今回は、2002年の田中耕一氏の
ノーベル化学賞受賞をきっかけに
ご祝儀相場から株価14倍となった
島津製作所の株価チャートを紹介します。
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発掘チャート<7701>島津製作所
ノーベル化学賞受賞時の田中耕一氏は、
分析機器事業部主任という肩書きでした。
普通のサラリーマンがノーベル賞を受賞する
という日本初の出来事は大きな話題となりました。
田中氏は、レーザーイオン化質量分析技術を開発。
たんぱく質を分解せずイオン化することに成功した功績で、
ノーベル化学賞を受賞しました。
田中氏の功績によって、たんぱく質の詳細な分析(質量分析)
が可能となり、血液や細胞中のたんぱく質のわずかな違いから、
癌などの病気を早期発見する技術が進展しました。
■株価推移
2002年10月09日 261円 (ノーベル賞決定前)
2002年10月10日 306円 (ノーベル賞決定後 +17.2%)
2002年10月22日 475円 (決定後の直近高値 +82.0%)
島津製作所の株価は、ノーベル賞決定前には、
261円でしたが、受賞決定後から急騰し、
その後11日間で82%上昇しました。
ちなみに、ノーベル賞受賞後の安値は、
2003年3月11日の289円となっていて、
受賞前の株価を1回も下回っていません。
その後の島津製作所
田中氏のノーベル化学賞の受賞分野でもある
医療用分析器に強みを持つ分析・計測機器大手として
増収増益基調が続いています。
20年チャートでもノーベル賞決定前の
261円が底値になっています。
ノーベル賞受賞時の出来高からも、
そのインパクトの大きさが分かります。
株価はリーマン・ショック前後に
低迷した時期もありましたが、
右肩上がりで成長を続け、
2018年9月には
ノーベル賞前の14倍の高値を付けました。
関連リンク
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あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。