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投資家なら知っておいて損はない流動性リスクという考え方


投資コラム

はっしゃんです。

今回は、流動性リスクについて考察します。

上昇を期待して購入した株だったけれど、
盛り上がった時期が過ぎると、だんだん商いが細くなり、
売るに売れなくなってしまった。

このような経験をしたことのある方も
いるのではないでしょうか?

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3人に2人が流動性リスクで苦労した経験

twitterで実施したアンケートによると、
3人に2人の方が流動性リスクで苦労した経験が
よくある 30%
ときどきある 36%
と回答しています。

流動性リスクアンケート結果
投資家にとって流動性リスクは、
身近なリスクだと言えるでしょう。

値動きと流動性で二重に負ける

銘柄選択に失敗して株価が下落した場合は、損切りすることになりますが、
流動性リスクを考慮せずにポジションをとってしまうと、
負けた株価位置での損切りさえできない状態となります。

負けた位置より、さらに安値で投げさせられることもあるわけですから、
値動きと流動性で二重に負けている状態ですね。

参考とすべき指標がない件

このような流動性リスクを回避するには、
投資ボリュームを抑制する必要がありますが、
参考となる指標がなければ判断のしようがありません。

まあ、なければ自分で作ればよいわけです。
目安となる指標について考えてみることにしましょう。

流動性を確認する方法

流動性は銘柄によって違います。
注目されている大型株や人気株では高く
中小型株や不人気株では低くなります。

では、流動性の違いをクリスマス暴落があった
2018年12月の月間出来高から見てみましょう。

■2018年12月の月間出来高の比較
   みずほFG:2,664,338,100株 (1日平均 133,216,905株)
     壱番屋:640,400株 (1日平均 32,020株)
ハウスオブローゼ:89,400株 (1日平均 4,470株)

上記3社は、消費者向けでもある企業ですから
みなさんもある程度ご存じだと思いますが、
東証1部でもトップ規模の大型株みずほFGと比べて、
中小型株である壱番屋やハオスオブローゼの流動性が
低めであることが分かると思います。

ちなみに株価でみると、低迷が続くみずほFGに対して、
業績の良い壱番屋やハオスオブローゼの方がむしろ好調なんですけどね。

■3社の株価チャート比較 (2014年3月-2019年2月)
流動性3社の株価比較チャート

好調な会社の流動性が高いとは限らない

仮に、上のハウスオブローゼの場合だと、暴落した12月でさえ
1日平均で4,500株程度の出来高しかないわけですから、
10,000株も保有してしまうと、1日で処分できないかもしれない。
ちょっと窮屈な投資になってしまいますよね。

流動性は時期によって変動する

投資の目安となる流動性ボリュームを求めるには、
過去の平均出来高を参照することになりますが、
同じ銘柄でも、決算直後や権利取り時新規上場時
大きな材料が出たとき等はボリュームが大幅に増えます。

■吉野家の株価チャート (2014年3月-2019年2月)
吉野家の株価チャートは時期によって出来高に差がある
出来高は時期によって数倍程度の差がある

そこで、過去3-4年の月間出来高から、
下位50%の平均出来高を計算することで、
取引が少ない時期でも安全に決済できるボリュームの目安とすることができます。

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許容リスクは投資スタイルによって違う

1ヶ月=20営業日と考えて、
月間平均出来高を20で除すと
1日の平均出来高を計算できます。

そして1日あたりの取引時間は、
 午前:9:00-11:30
 午後:12:30-15:00
の5時間(300分)になりますから、
30分以内に決済したいのであれば、1日平均の1/10程度
短期指向で3分以内に決済する場合なら、1/100が目安です。
長期指向の方は、1日平均以上も許容する余地があります。

※実際の出来高は、寄り付きと引けに集中する傾向がありますので、
 この時間帯に注文を入れることで、より確実に決済できるようになります。

許容流動性リスク求め方まとめ

1.過去3-4年の月間出来高の下位50%の平均出来高を計算する
2.月間出来高を20で割って1日平均出来高を計算する
3.投資スタイルに応じて流動性を許容できる目安出来高を計算する
 例)短期では1日平均の1/100、中期では1/10程度
   長期では1日平均以上でも問題なし(流動性の高まる時期を選べる)

このように、あらかじめ許容できる流動性リスクの目安を決めておき、
その基準を超えないように投資することが流動性リスクから安全な投資です。

資産が増えるほど投資難易度が上がる理由

一般的には、投資資産が増えるほど、運用難易度が上がると言われています。
その理由の1つは、流動性リスクで説明することができます。

流動目安を投資金額で分類すると、次のようになっています。(2019年3月現在)
理論株価Webでの流動目安の分類例
この分類から、流動性リスクからみた場合に
予算別の投資対象となる銘柄数を計算します。

 10億円以上: 32銘柄 (全体の0.9%)
 1-10億円: 374銘柄 (全体の10%)
 1000万-1億: 1170銘柄 (全体の32%)
 100-1000万: 2489銘柄 (全体の68%)
 10-100万: 2877銘柄 (全体の79%)
 10万未満: 3634銘柄 (全体の100%)
(実際には、最低購入単位が予算を超える銘柄は買えませんが、ここでは流動性リスクのみで計算しています)

資産規模の小さいうちは、どの銘柄でも買うことができますけど、
投資予算が1000万を超えてくるあたりから、
対象銘柄がグッと減ってくるのが分かると思います。

これは、投資資産が増えるに従って、対象とする銘柄を変えたり
リスク回避のために戦術変更する必要が出てくることを意味します。
最初に成功したやり方が、上のレベルでも通用するとは限らない

流動性リスクを管理できない投資家は、少しずつ過剰なリスク取ることになり、
最終的には、受入リスクがリターン期待値を上回った状態がキープされ、
悪材料や暴落局面をきっかけに自滅することになります。
急に資産を増やしながら一転退場するのは、だいたいこのパターンです。

資産規模が大きくなった時の対策

規模が大きくなってきた時の流動性リスク対処としては、
次のようなものが考えられます。複数の組み合わせでよいでしょう。

1.大型株投資。流動性の高い大型株に限定して投資します。
2.超短期投資。流動性の高まった銘柄に限定して短期投資を繰り返します。
3.超分散投資。100以上に分散することで1つあたりのリスクを軽減します。
4.超長期投資。数年など期間を長く、売買しないことでリスクを軽減します。

ちょっと増やすのが難しそう、もしくは難易度が高いな
と感じるのではないかと思います。

煽り屋さんが低流動銘柄をつぶやく理由

言うまでもなく、流動性を増やして養分にするためです。

そもそも、煽り屋の銘柄に興味を持つこと自体が、
投資家としての適正に反することですが、(笑)
興味がある場合でも、流動性リスクを確認して、
許容リスク範囲内で勝負する
ようにしましょう。

短期系の凄腕投資家を見ていれば分かると思いますが、
材料が出て流動性が高まった銘柄を選んで短期勝負しています。

勝負が終われば、流動性は極端に低下しますから、
一時的に人気化しているといっても、決して
低流動銘柄に手出ししてはいません
過去の平均出来高と比べて流動性が高まった時は、
仕込み時ではなく、売り時と考えましょう。

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全銘柄の流動性リスク目安の公開サイト

ここまで、流動性リスクについて考察してきましたが、
実際に、持ち株1つ1つを計算するのは面倒ですよね。

そこで、全銘柄の流動目安について前述の基準から
平均点な投資家なら問題ないだろうと思われる

過去3-4年の下位50%月間平均から求めた1日の平均出来高の1/10

を基準値として、全銘柄の流動性リスク目安株数を計算、公開することにしました。

さらに、株数に加えて、投資金額でも判断できるように
 目安株数 × 株価 = 目安投資金額
の式で、流動性リスク目安投資金額も算出して、
投資規模に応じて6段階に分類しています。

■流動性リスク目安の公開サイト
理論株価Web:http://kabuka.biz/riron/
倒産確率Web:http://kabuka.biz/tosan/
配当格付Web:http://kabuka.biz/haitou/

理論株価WEBでの表示画面

■TOPページ
理論株価Webでの流動目安の分類例

■個別銘柄ページ
理論株価Webでの流動性リスク目安表示ページ

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