決算期に入っていますので、
引き続き、はっしゃんが開発して
実際に使用している決算分析ツールの
使い方を紹介しています。
2回目は、バランスシートを
ビジュアル化して表示するツールです。
初心者の方でも簡単に使えますので、
ぜひご活用いただければと思います。
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INDEX
バランスシート(貸借対照表)とは?
上場企業の決算書を構成する「財務三表」の1つで、
資産価値を借方、貸方で表す指標です。
・貸方 .. 純資産+負債(お金の調達明細)
NTTドコモのバランスシート(IFRS)
中間決算のバランスシートです。
資産の部(借方)と負債及び資本の部(貸方)の
2ページ構成になっています。
いろいろ難しそうに感じますが、
要点だけ見るのは比較的簡単で、
赤枠の6種類の数字をピックアップすればOK。
負債の部:流動負債、非流動負債(固定負債)
純資産の部:純資産(自己資本)
※当座資産は、流動資産のうち換金性の高い資産(現金、預金、受取手形、売掛金など)の合計です。
用語が会計基準によって少し違うので
カッコを付けていますが、
これら数字からバランスシートを
見える化します。
バランスシート[BS]チャートの使い方
分析ツールのページを開きます。
PCでもスマホでも使えます。
ツール画面をスクロールして、
中ほどのパラメータ設定画面に
バランスシートの借方と貸方の数字を入力します。
(銘柄コードも入力すると会社名を表示できます。)
当座資産は複数科目の合計になりますが、
計算式でも入力できます。
上のNTTドコモの例:358190+2142245+61361
入力できたら、[更新]ボタンをポチ。
これだけ。
バランスシート[BS]チャートの見方
数字が正しく入力できていたら、
バランスシートの内容を6種類の
ビジュアル評価指標で表示します。
バランスシート項目解説
バランスシート項目を簡単に解説します。
・当座資産
現金また現金同等物(売掛金、手形など)で、最も安全性が高い資産です。
ただし、売掛金や手形は、不良化の可能性がゼロではありません。
・流動資産
商品や原材料、棚卸資産など、現金化に時間がかかる資産です。
業績不振の企業では、商品や在庫が不良化して現金化できないこともありえます。
・固定資産(非流動資産)
工場や不動産など、通常は現金化しない資産です。
経営危機に陥った企業が本社ビルを売却するケースを見かけることがありますね。
・流動負債合計
1年以内に返す予定の借金です。
・固定負債(非流動負債)
1年以上先に返す予定の借金です。
・純資産
返す必要のない自己資本です。
これら資産と負債のバランスを見て、安全か、不良化していないか見ていきます。借金を余裕で返せる優良企業か、自転車操業の危ない企業か判別するわけです。
評価指標は次の6種類です。
自己資本比率:高いほどよい
流動比率:高いほどよい
当座比率:高いほどよい
固定長期適合率:低いほどよい
固定比率:低いほどよい
さらに、評価指標が良い悪いか
簡易評価も算出してくれます。
NTTドコモのバランスシートですが、
インフラ事業者とあって固定資産が多めですが、
すべて自己資本でまかなっており、
さすがに日本を代表する企業だけあって超優秀です。
数字を入力するだけで分析できますので、
ぜひ、皆さんも持株のバランスシート分析に
チャレンジしてみてください。
バランスシート[BS]のサンプル事例解説
ファブレスメーカーで超優良企業キーエンスのバランスシートです。
◎ 自己資本比率95.1%
◎ 流動比率1632.2% ◎ 当座比率1537.5%
◎ 固定長期適合率29.4% ◎ 固定比率29.5%
巨大な装置産業でもあるTDLを運営するOLCのバランスシートです。
財務は盤石ですが、固定比率の高さが特徴です。
◎ 自己資本比率81.2%
◎ 流動比率333.1% ◎ 当座比率307.3%
◎ 固定長期適合率69.7% ◎ 固定比率76%
IPO直後のメリカリのバランスシートです。上場直後は当座資産が多いのが特徴。
まだ使う前ということですね。
○ 自己資本比率46.2%
◎ 流動比率257.8% ◎ 当座比率247.2%
◎ 固定長期適合率4.8% ◎ 固定比率6.5%
楽天のバランスシートです。金融業を含むため自己資本比率は低めです。
△ 自己資本比率10.5%
○ 流動比率148.5% ○ 当座比率140.4%
◎ 固定長期適合率30.2% ○ 固定比率117.8%
業績が悪化し始めた鳥貴族のバランスシートです。厳しい。
○ 自己資本比率36.7%
△ 流動比率78.6% △ 当座比率64.2%
△ 固定長期適合率114.2% × 固定比率186.9%
倒産直前のラスク店シベールのバランスシートです。これは投資できません。
○ 自己資本比率28.8%
× 流動比率36.9% × 当座比率20.4%
× 固定長期適合率127% × 固定比率309.2%
参考:バランスシート[BS]チャートの評価基準
ツールでは、入力データから簡易評価を
計算して出力する機能を用意しています。
それぞれ4段階で評価します。
投資判断の参考にしてください。
自己資本比率
純資産÷総資産
高いほど安全性が高くなりますが、
高すぎると資本効率が悪くなります。
○ 普通 (20%以上)
△ イマイチ (10%以上)
× NG (10%未満)
流動比率
流動資産÷流動負債
短期で返済すべき負債に対して
何%の資産があるかを表します。
高いほど優秀です。
○ 普通 (100%以上)
△ イマイチ (70%以上)
× NG (70%未満)
当座比率
当座資産÷流動負債
短期で返済すべき負債に対して
何%の当座資産があるかを表します。
より厳しい見方になりますが、
高いほど優秀です。
○ 普通 (70%以上)
△ イマイチ (50%以上)
× NG (50%未満)
固定長期適合率
固定資産÷(純資産+固定負債)
固定資産を自己資本と長期負債で
何%賄っているかを示します。
低いほど優秀です。
○ 普通 (100%以下)
△ イマイチ (120%以下)
× NG (120%超)
固定比率
固定資産÷純資産
固定資産を自己資本だけで
何%賄っているかを示します。
低いほど優秀です。
○ 普通 (120%以下)
△ イマイチ (150%以下)
× NG (150%超)
ご参考になれば幸いです。
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