株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<7816>新型コロナと10倍株スノーピーク企業価値の深い関係


発掘チャート
スノーピークのキャンプ用品

今回は2014/12/11にマザーズに上場し
2021年に株価10倍(テンバガー)を達成した
スノーピークの企業価値と新型コロナの深い関係
について考察したいと思います。

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発掘チャート<7816>スノーピーク

スノーピークは日本において
オートキャンプの先駆けとなった
イノベーティブな企業です。

オートキャンプ以前のアウトドア
 非日常や不自由を楽しむ
オートキャンプ以後のアウトドア
 雰囲気を快適に楽しむ

オートキャンプの普及により、
アウトドア人口は飛躍的に拡大ました。

スノーピークの月足10年チャート

■スノーピークの上場推移
2014年9月 アパレル事業を開始
2014年12月 マザーズ上場
2015年12月 東証1部指定
2018年3月 スノーピーク・ロンドン設立
2019年7月 スノーピーク・USA設立
2020年8月 月次情報のリリースを開始

上場後のスノーピークは、
キャンプ用品からアパレルなどへ展開し
人気アウトドアブランドとして
国内外で認知されていきます。

2018年、2019年には
欧州と米国に海外拠点を設立し、
海外進出を本格化しました。

新型コロナショックとスノーピークの急成長

2020年に世界を襲った
新型コロナウィルスの脅威により、
感染リスクの少ない娯楽として
アウトドア人気は加熱します。

感染リスクの高い旅行や
インドア系が控えられるようになり、
人混みを避けた娯楽・レジャーとして
アウトドア人気が高まりました。

月次テーブル

2020年7月分からは、自社サイトで
月次業績を公開するようになり、
直後から目を見張る高成長を記録します。

ただし、2021年8月以降はピークを過ぎたと
見ることができるかもしれません。
(2022年は前年比のハードルも高くなる)

■スノーピークの月次テーブル
スノーピークの月次テーブル
■スノーピークの業績推移
2014年12月期 売上55億 経常利益2.7億
2015年12月期 売上78億 経常利益5.1億
2016年12月期 売上92億 経常利益8.5億
2017年12月期 売上99億 経常利益-0.3億
2018年12月期 売上120億 経常利益8.8億
2019年12月期 売上142億 経常利益9.6億
2020年12月期 売上167億 経常利益15.5億 ※新型コロナショック

また、株価が急上昇していったのは
2020年のコロナショック後ですが、
業績推移からは2017年を底に
業績はV字回復していたことが分かります。

特にコロナショック時の300円割れの安値は
絶好の投資チャンスだったと言えますね。

中期計画

ちなみにスノーピークは
2018年12月期の期初に下記の
中期計画を公表していましたが、
ほぼ予定通り達成しています。

2018年12月期 売上115億 営業利益2.0億
2019年12月期 売上134億 営業利益10.1億
2020年12月期 売上153億 営業利益15.5億 ※新型コロナショック

コロナショックの影響については、
プラス・マイナス両面があったでしょうが、
結果として売上は計画以上の超過で
営業利益は若干の未達で
着地しています。

もちろん、新型コロナ以前に海外へ投資し、
しっかりと成長の準備をしていたことが
2020年12月期の成長につながったわけです。

これを受けて策定した2023年12月までの中期計画は
3年でほぼ2倍とさらなる成長を見込んでいます。

2021年12月期 売上205億 営業利益20.5億
2022年12月期 売上245億 営業利益30.0億
2023年12月期 売上290億 営業利益40.0億

中期計画通りに成長すると3年後には、
   売上:1.74倍
 営業利益:2.68倍
となるわけですから、実現できれば
企業価値倍増も狙えるでしょう。

スノーピークは月次情報を公開しているので
月次情報で売上成長を監視しつつ
年4回の決算で利益も付いてきているか
チェックしながら投資しやすい特徴があります。
(成長倒れを判断しやすい)

海外成長がポイント

懸念材料としては「コロナ禍での企業価値向上」に
どこまで継続性があるかということでしょう。

絶好調な現在は一時的な特需の追い風にあると考えられますし、
アウトドア用品の多くは耐久消費財ですから、
初期投資は大きくとも毎年の購入は限られます。

従って、成長を続けるためには
海外比率をどんどん増やしていく
必要があるでしょう。

ここは重要なところで、
中期計画でも3年後に海外30%以上を
前提とする目標としています。(現在は18%)

ちなみにファストリテーリングの海外比率は46%ですが、
これは2001年のロンドン出店から20年かかった数字です。

スノーピークはロンドン出店からまだ3年。
短期間でユニクロに次ぐような成功が可能なのか。
ここが投資判断のポイントになりそうです。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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