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<6758>ソニーショックがリーマンショック以上に下げた理由


発掘チャート
ソニーショック時のソニーの株価チャート

今回は2003年のゴールデンウィーク前に発生した
ソニーショックについて検証します。

ソニーショックは、2003年4月25日。
前日のソニーの決算発表をきっかけに発生した暴落です。

この暴落でソニーは2日連続ストップ安となり、
日経平均株価も大幅安を記録しています。

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ソニーショックとリーマンショック

実はソニーショックは、日経平均株価が
リーマンショックに次ぐ安値を記録した
マイルストーンでもあります。

株価チャートでみると、日経平均株価が
ソニーショックとリーマンショックでダブルボトム
になっていることが、よく分かると思います。

■日経平均株価のソニーショックとリーマンショックの比較ソニーショックとリーマンショックの日経平均株価チャート

ソニーショックがリーマンショック以上に下げた理由

ソニーショックとリーマンショックには、
2年以上続いた下げ相場の最終局面という
共通点があります。

より鋭角的に下げたのはリーマンショックですが、
直近高値からの下落率で見た場合は、
ソニーショックの方が、より大きく下げています。

ソニーショック
 直近高値 20833.21円 (2000.4.12) ITバブル
 暴落安値 7603.76円 (2003.4.28)
 下落率 -63.5%
リーマンショック
 直近高値 18300.39円 (2007.2.26) いざなみ景気
 暴落安値 6994.90円 (2008.10.28)
 下落率 -61.8%

テクニカル的な理由で言えば、
暴落前の景気ピークの山が、
ITバブルの方が、いざなみ景気よりも高かったから
という単純なものです。

ソニーショックとリーマンショックの違いは、国内ローカルとグローバルの違いです。

ソニーショック暴落の影の主役

リーマンショックの暴落要因は、
そのままリーマンブラザーズ証券の倒産ですが、
ソニーショックの暴落要因は、
ソニーの決算だけではありません。

ソニーショックの発生は、小泉内閣の時代。
竹中平蔵財務相、堺屋太一経企長官の頃です。

当時、竹中大臣は銀行の経営が悪化すれば、
都市銀行でも例外なく破綻処理する」と明言していて、
そのような中で、不良債権問題が最終決着しておらず、
危ないと言われていた、りそな銀行が監査法人から
決算監査を辞退され、決算発表すらできない
状況に追い込まれていました。

つまり、当時の株価は、りそな銀行の破綻に伴う
経済混乱を織り込んで下げていたわけです。

ソニーショックは、このような状況下で発生し、
市場に強烈なインパクトを残すことになりました。

ちなみに、ソニーショックの余韻が残る
ゴールデンウィーク明けの2003年5月17日。
りそな銀行は破綻処理されず国有化されます。

りそな銀行の国有化でソニーショックを陰の極とする
バブル崩壊の不良債権問題は、ひとまず収束しました。

ちなみに、ソニーの最高値はITバブル期。初代プレイステーションの頃でした。

発掘チャート<6758>ソニー

2003年4月24日大引け後。
ソニーは営業利益が予想を1000億円下回る決算を発表。
さらに、今期も大幅減益の見通しとしたことで、
市場には動揺がひろがります。

■ソニーショック時のソニーの株価チャートソニーショック時のソニーの株価チャート

■ソニーの株価推移
2003/4/24 3720円
2003/4/25 3220円 (-13.4%)
2003/4/26 2720円 (-15.5%)

ソニーは大量の売りを浴びて2日連続ストップ安。
ハイテク株も連鎖的に売られ、日経平均株価は、
当時の最安値を連日で更新しました。

■ソニーショック時の日経平均株価の株価チャートソニーショック時の日経平均株価の株価チャート

■日経平均の株価推移
2003/4/24 7854.57円
2003/4/25 7699.50円 (-1.97%)
2003/4/26 7607.88円 (-1.19%)

ソニーが連続ストップ安になった理由

ソニーショックの影の主役は、
前述の不良債権問題だったとしても、
なぜソニーが、連続ストップ安まで
売られたのかというと、時間を
ITバブルまで巻き戻す必要があります。

初代プレステで業績を伸ばしたソニーは、
プレステ2発売直前のITバブル時に
業績に先行して株価のピークを迎えます。

■ITバブルからソニーショックまでの理論株価チャートITバブルからソニーショックまでの株価チャート

ITバブル崩壊後、株価は下落。
業績も先行投資などで低迷が続きますが、
市場は投資回収期には持ち直すとみて
株価は比較的高い水準を維持していました。

当時の家庭用ゲーム機は、
ハードでは、ほとんど利益は出さず、
後からソフトで回収する構造であったため、
市場はこれを織り込んでいた。

特にソニーショック前の2003年3月期は、
前期の赤字から復活して増収増益の予想で、
3Q決算までは達成可能なペースで、
業績も進捗していました。

それが最終決算では4Qが赤字になり、
さらに2004年3月期も減収減益見通し
となったことから、
「これは、もうダメだな」
と見切り売りが嵩んだというわけです。

2002年3月期の結果
 税引前利益 92,775
2003年3月期の期初予想
 税引前利益 310,000
2003年3月期の結果
 税引前利益 247,621
2004年3月期の期初予想
 税引前利益 130,000

また、この頃のソニーは、
アップルが2001年に発売したiPodに
携帯音楽プレイヤー市場
浸食されていった時期でもあります。

アップルはソニー対抗を明確にするため、
iPodのカラーを白にしたと言われます。

ウォークマンからiPodへの主役交代
「これは、もうダメだな」
には、SONYというブランド価値の下落。
オーディオ・ビジュアル盟主からの
転落予兆も含まれていたと言えるでしょう。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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