株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<3092>前澤氏のZOZO創業から成功、失敗、退任まで21年間まとめ


発掘チャート

前澤氏がZOZO社長を退任し、
ZOZOがヤフーの傘下に入る
ことが決定しました。

2007年スタートトゥディのマザーズ上場から
10年で株価を50倍にしてきたZOZOですが、
社運をかけたZOZOスーツで失敗してからは、
業績が伸び悩んでおり、前澤氏の行動が
メディアなどで注目を集めていました。

成長株のエース

ZOZOの株価は10年で50倍になりましたが、
これは、バブルやマネーゲームではなく、
業績と株価が連動して右肩上がりの成長を続ける
健全な成長株として実現したものです。

ピークになった2018年3月期の業績をみると、
売上は上場直後の11倍、
経常利益は19倍に増加しています。

■月足チャート(2007年12月-2019年2月)
 ZOZOの業績推移を理論値で示した理論株価チャートでも、業績と株価の連動性を確認できます上場後からのZOZOの理論株価チャート

内容的にも、売上より利益の伸びが大きく、
経常利益率は当初の20%から33%まで上昇、
成長と高い資本効率で高株価を実現した
エース級の成長株だったといえるでしょう。

■ZOZO業績推移
2008年3月期 売上85億 経常利益17億
2009年3月期 売上106億 経常利益22億
2010年3月期 売上171億 経常利益32億
2011年3月期 売上238億 経常利益58億
2012年3月期 売上318億 経常利益76億
2013年3月期 売上350億 経常利益85億
2014年3月期 売上385億 経常利益124億
2015年3月期 売上411億 経常利益151億
2016年3月期 売上544億 経常利益178億
2017年3月期 売上763億 経常利益264億
2018年3月期 売上984億 経常利益327億
2019年3月期 売上1184億 経常利益257億
2020年3月期 売上1360億 経常利益320億 ※会社予想

スタートトゥディの設立から上場まで

ZOZOは前澤氏がゼロから
ビジネスを立ち上げ、
成長してきた会社です。

1995年 前澤氏が輸入音楽の通販ビジネスを開始
1998年 スタート・トゥディ社の設立
2004年 ZOZOTOWNオープン
2007年 マザーズ上場

前澤氏は1995年に個人輸入したレコードやCDの通販ビジネスを開始。
1998年にはスタート・トゥディ社を設立し、
2000年頃からアパレル通販を開始します。

1998年といえば、ユニクロ原宿店がオープンし、
1900円の格安フリースがブームになった年。
翌1999年にヤフーがヤフオクを開始という頃でした。

アパレルには、サイズの概念や試着・直しを経て
購入に至るというステップがあり、
そもそも通販に向いていない商品でした。

当時は、ユニクロですら通販を開始しておらず、
自社で通販サイトを運営しようと考えている
アパレルメーカーなど、もちろん皆無でした。

特筆すべきこととして、
前澤氏はバンドマンと兼業で
これらをやってきたことでしょう。
1998年にはメジャーデビューを
果たしたものの続かず。
2001年にはバンド活動を休止し、
ビジネスに舵を切ります。
ここからスタートトゥディの快進撃が
始まったといえるでしょう。

前澤氏は、アパレルメーカーや
セレクトショップに出向いて
ZOZOTOWNへの出店を働きかけ、
賛同を引き出すことに成功します。

ZOZOTOWNは成長を続け、
2007年にマザーズ上場。
さらなる飛躍を開始しました。

 ユニクロはフリースブームが社会現象となった1998年から2000年にかけて株価が60倍に急上昇させています。

発掘チャート<3092>ZOZO

ZOZOは新しいビジネスモデルを
他社に先駆けて次々と取り入れることで、
成長の糧にしてきました。

■月足チャート(2007年12月-2019年2月)
 リーマンショック後の安値からの上昇率は77倍と全盛期のユニクロをも凌ぐ上場後から2019年までのZOZOの株価チャート

※株価は分割補正されています

2016年11月には、ツケ払いサービスを開始。
若年層に負債を負わせるビジネス手法には賛否両論がありましたが、
その後、売上、利益を20%以上伸ばすなど、成長が加速します。

しかし、2017年末に始めたZOZOスーツが失敗に終わると成長に急ブレーキ。
業績は減益で下方修正となり、成長の踊り場を迎えていました。

前澤氏の迷走とメディア露出

ZOZOスーツ失敗と前後して
前澤氏が女性タレントとの交際
ツイッター発言などでメディアに
露出する機会が増えてきました。

きっかけとなったのは、
女性セブンのスクープ記事でしょうが、
それを逆手にとってW杯観戦の話題や、
プロ野球の球団保有、さらには月旅行など、
内容的にも、かつてのホリエモンとよく似た
宣伝目的のような話題が多くなってきます。

■週足チャート(2017年12月-2019年4月)前澤社長のメディア戦略とZOZOの株価チャート

■前澤氏のメディア報道まとめ
2018/04/25 女性セブン交際記事
2018/07/15 W杯観戦ツイート
2018/07/17 プロ野球球団保有に意欲
2018/07/31 ZOZOスーツ失敗で減益
2018/09/18 月旅行計画
2018/12/末 年末TV特番出演
2019/01/05 1億円プレゼント
2019/01/28 下方修正
2019/02/06 洋服の原価ツイート(直後にツイッター休止宣言)   
2019/04/25 ARIGATOサービス終了(ツイッター復帰)
2019/05/13 時給1300円2000人バイト募集に申込殺到
2019/05/16 絵画をオークションで売却
2019/06/24 ZOZOMAT予約開始
2019/09/12 前澤氏ZOZO社長退任
2019/11/12 前澤氏の交際女優と破局報道

2019年新年早々には100万円を100人に
1億円プレゼントが大きな話題を集めたものの、
悪趣味な金のバラマキとして反感を
覚えた人も少なくないと思います。

そして、2月に入ると
「1万円の洋服の原価は、2-3000円」
というアパレル業界の付加価値を
完全否定するようなツイートを連続投稿。
(現在は削除)

業績悪化で株価の大幅下落が続く中、
社長自らが企業価値を毀損するような言動
重ねることに、疑問を持った株主も
多かったかと思います。

株価の方は、ピーク時4875円から2月には1621円と-66.7%の大幅下落。
前澤氏の露出とは反対に、企業価値は一時3分の1まで縮小。
TOB報道直前の株価は2166円となっていました。

5/13には、時給1300円で2000人のバイト募集に申込が殺到したり、
5/16に絵画コレクションの一部をオークションで売却するなど
話題を提供してくれていました。

ワークマンプラスで急成長を遂げたワークマンは20年で株価50倍です。

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前澤氏の退任とヤフー傘下入り

求心力低下とブランド退店

本来の業績ではなく、
販促目的の話題作りや問題発言が
目立っていた頃の前澤氏は、
足元では、ZOZOから退店するブランドが増加し、
頭を悩ませていたと思われます。

■ZOZO退店ブランド一覧
・オンワード 退店
・ミキハウス 退店
・4℃ 退店
・パーリーゲイツ 退店
・ライトオン 退店(2019/2/20)
・ノースフェイス退店(2019/3/15)
・ヘリーハンセン退店(2019/3/15)
・しまむら 退店(2019/6/20)

当初の退店理由は、新サービス「ZOZOARIGATO」が実質値引きとなり、ブランド価値を毀損する点で共通していましたが、最近はライトオンやしまむらなど、自社サイト運営の重視に舵を切る大物ブランドの退店が注目されていました。

ヤフー傘下で建て直しへ

2019年4月25日。
ZOZOは、上場後初の減益決算を発表。
今期は24%の経常増益と
V字回復を狙っていました。

同時にブランド退店の原因となっていた
ZOZOARIGATOサービスの終了も発表。
ZOZOスーツに続く2度目の失敗になりました。

2019年6月24日には、足のサイズを計測する
ZOZOMATを発表。たちまち予約が殺到し、
新規ビジネスとして期待されています。

最近は、前澤氏による絵画など個人資産売却や
厳しい資金繰りが報道されていましたが、
結局、前澤氏がZOZO社長を退任し、
ヤフー傘下での再建を図ることになりました。

 ヤフーはITバブル期に株価1億円を達成した平成最高の出世株ですが、近年は業績や株価も低迷が続いています。ZOZOとの相乗効果で巻き返しを期待したいところです。

ZOZOのヤフー傘下入り評価

成長株投資の視点から見ると、
ZOZOもヤフーもピークを過ぎた企業同士。
負け組連合であり魅力に乏しい提携です。
(成長するとは思わないし投資したいとも思わない)

特に前澤氏の抜けたZOZOは、
推進力を失った船のようなもので、
何の魅力もありません。

そもそもヤフーの目当ては、
ZOZOの顧客名簿ですが、
ある程度の相乗効果は出せるでしょうが、
足し算で計算できる上乗せがある程度でしょう。

個人的には、ゼロからZOZOを起業し、
ここまで育て上げた前澤氏の新ビジネス
があれば、むしろこちらに期待したい。

アイデアマンでスタートアップの異才ですから、
何か面白いことをしてくれるじゃないかと。

しばらくは月旅行の準備に専念するそうだけど、
個性的な経営者だっただけに、ちょっと寂しくなるなぁ。

その後、前澤氏はZOZO退任と同じ日に
新生・スタートトゥディ社を設立していた
ことを明らかにしました。

前澤氏には、ビジネスの最前線に復帰して
日本をもっと面白くして欲しいと思います。

追伸:
 2019/11/12に交際していた女優の
 剛力彩芽さんとの破局が報道されました。
 会社もプライベートも心機一転。
 頑張ってほしいものです。

関連リンク

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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