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長期投資に必須!株を長くホールドするために必要な3つのこと


投資コラム

今日は初心者向けの内容ですが、
株を長くホールドするために
必要なことを考えてみたいと思います。

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動画版公開

動画がお好みの方はこちらをごらんください。

チャンスは誰にでもある

成長株を長期保有して
ただ見ているだけで、
株価10倍、20倍。

そんな、うまい話が
そうそうあるわけではありませんが、
全くないわけでもありません。

というよりも、多くの方は、
チャンスがあっても逃している
のが実情だと思います。

日経新聞の調べによると
リーマンショックの底値からだと
5つに1つは10倍になった
ことがあるらしい。

運用会社フィデリティが
2003年~2013年の
顧客パフォーマンスを調査した結果が
面白いんですけど
成績のよかった人の属性が

1位 亡くなっていた人
2位 運用しているのを忘れていた人

だったという話があります。
必然的に長期投資になりますからね。
チャンスを逃している典型ですよね。

例えば同じ陸上競技でも
100m走とマラソンでは、
練習の仕方が違うように、
長期投資には長期投資のやり方があります。

長期投資で必要なことを
3つ上げてみますと・・・

・取引回数を減らすこと
・企業を知ること
・業績ベースの基準を持つこと

あたりになるでしょうか。
どういうことなのかは、
これから説明していきます。

基本は、よい株を売らずに、
長く保有しつづけるだけです。

チャンスは誰にも
等しく与えられている
と思います。

 下記コラムでは、ダイヤの原石を探して10バガーを獲得する3つの条件として、
 割安に買うこと、成長が続くこと、長く付き合うことを紹介しています。

取引回数を減らすこと

当たり前のことですが、
株式の保有期間が長くなるほど、
取引回数は減っていきます。

株式市場では毎日、株価が動いていて、
リアルに資産が変動しているので、
ここで買って、ここで売ってとか
予測・取引するだけで面白いものです。

でも長期投資の視点からは、
そのほとんどが無駄な時間です。

面白いのは事実ですが、
それは再現性のないギャンブル要素を
面白いと感じているだけです。

・株価を見る回数を減らしましょう
・取引回数を減らしましょう
・無駄な時間を有意義に使いましょう

長期視点では、本当に意味があるのは、
業績とリンクして株価が動く時だけです。
(主に決算など業績に影響のある材料が出たとき)

参考までに、アベノミクス以降の
はっしゃんの年間取引日数と
株式パフォーマンスをご紹介しましょう。
 2012年: 2日 (+34.5%)
 2013年: 4日 (+58.0%)
 2014年: 0日 (+2.6%)
 2015年: 0日 (+28.2%)
 2016年: 1日 (+14.8%)
 2017年:12日 (+57.1%) ← 多くの保有株がバラバラに天井を打ったため多くなっている
 2018年: 8日 (-8.6%)
 2019年: 4日 (+120.9%)
 2020年:23日 (-5.8%) ← コロナショックで主力株を入れ換えたため多くなっている
平均で年間6日程度です。

無駄な時間をできるだけ減らして
長期投資に時間を使いましょう。

 このコラムでは、初心者の立場をアクアリウムに例えて説明しています。
 短期利益系の誘惑は、初心者にはハイリスクなので、裏があると思った方がよいでしょう。

企業を知ること

長期投資では株価チェックや
取引に使っていた時間を
別のことに割り当てます。
それは、投資先となる企業を知るための時間です。

株式投資の成績は、何で決まると思いますか?
答えは、株式を「保有する期間」によって違いますが、
長期投資の場合は、投資先の経営者の能力や、従業員の努力で決まります。
投資資金を長い間、投資先企業に委ねることになるからです。
短期投資ではファンダメンタルズの変化がない限り、需給で決まります。

長期投資では、企業を知るために、
ビジネスモデルや業績を分析して、
将来の企業価値を予測することに
ほとんどの時間を使います。
(それで勝負が決まるので当然ですが)

長期で投資したい企業の探し方は、ランチェスター戦略がおすすめです。

取引は決算期がおすすめ

長期投資では、原則として
いつ株を買ってもよいのですが、
初心者の場合は、決算前に買うのが一番よいと思います。

理由は、業績で株価が動く時期だから。
失敗か成功かの判断がしやすく、
成功しても失敗しても勉強になります。

決算期買いの利点については、下記コラムをご覧ください。

業績ベースの基準を持つこと

株を長くホールドするためには、
売らないで持ち続ける必要があります。

利確や売りは長期投資の敵 (笑)
といっても過言ではないでしょう。

しかし、含み損ばかりを
持っていても意味がありません。

損を切って、利を伸ばす。
そのための業績ベースの基準を持つことがオススメです。

業績ベース基準を持たない場合
  株価が上がれば、上がるほど売りたくなる
  逆に株価が下がれば、下がるほど不安になる
業績ベース基準を持っている場合
  株価と業績の連動性を見て冷静に判断できる

例えば、企業の売上や利益が10倍になったら、
株価が10倍になっても不思議ではないですよね。

このように業績ベースの基準を根拠とすることで、
5年、10年の長期保有も自然とできるようになります。

 このコラムでは、長期投資のモチベーションを維持するために、
 おすすめのマイルストーンを紹介しています。

株価だけで判断できる?

業績を根拠とせず、株価だけで判断しようとすると、
少し下がった程度で売ってしまうなど、
ホールドし続けるのは、なかなか難しいものです。

ペッパーフードの株価チャート

例えば、こんな銘柄がありますよね。
株価チャートだけ見ていると、
うまく逃げることばかり
考えてしまうのではないでしょうか?

■ペッパーフードの株価チャート

ペッパーフードの株価チャート

ペッパーフードの場合は、
株価10倍以上ですが、上昇は実質1年。
短期間で急騰するタイプは、
上げているうちに売るのが正解ですが、
ホールドの難易度は高いです。

ワークマンの株価チャート

ワークマンの株価チャートも
ペッパーフードとよく似ていますが、
こちらは上昇後に急落したあと
大きく戻しています。

■ワークマンの株価チャート

ワークマンの株価チャート

株価だけでペッパーフードとワークマンの違いを
判断するのは難しいのではないかと思います。

はっしゃんは、業績ベースの基準として、
月次情報理論株価で、判断するようにしています。

ペッパーフードとワークマンを例に
業績ベースの基準での判断を考えてみましょう。

月次情報を基準にする

投資先が小売店や外食店の場合は、
月次情報が公開されているケースがあります。

月次情報は長期投資をするうえで、
1つの判断基準になります。

ペッパーフードの月次チャート

ペッパーフードの転機となったのは、
既存店120%超えとなる緑ラインの2017年4月。
(月次発表日は、翌月13日頃です)

そこから12ヶ月連続で既存店は100%以上を維持し、
大量出店もあって、全店は200%を超える水準となります。

■ペッパーフードの月次チャート

ペッパーフードの月次チャート

逆に弱気サインのポイントは、
赤ラインの既存店100%割れで2018年4月。
(月次発表日は、翌月13日頃です)

これ以降、既存店の業績は右肩下がりとなり、
全店の業績も次第に悪化していきます。

1ヶ月だけで判断できないケースもありますが、
成長企業の月次は、既存店100%以上が1つの基準で、
連続して下回ってくると右肩上がりは終わり。
見切り時となります。

月次Webでは、はっしゃんが手作業で収集した月次情報を
毎日更新していますので、参考にしてください。

ワークマンの月次チャート

ワークマンの転機は既存店110%超
となった2017年10月に遡ります。
(発表は翌月の1日)

そこから3年以上も既存店100%以上が続いており、
業績的にも右肩上がりが持続しています。

■ワークマンの月次チャート

ワークマンの月次チャート

月次売上からは株価が多少調整しても
特に売る理由はないケースです。

月次情報は、業績ベースの基準として、
上昇銘柄の初動検知や見切りメドに使えることが
お分かりいただけたかと思います。

はっしゃんが実際に使っていた月次分析シートを公開しました。
こちらから無料ダウンロードできます。

理論株価を基準にする

はっしゃんは企業価値の計算に
独自の「はっしゃん式理論株価」を使っています。

理論株価を計算することで、
株価が割高か割安かの判断や、
業績と株価の連動性を検証する
手助けとなります。

■理論株価の使い方
1.理論株価より割高な場合は、新規買いは見送り
  何年後の理論株価まで買うかは、ケースバイケースなので自己判断で。
2.購入後は、どれだけ割高になっても業績がピークアウトしない限りホールドを続ける
  ただし、理論上限株価を超えた場合は、期待値バブルと心得て売る準備をしておく

ペッパーフードの理論株価チャート

早速、ペッパーフードの例を見てみましょう。

ペッパーフードは「いきなり!ステーキ」の成功で
急成長し理論株価と株価が急上昇しましたが、
2017年初頭のNY進出発表をきっかけに
その成功を織り込んで急騰しました。
株価は理論上限株価(水色ライン)を大きく超え、
成功シナリオが崩壊すれば売りの状況になっていました。

■ペッパーフードの理論株価チャート

ペッパーフードの理論株価チャート

そして、株価ピークで迎えた2017年の3Q決算で、
株価と理論株価の連動が崩れます。
市場期待に見合った業績が途切れた時、
はっしゃんは、次のようにtweetしています。

ペッパーフードは長期保有派には残念でしたが、
それでも1年で10倍になる株は、
下げも大きくなる傾向にありますから、
2倍程度でも取れれば十分な成功でしょう。

ワークマンの理論株価チャート

続いて現在進行形のワークマンの現在値です。
株価と理論株価が連動して右肩上がりですが、
ペッパーフードほどではないにせよ
株価が期待先行で上昇しているのが分かります。

■ワークマンの理論株価チャート

ワークマンの理論株価チャート

ただ、ワークマンの場合は、
NY進出で一発勝負したペッパーとは異なり、
既存のワークマン業態を少しずつ
ワークマンプラスに転換していますので、
行き過ぎるほどでもありません。

しばらくは、株価期待が先行して
業績が追いつく形が続くと思われますので、
企業価値のウオッチを続けるとよいでしょう。

月次が悪化したり、理論株価が株価に
追いつかなくなってしまうと要注意です。

最近は新業態の「#ワークマン女子」が注目されていますが、
ペッパーフードの「いきなり!ステーキ」のように
成長要因と同時にリスク要因にもなります。

 理論株価の計算式や考え方については、
 こちらの記事を参照してください。

まとめ

長期投資で成功するチャンスは誰にでもあります。
株を長くホールドするために必要なことは3つ。

・取引回数を減らすこと
・企業を知ること
・業績ベースの基準を持つこと

やり方は、短期や中期の投資と異なりますが、
チャレンジする価値は十分あると思います。

ご参考になれば幸いです。

まずは、3年保有ルールから長期投資をはじめませんか?

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