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企業価値が予測可能な銘柄に限定して長期投資する優位性


投資コラム

はっしゃんです。

今回は分析と予測に基づく
長期投資の優位性について考察します。

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予測出来るか出来ないか

株価予測という観点から見た場合、
株式市場には2種類の銘柄が存在します。

ひとつは企業の成長や業績に比例して
ある程度規則的に株価変動している銘柄。

もうひとつは、なんだかよくわからない理由
株価が動いている銘柄です。

前者は企業分析をすることで、
長期的な株価をある程度予測できます。

後者は、どんなにがんばって分析しても
予測することができません。

さて、長期投資の対象として優れているのは、
どちらの銘柄でしょうか?

ある程度予測できる銘柄の条件

100%予測できる銘柄などありませんが、
成長シナリオが実現するという前提条件付きで、
予測できる銘柄は存在します。

このような銘柄は少数ですが、
業績から理論株価を計算して株価と比較すると、
連動していることが分かります。

■株価と理論株価が連動して右肩上がりに成長している
ある程度予測できる銘柄のサンプル
連動性を示す銘柄は、下記を満たすケースが多いようです
1.市場の値動きから独立できる程度の成長性を有していること
2.理論株価から乖離して人気化するほどの成長性はないこと
  もしくは、理論株価から乖離に追いつく高い成長性を持つこと

予測は、成長シナリオが続くという仮説に過ぎないので、
右下のように挫折すると急落することもあります。

また、予測通りにシナリオが運んだ場合でも、
暴落と重なったりして期待外れも少なくありません。

それでも、成長シナリオが十分に長いスパンで実現した場合、
抜群のパフォーマンスを提供してくれることでしょう。

業績予測で優位性を育む

企業価値の予測ベースとなるのは決算です。
決算ギャンブルという言葉もありますが、
果たしてそうでしょうか?

確かに決算の当たり外れには
運の要素もあるけれど
それだけではありません。

その企業がどういうビジネスしていて
顧客が誰で、競合が何処で
ターゲット市場は伸びているのか。

どうやって利益を上げて成長していて
目指している目標を調べて
未来の企業価値、理論株価を出してみる。

そして10%や20%でも的中率が上がると
それが長期投資の優位性になります。

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自分の得意な土俵で勝負する

予測できる銘柄、予測できない銘柄は、
投資家のスキルによっても異なります。

重要なことは、自分で業績や株価が
予測可能な銘柄に限定して投資することです。
その方が安全で確実だし、
ストレスにもなりませんよね。

有望と言われているような銘柄でも
理解できないものには投資しません
株式投資はギャンブルではありませんから、
これも当たり前のことです。

そもそも投資というものは、
ギャンブル的要素を排除していき、
確率戦で勝負するものです。

予測可能な銘柄に絞ることで、
投資対象も限られてしまうわけですが、
これは戦略的な選択と集中ですね。
自分の得意な土俵でのみ勝負します。

高PBR銘柄は2種類ある

少し専門的な話をすると、高PBR銘柄には2種類あって、
1つは、利益を出して高ROEによって高PBRが担保されている銘柄。
もう1つは、期待や思惑だけで高PBRになっている銘柄。

前者は利益やROEと連動して株価を予測しやすいが、後者は予測が難しい。
はっしゃんは、前者のみ投資対象とするようにしています。

この2つの区別は初心者には難しいけれど、
理論株価を使えば容易に判断できます。

PERやPBR、ROEについての解説はこちら。

理論株価で考えてみる

さて、はっしゃんの場合、予測可能なのは、
「株価は長期的に利益に比例して変動する
というシンプルなルールだけです。
このルールを具体的な式であらわすと、

理論株価=資産価値+事業価値
 資産価値=BPS×割引評価率
 事業価値=EPS×ROA×150×財務レバレッジ

ということになります。

式にすると難しいと思うかもしれませんが、
ベースとなる指標は単純なものです。
決算書や四季報から数値を拾うだけで、
誰でも簡単に計算できます。
(はっしゃん式では無料の計算ツールも用意しています)

5年先を考えてみる

長期投資では、

・これまでの業績や株価推移
・会社の投資計画や成長余地
・ビジネスモデルの優位性
・市場規模や将来性

などを評価して数年先の理論株価を予測します。

数年先の株価予測にも同じ式を使いますが、
最も重要なのはEPS(1株利益)の「伸び」なので、
他の項目は、同じ値でもかまわないでしょう。

予想EPSは自分で算出した予測値を使用しますが、
四季報にも2期先までの予想が掲載されているので、
参考にするとよいでしょう。(鵜呑みにしないこと)

5年後株価計算ツール

5年後株価計算ツール

数年先の株価予測がピンとこないかもしれませんが、
はっしゃん監修「5年後株価計算ツール(無料)」を使うと
成長率とBPS、EPS、資本比率から
5年先まで未来の株価をシミュレーションできますので、
数年先もイメージしやすいと思います。

5年後の企業価値計算にチャレンジしてみる

株価予測を自分でしてみると分かることですが、
人気株の場合、半分以上のケースで、
現在の株価が理論値を超える水準まで買われています

はっしゃんは、どれだけ有望な銘柄でも
割高な銘柄には投資しないことにしています。
過去のスター株の成長の軌跡を見ても、
割高な水準での長期投資はよい結果になっていません。

※割高な水準を買わないというのは、
 高値を買わないことではありません。
 成長して企業価値が上がると株価も上がります。
 適正な水準で成長余地があれば、
 株価が5倍、10倍になっていても買いです。

自分で分析して予測して投資する

投資後は、年4回の決算で業績をチェックし、
投資を続けるか判断しますが、
できるだけ長く持ち続けるのが理想です。

成長にあわせて目標を再設定し、
10倍、20倍以上でも持続できるし、
10年、20年と続けることもできます。

将来の業績や株価の見込みはどうか。
現在の水準は割高か適正か。
この判断を自分で出来ることが、
長期投資に必要なスキルとなります。

長期投資では、投資期間が長くなるほど、
業績・株価予測と投資成績の連動性が高まり、
暴落や市場トレンド等の外的要因は、
無視できるほど小さくなります。

短期では需給がすべてですが、
長期は企業価値がすべてです。

株価や業績を予測して投資していますか?
最初から、うまく出来るとは限りませんが、
続けることでスキルアップできると思います。
失敗した場合は原因を分析して改善していけばよいのです。

自分で分析し、予測し、投資する。
予測できないものには投資しない。
割高な水準では投資しない。

はっしゃん式長期投資の核心は、これだけです。
ご参考になれば幸いです。

銘柄の選びは、ランチェスター戦略をご参照ください。

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