動が減少した
ことでビジネスモデルに綻びが出ました。
自宅で仕事をする場合はコンビニではなく、
食品スーパーやドラッグストアが選ばれますし、
ECや宅配も普及してきました。
今後、ワクチン摂取の進行により、
仮に新型コロナを克服できたとしても、
国家プロジェクト的に推進される
・東京から地方
・駅前から郊外
・出勤からテレワーク
の流れは止めようもなく、
人の移動は何%かは継続して減少する
と見込まれます。
セブンイレブンやローソンは、
相次いで業務提携を発表し、
顧客の引き留めを図っていますが、
既存店100%は高い壁になりました。
セルフレジ、スマホ決済、EC、宅配など
ライフスタイル変化に伴う投資も
継続して必要になります。
規模が大きく変革の難しい
コンビニ業界ですが、
さらなる他業態との提携や
合併などで生き残りを模索する
動きになってきています。
ドラッグストア業界の勝ち組・負け組
個別状況:多数の勝ち組と少数の負け組
注目株:ウェルシア、コスモス薬品、スギHD、ゲンキー
コロナショック後、品薄になったマスクを求めて
ドラッグストアの店先に行列ができる光景は
まだ記憶に新しいところです。
コロナ禍の勝ち組として脚光を浴び
株価も上昇したドラッグストア業界ですが、
実は負け組も存在します。
例えば、駅前系のドラッグストア。
駅前から人が消えては勝負になりません。
そして、コスメ系ドラッグストア。
テレワークやマスクの普及で、
化粧品は大幅マイナスになりました。
インバウンド客向けドラッグストアも
コロナ後、外国人観光客がいなくなり、
苦戦を強いられています。
そしてかかりつけの調剤薬局。
コロナ後は、病院を敬遠する人が増え、
売上はマイナスになりました。
このように行列が出来ているといっても
細かく見ていくと勝ち組、負け組で
大きな差があることが分かります。
株価の値動きはさらに複雑です。
勝ち組代表は業界首位ウェルシアですが、
月次業績100%超が続くものの
いったん上がった株価は次第に下落。
現在はコロナショック前の水準と
ほとんど変わらない位置です。
一方の負け組代表マツモトキヨシ。
コロナ後の月次業績は100%割れ連続も
ワクチン開発成功にニュースで
コロナ収束の期待が出てから反発。
一時はコロナショック前を超える
など、復活を先取りする動きです。
勝ち組が売られ、負け組が買われる。
株価は期待先行とはいえ難しいものです。
生活雑貨・家電業界の勝ち組・負け組
個別状況:大多数の勝ち組
注目株:ニトリHD、パンパシフィックHD、ケーズHD、コーナン、ジェーソン、あさひ
衣食住の「住」を担当するカテゴリですが、
コロナショックが追い風になりました。
テレワークという新しい働き方が普及し、
机や椅子、PCなどに新たな需要が発生。
家具店や家電量販店に利益をもたらしました。
マスクやトイレットペーパー、消毒液など
衛生用品は入荷・即品切れとなり、
広告宣伝しなくても売れていきます。
マスクが入手困難になると
主婦達は手芸店に殺到して
ミシンを買い求めました。
旅行や会食、大規模イベントが控えられ、
巣籠もり消費としてゲームや園芸、ペット、
アウトドア・ゴルフ用品などに代替されました。
電車通勤が敬遠される代わりに
自転車が飛ぶように売れました。
コンビニを利用していた人達は、
ホームセンターやディスカウント店で
まとめ買いすると安いことを再認識します。
各社の月次業績は好調に推移していますが、
やがてマスクは入手できるようになり、
緊急事態宣言も再発令されましたが、
日常生活は少しずつ元に戻ってきました。
月次は前年同月比で1年前からの成長を見る指標です。
生活雑貨・家電業界はこれから1年前の
特需の自社と勝負しなければなりません。
株式市場は、あの混乱の中の特需を超えて
成長するとは思っていないようです。
外食チェーン業界の勝ち組・負け組
個別状況:少数の勝ち組と多数の負け組
注目株:マクドナルド、モスフード、日本KFC、アークランドサービス、スシローGHD
業種別平均では、最下位の外食チェーンですが、
業界内には勝ち組も存在します。
ドライブスルー方式などテイクアウトで
コロナ禍にも対応できたファストフード勢は、
競合他社が閉店した中で独り勝ちとなり、
月次業績はプラスで推移。
牛丼店やカツ丼店、唐揚げ店など
独り飯や持ち帰りに対応しやすい業態も
業績は堅調です。
そのほかでは回転寿司も健闘。
テイクアウトの持ち帰り寿司が可能なほか、
食材となる鮮魚価格の下落が
収益面でプラスに働きました。
一方、多人数で食事になるファミリーレストラン、
夜間営業が主力の居酒屋チェーンなどは、
月次売上が5割から7-8割減となる
壊滅的な月次業績を記録。
繁華街でも条件の悪い立地では、
営業を続けるのが困難となり、
空きテナントも目立ってきました。
コロナ後、飲食チェーンの上場企業倒産は、
2021年2月時点では出ていませんが、
ヴィアHDが事業再生ADRを申請する
などかなり厳しい状況。
2回目の緊急事態宣言が長引くと、
体力的に厳しいところが出て来そうです。
一投資家としては、消費者に支持される
支持されないで勝ち組・負け組に分かれるのは、
健全な自由競争の原理かと思います。
しかし、全く別のコロナ等の外的要因で
勝者と敗者が決まるのは不公平と感じます。
コロナ禍が1年で終わる保証などなく、
セーフティネットは必要ではと。
通販・EC業界の勝ち組・負け組
個別状況:大多数の勝ち組
注目株:モノタロウ、cotta、ベガ、スクロール、千趣会、アイケイ
通販やECの業界は皆さんご存じのように
事実上Amazonの独り勝ち状態であり、
Amazonと差別化することで生き残りを図ってきた
というのが現状です。
そしてコロナショック以降、
・テレワークなどライフスタイル変更による実需の増加
・外出の自粛によるリアル店舗からの顧客移動
の二重の特需が発生し、業績も急回復しました。
現在はまだ、ほとんどの企業が業績好調ですが、
・コロナ前から好調だったところ
・コロナ後の特需で復調したところ
の間には本質的な違いがあり、
後者では特需が縮小した後どうなるか
注意する必要があります。
コロナ禍は、うまく特需に乗れましたが
コロナショックをきっかけにリアル店舗を持つ
大手企業もECに力を入れ始めました。
本当の実力が問われるのはこれからの1年ですね。
例えば、コロナ前からAmazonとの差別化に成功していた
モノタロウは、コロナショックから1年を経過した後も
業績株価ともに好調に推移していますが、
特需の恩恵を受けた企業の多くは業績は好調でも
株価はピークを過ぎたように下落している
ところが少なくありません。
百貨店業界の勝ち組・負け組
個別状況:すべて負け組
注目株:高島屋、Jフロント、三越伊勢丹
百貨店は少し前まで訪日外国人客による
インバウンド効果で業績好調でしたが、
コロナショックで外国人客がいなくなり、
緊急事態宣言が発令されると
客足は、ほぼ途絶えてしまいました。
もっとも緊急事態宣言下の百貨店が
最悪の状況であることは誰でも知っています。
言い換えると、今がもっとも悪い状況。
そして時間が経過すれば人類が感染症を
克服できることは歴史が証明しています。
それまで百貨店業界の体力が持つか
どうかは分かりませんが、
最悪の状況を織り込んで以降、
株価は少しずつ上昇に転じてきました。
ワクチン効果でコロナの克服は
思ったより早いかもしれません。
仮に東京オリンピックが開催されれば、
百貨店業界には多大な恩恵があります。
そして、コロナが完全収束すれば、
観光立国の日本にはアジアを筆頭に
世界各地から観光客が訪れるでしょう。
どうなるかは、神のみぞ知るですが。
サービス業界の勝ち組・負け組
個別状況:少数の勝ち組と多数の負け組
注目株:KeerPer技研、オートバックス、フジコーポレーション
サービス業界の明暗は、
ほぼコロナショックで人の移動が
制限された影響の度合いで
決まっています。
特に消費者向けサービスで
ダメージが大きい傾向にあり、
企業向けサービスは堅調です。
大ダメージ
・旅行サービス
・運輸サービス(人員輸送)
・冠婚葬祭、ホテル
中ダメージ
・アミューズメント
・駐車場
・美容・理容
小ダメージ
・企業向けサービス
追い風
・運輸サービス(物流)
・カーサービス
・金融サービス
GoToキャンペーンにより一時回復
した時期もありましたが、
緊急事態宣言の再発令で再び
厳しい状況となっています。
もっとも既に最悪期は過ぎており、
これから少しずつ改善に向かう
ことが期待されています。
2月現在では、KeerPer技研や
オートバックスなどカーサービスが好調で
連続してランク上位に名を連ねています。
公共交通機関より自家用車の方が
コロナからのセーフティを感じますよね。
ワクチン接種開始も明るい話題。
カテゴリ全体でも回復を株価に
織り込みつつあるようです。
ネットサービス業界の勝ち組・負け組
個別状況:ほぼすべて勝ち組
注目株:サイボウズ、トヨクモ、ラクス、NSD
ネットサービス業界は、
多くが企業向けサービスであり、
一般消費者にはなじみのない
銘柄が並んでいますが、
コロナショック以降の業績は、
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を
受けて極めて好調です。
この業界で月次を公開しているのは、
ほんの一部の企業に限られているので、
かならずしも業界の全容ではありませんが、
好調か不調かの目安にすることはできます。
多く会社がビジネスモデルを
従来型の個別受注やパッケージ販売から
クラウド型でサブスクと呼ばれる
月額課金モデルに移行していることも
収益性を高めている要因です。
今後も政府の支援のもと大企業から
中小企業までDX推進の流れは
続くものと考えられますので、
好業績の会社があれば、
強みを分析してみるとよいでしょう。
個別銘柄の業績と株価を読む
月次チャートで業績と株価を見る
同業他社比較から気になる銘柄が
見つかったら個別銘柄のページで
株価や月次の推移をチェックしましょう。
会社名から個別ページにリンクしています。
個別銘柄の好不調判断には、
(全店、既存店とも。基本的に数字が大きいほどよい)
・月次売上が拡大指向であること
・株価が連動して上昇していること
・同業他社より優位であること
などをチェックするとよいでしょう。
数字を確認できたら理由を考えます。
業績の根拠が納得できるもので、
かつ今後も継続すると考えるなら
投資候補となってきます。
月次の数字を見て、どこを選ぶかは、
(できれば四季報や決算も見た方がよい)
投資家の腕の見せ所といえるでしょう。
また個別銘柄を分析する時にも
同業他社との比較をしていきましょう。
アパレル業界3強をチェック
評価例としてアパレル業界3強を
月次チャートで比較してみましょう。
(2021年1月度の業績まで)
まず最初は月次好調の良品計画。
ここはコロナショック前に業績が悪化。
その後株価が大きく値下がりした後で
月次売上が復活した経緯があるので
株価も月次と連動して素直に上昇しています。
それでも株価はコロナ前に戻した程度ですが。
続いてワークマンの月次チャート。
ここは2019年が月次業績的にはピークで
2020年も悪くはないのですが、
期待先行で株価も大きく上昇した
2019年の数字と比較すると見劣りするため
株価はヨコヨコで調整に入っています。
最後にユニクロは、コロナショック後に
株価、月次業績とも急速に悪化したものの、
その後に大きな改善がみられたこと、
特に2019年より2020年コロナ後の方が
業績が良くなってたことで
株価は期待先行で大きく上昇しました。
業績が悪くないのに株価が下げているケース
業績が悪くないのに株価が下げている
ケースもありますので注意しましょう。
割安ではないか?と考えて
投資したくなることがありますが、
理由のある下げである場合が多いものです。
例えば、上の会社のように
コロナ禍で特需的に業績が拡大した会社は、
コロナの収束が見えてきた現在では、
足元の業績が好調でも株価は下げています。
会社統合で月次200%になったケース
これはイオン九州ですが、
MV九州との会社統合により、
全店売上が200%を超えています。
ただし、株価はそれほど大きく
上昇したわけでもありません。
既存店売上は103%とコロナ後の
食品スーパーとしては平均的。
全店だけが極端によい数字で
既存店は普通というような時は、
その理由を確認するようにしましょう。
既存店は良いというパターンもあります。
コロナショック1年後のスター株2社
コロナショック直後には、
ドラッグストアや食品スーパーの株が
大きく上昇していましたが、
1年が経過して顔ぶれは
かなり変わってきています。
コロナショックをきっかけに
業績を拡大させたのは同じですが、
特需ではなく、継続して成長が期待できる
実力派企業が買われているようです。
上の2社に共通する点としては、
月次が好調で株価が上向きだったところに
好決算で株価上昇が加速した点。
月次の好調が好決算とリンクする
ことは多いので注目ですね。
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