今日はアベノミクス下で進められている
法人減税について考えてみましょう。
言うまでもなく法人減税は株価にプラスですが・・・
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実効税率と税引後利益
法人減税により企業の実効税率は低下
が続いています。
2012年 約37%
2014年 約35%
2016年 約32%
2017年 約30%
実効税率から計算すると、
2011年以前と比べて2017年以降の
企業の税引後利益は16%ほど増加する
計算になります。
上場企業で利益が安定している
内需企業3社の経常利益と純利益から、
実効税率を概算してみましょう。
(2013年以降)
<9432>NTT
<9843>ニトリ
<3088>マツキヨ
※数値は会社予想もしくは実績ベースです。(一部に独自推定もあり)
四半期利益は比較しやすいよう通期分に調整しています。
法人減税のプラス効果
税率が低下していくことで、
純利益の割合が増えている
ことが分かります。
低金利の現在、銀行にお金を預けたところで、
利子は0.1%とないも同然ですが、
上場企業の株式を購入しておけば、
法人減税分だけでも、
直近5年間で「理論株価換算2.56%のプラス効果」
があったことになります。
残った利益は配当として株主還元されたり、
内部留保となって企業競争力を高めます。
法人税率の国際比較
ところで日本の法人税は安いのでしょうか?
残念ながら安い方ではありません。
グローバル経済下では企業は国を選べますから、
法人税率が国際競争上、重要な要素である
ことは言うまでもありません。
主要国の法人実効税率を比べると・・
ドイツ:約30%
日本:約30%
アメリカ:約40% → 27.98%に減税実施
カナダ:26.5%
中国:25.0%
イタリア:24.0%
イギリス:19.0%
財務省HPより
となっており、日本は少しずつ減税していても、
主要国の中では、まだまだ高い方。
少し前までアメリカが40%と一番高かったのですが、
トランプ大統領による大幅法人減税で抜かれました。
国際法人減税競争時代
現在の米国株高には、トランプ大統領による
法人減税の影響は少なくないでしょう。
トランプ大統領は減税も実施したうえで、
アメリカ国内に工場を作れといっている。
主要国が法人税を下げ、
グローバル企業を誘致しようと
競争する構図になっています。
リーマン・ショック以降の世界的な株高には、
このような「国際的な法人減税競争」という
背景もあるわけですね。
法人減税と消費増税
東京オリンピックという絶好の機会を控え、
海外からの投資を呼び込むためにも、
今後、日本の法人税について、
さらなる減税圧力がかかるとみて
間違いないでしょう。
安倍首相も法人税25%への下げ
について言及しています。
消費税10%増税とのセットには、
かなり疑問がありますけど、
財源は必要ですから難しい問題です。
まとめ
企業や投資家にとってプラス効果がもあり、
歓迎したい法人減税ですが、
消費増税を考えると素直に喜べない感じですね。
消費税はバブル経済をハードランディグさせ、
株価に悪影響を与え続けてきた元凶です。
法人減税メリットを最も享受できるのは、
株式への長期投資だとは思いますが、
判断は皆さんにお任せしましょう。
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