今回は伝説となっているITバブルの象徴
光通信の20日連続ストップ安の
株価チャートを紹介します。
スポンサーリンク
発掘チャート<9435>光通信
この20日連続ストップ安は、
現在も東証一部の連続ストップ安記録として
残っています。
この出来事があってから、
3日連続で株価が付かない場合は、
値幅制限が2倍に拡大される
という措置が追加されました。
従って、光通信のストップ安記録は、
永遠不滅の連続記録として、
語り継がれることになるでしょう。
■株価推移
2000/03/30 78,800円
2000/03/31 (73,800円) *1日目
2000/04/03 (68,800円) *2日目
2000/04/04 (63,800円) *3日目
2000/04/05 (58,800円) *4日目
2000/04/06 (53,800円) *5日目
2000/04/07 (48,800円) *6日目
2000/04/10 45,800円 *7日目
2000/04/11 (42,800円) *8日目
2000/04/12 39,800円 *9日目
2000/04/13 (36,800円) *10日目
2000/04/14 (33,800円) *11日目
2000/04/17 (30,800円) *12日目
2000/04/18 27,800円 *13日目
2000/04/19 (25,800円) *14日目
2000/04/20 (23,800円) *15日目
2000/04/21 21,800円 *16日目
2000/04/24 19,800円 *17日目
2000/04/25 (17,800円) *18日目
2000/04/26 15,800円 *19日目
2000/04/27 13,800円 *20日目
2000/04/28 15,800円
※カッコ付きの株価は買いが少なすぎて取引が成立しなかった日の気配値を示します。
株価チャートでは、取引の成立しなかった日は表示されていません。
連続記録の前後を比べると、
2000/03/30 78,800円
2000/04/27 13,800円 (-82.5%)
となっています。
ちなみに、21日目の4/28も
始値は11,800円のストップ安でしたが、
切り返してストップ高になりました。
連続ストップ安の原因
当時の光通信は、携帯ショップ「HIT SHOP」を
フランチャイズ形式で全国展開。
覚えている方もいると思いますが、
携帯を0円や1円で大量に販売して、
キャリアからの報奨金で売上を急激に伸ばし、
市場の注目を集めていました。
好事魔多しといいますが、
その後、文藝春秋のスクープ記事により、
FC店の架空契約疑惑が浮上し、
2000/03/30には下方修正を発表。
光通信の信用は失墜し、
翌日から連続ストップ安がスタートします。
携帯電話を名義だけ借りて契約してもらい
そのまま倉庫で寝かせた後に解約することで、
報奨金だけを手にする行為。
当時の報奨金は販売価格の2倍程度もあり、
架空契約で0円販売しても利益が出た。
背景には厳しいノルマがあったと言われる。
ITバブルの象徴
光通信の連続ストップ安は、
ITバブル崩壊の象徴として
よく取り上げられます。
はっしゃん自身もITバブル当時に
バブルど真ん中のIT企業に勤務していて、
株価10倍、20倍を体験しましたが、
行き過ぎた市場期待には冷めてましたね。
その後の光通信
ピーク時には241,000円だった株価は、
ITバブル崩壊後の最安値では895円まで下落。
下落率-99.63%という記録的な暴落となり、
連続ストップ安記録後からでも1/10以下に縮小しました。
もっとも、その後は業績の黒字化などで
買われる場面もあり、2006年には1万円の大台を回復、
最安値から10倍以上に値上がりしました。
アベノミクス以降もジリジリ上げていて、
2020年5月には24,000円台で推移。
最安値の895円からは27倍!になっています。
関連リンク
スポンサーリンク
あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。