今回は経営危機が注目されたなか、
外資ファンド傘下で再建を図ることになり、
2019年3月26日で上場廃止となった
パイオニアの株価チャートを紹介します。
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技術のパイオニア
パイオニアといえば技術主導型企業の
イメージがありますね。
先進的な製品を次々と発売し、
高価格・高機能なブランドとして
マニアの人気を集めていました。
・レーザーディスク
・GPSカーナビ
・プラズマTV
2009年に社運をかけたプラズマTV事業が頓挫した後は、
カーナビ事業に経営資源を集中していましたが、
スマホの地図アプリとの競合から大苦戦。
外資傘下で再現を図ることを選択しました。
高機能・高性能ブランドの終焉は、
奇しくも平成元号下での年度受け渡し最終日。
1つの時代の終わりを感じます。
ファンドの100%子会社となり、
上場基準を満たさなくなるためで、
倒産ではありません。
発掘チャート<6773>パイオニア
数々の名製品を生み出した
パイオニアが最も輝いたのは、
やはり、1990年6月。
世界初のGPSカーナビを
発売した時でしょう。
「道は星に聞く」
先進性、新規性、メッセージ性・・・
はっしゃんが個人的に
最も感銘を受けたキャッチフレーズがコレです。
当時、まだ大学生ですが(笑)
■主な出来事
1990/06/21 世界初GPSカーナビ発売
2006/04/19 フルHDプラズマTV発売
2009/03/01 プラズマTV事業が大赤字
2018/12/10 外資ファンド傘下入り
2019/03/26 上場廃止
■株価推移
1990/06/29 6,570円
2009/03/10 82円
2018/12/10 62円
2019/03/26 65円
パイオニアの株価は、カーナビ発売後に
ムーブメントを巻き起こし、
1週間後には6,570円の最高値を付けます。
バブル相場が崩壊していく過程の逆行高。
素晴らしい輝きでした。
パイオニアと経営危機
その後は、2009年にプラズマTV事業の大赤字から
経営危機が表面化。株価も82円まで沈みます。
パイオニアの失敗は、技術主導企業であるがゆえの
得意分野への偏向集中の繰り返しでもありました。
残念なことであります。
この時は、プラズマTV事業を売却して凌ぎましたが、
立て直しを図ったカーナビ事業でも失敗し、
2018年12月には、株価62円の最安値を記録します。
結局、その後、外資系ファンドへの第三者割当増資と
既存株の買い上げ、上場廃止スケジュールが発表されました。
最後の株価は、この買い上げ価格66.1円より1円安い
65円で終幕となりました。
ちょうど最高値から100分の1での退場劇でした。
道は星に聞くから30年・・・
さらば、パイオニア
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あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。