はっしゃんです。
今回は四季報を利用して
長期投資向けの成長株を
発掘する方法について紹介します。
ピックアップまでは、
1時間もあれば終わりますよ。
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INDEX
動画版公開
動画がお好みの方はこちらをごらんください。
10倍株に付箋できるかもしれない速読法
5年、10年かかって株価が10倍、20倍に
大化けする銘柄ってあるじゃないですか。
例えば、ニトリだったり、キーエンスだったり。
そういう銘柄に「どうやったら気がつけるのかな」と。
シンプルに株価が上昇し続けている。
意外にたくさんあるよね。
そういうスター株のページを素通りするのではなくて、
付箋できる可能性が高い読み方ってないかな?
って考えたときに、株価チャートから見るとどうだろう?
と、思いついたわけですね。
はっしゃん自身、何回もチャンスを逃してきましたし。
とにかく、上がっている銘柄から探していくこと。
単純に上げている銘柄から探していけば、
そこに、スター株、10倍株が入ってくる可能性が高いよね?
そこから先は、分析力とか判断力とか人によるけど、
可能性の入口に辿り着かないと何も始まらないよ。
将来のスター株、10倍株に1時間で付箋できる(かもしれない)速読法。
あなたも試して見ませんか?
四季報を読む前の準備
はっしゃんの場合は、
株価が業績と連動して右肩上がりの
長期投資向け成長株を
ピックアップするために
四季報を利用します。
四季報のメリット
四季報を使うのメリットは、
短時間かつ効率的に銘柄発掘や
企業価値計算ができるところです。
速報性や業績予想の精度が
高いとは言えませんが、
必要な情報が網羅されているので、
快適にピックアップできます。
用意するもの
最初に用意するものを
紹介しておきます。
■四季報の最新号
まだ購入していないという方は、
下記からも購入できます。
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■付箋紙(100円ショップで購入)
■時間
準備ができたら、
四季報を開いてみましょう。
<はっしゃん式>四季報の読み方
1301 極洋からページをめくって
順番に全ページ読んでいきます。
読む場所
読む場所というか、見る場所は、
上の株価チャート欄だけです。
チャート欄を見るだけなので簡単ですね。
目安は、見開き4社まとめて0.5秒程度。
どんどん、めくっていきましょう。
右肩上がりで面白そうな
チャートがあれば付箋します。
チャートの選び方
右肩上がりで上昇している
チャートを選びましょう。
・移動平均線が右肩上がりのチャート
・白い(陽線が多い)チャート
・半年以内に最高値を更新しているチャート
(すべての条件を満たすもの)
このなかで「陽線が多い」というのは
少し分かりにくいかもしれませんが、
右肩上がりでも「陰線が多い」場合は、
株価が割高だったり、市場評価が割れている
ことを示しますので注意してください。
特に天井圏で陰線が多くなってくると
右肩上がりが踊り場を迎えたり、
下落に転じる兆候になります。
どのような上昇銘柄であっても
調整局面はやってきますので、
・陰線が増えてきた
・大陰線が出ている
などは注意のサインです。
株価が業績と連動して、
右肩上がりの銘柄です。
業績を読むには時間がかかるので、
まず株価が右肩上がりのものから、
チャートで効率的に探して、
後から業績を確認します。
成長率で厳選する方法
右肩上がりのチャートに付箋を貼っていくと数が多くなりすぎることがあります。
このような場合は「基準を厳しくする」こともできます。
上の株価チャートは、どちらも右肩上がりです。
このチャートのある部分に注目することで
・成長率が高い銘柄
・成長率が低い銘柄
をざっくり選別することができます。
どちらを選ぶかは好みの問題ですが、
はっしゃんの場合は、数を絞る時には「成長率が高い銘柄」を優先します。
逆でも面白いかもしれませんが。
成長率(≒株価上昇率)を見るには、
チャート左下の方のローソク足の長さに注目します。
成長率の高い銘柄は、左半分くらいまでローソクの足の長さが短くなる傾向があります。
右側の株価水準が大きく上昇することで左側株価の振幅が小さく見えてしまうわけですね。
付箋の数の多さは四季報の発売時期によりまちまちです。
はっしゃんの場合は、四季報を読み始めてから「今回は右肩上がりが多いから条件を厳しめにしよう」などと途中で判断を変えることもあります。(笑)
月足チャートの重要性
月足チャートは、非常に重要な情報で、
特に長期投資では、最重要項目です。
(だから四季報でも一番上にあります)
1.業績が順調ではない
2.株価が割高過ぎて調整中
3.景気変動サイクルがマイナス
など、要因があるわけですが、
その長期トレンドが反転するには、
非常に大きなインパクトが必要です。
短期の吹き上げ程度では、
月足チャートのトレンドは、
変えられないんですね。
だから、まず株価が右肩上がりのものから、
選ぶことが大切になります。
四季報の持ち方
効率的に読むためには、
ページめくりをしやすいように
左手を添えるとよいでしょう。
右手の親指でパラパラと
ページをめくっていきます。
付箋の貼り方
最初に付箋を10-20枚程度
机にバラして貼っておくと、
いちいち剥がさなくてもよいので
効率的に貼っていくことができます。
そして、高速で読むために、
付箋を貼る場所は、
あらかじめ決めておくと、
よいでしょう。
ちなみに、はっしゃんは、
次の場所に貼っています。
休憩を取る
速読はわりと集中が必要なので
けっこう疲れます。
付箋を10-20枚貼り終えたところで、
休憩を取るとよいでしょう。
付箋の数は把握できる
ところで、四季報に貼っていく付箋の数は、
ある程度コントロールすることができます。
はっしゃんの場合は、机に15枚の付箋を貼り、
この15枚をワンセットにして速読します。
ですので、ワンセットを何回こなしたかで
付箋した枚数を把握できるわけです。
また、今回は数が多いなと思ったら
評価を厳しめにするなどして数を調整することもあります。
理由は、数が増えすぎると管理しきれなくなるからです。
貼って終わりではなく、決算や株価の推移を
検証していくことを考慮すると、
100銘柄くらいまでが現実的かと思います。
速読の様子
参考までに実際に速読している動画はこちら
ピックアップ結果
ピックアップ後の四季報は、
写真のようになります。
必要時間は、ページめくり速度や
ピックアップ数で違ってきます。
はっしゃんの場合は、
74銘柄のピックアップで、
40分程度でした。
業績を確認する
ピックアップが終わったら、
付箋した銘柄の業績を確認して
株価と業績が連動して右肩上がりの
成長株を絞り込んでいきます。
もう少し時間が必要になります。
業績確認に1銘柄1分必要だとすると、
例えば74銘柄の場合だと
74分が必要になるわけですね。
確認するところは左下の業績推移欄の
売上と経常利益(または税前利益)の推移です。
左下の業績推移欄には、
売上や利益の推移が並んでいます。
20,000 2,000 2,100 1,200 100.0 10.0
22,000 2,300 2,400 1,400 120.0 11.0
25,000 2,600 2,700 1,600 140.0 12.0
27,000 3,000 3,100 1,800 160.0 13.0
上の例のように売上と経常利益(または税前利益)が
継続して成長し続けているかがポイントです。
売上と経常利益が伸びているか
四季報には過去数年の業績推移と
今期・来期の二期予想が
記載されていますので、
売上と利益がそれぞれ10%以上
伸びていれば合格となります。
それぞれの伸びは電卓で計算してもよいですが、
パッとみて数字が年々伸びていることを
確認する程度でもよいでしょう。
0%未満 問題外(非成長株)
10%未満 低成長株(将来性があれば)
10%以上 普通の成長株
20%以上 高成長株
30%以上 超高成長株
売上・利益ともに伸びているのが重要ですが、
売上の伸びが顕著であれば、
利益が一時的に減少していたり、
赤字でも許容する場合もありますので、
このあたり投資家の好みになります。
注意点としては四季報予想の数字。
会社予想や決算実績から独自に
予想を出してくれていますが、
外れることも多いので、
参考程度にしておきましょう。
将来のことは分かりませんので
投資家自身で判断するのがベストです。
(そのためには企業と取り巻く要素など
より詳しい分析が必要になります。
投資家スキルに依存するところです。)
選んだ銘柄に投資する
業績フィルターをかけると
付箋した銘柄の何割かは、
カットされることになります。
この時のはっしゃんのケースでは、
74銘柄ピックアップされた銘柄のうち
28銘柄をカットして47銘柄が残りました。
そして、ここから先は、
選んだ銘柄に投資してく
フェーズになりますが、
・さらに企業価値を精査して絞り込む
の2つの方法があります。
はっしゃん自身は企業価値を精査して
1-2銘柄に集中投資するタイプですが、
この成長株Watchブログでは、
ご存じのように分散投資で検証しています。
最初は分散投資からスタートして、
その後の業績と株価を見ながら、
流れで好業績なところに少しずつ
シフトしていくのも1つの方法ですが、
ここでは、企業価値と理論株価の計算について
さらに掘り下げて考えてみましょう。
企業価値と理論株価の計算
ここからは中級編になりますが、
投資判断のために
理論株価を使って企業価値を計算します。
計算には、はっしゃん監修の理論株価電卓と、
5年後株価計算ツールを使います。
財務3指標と株価から理論株価を計算
http://kabuka.biz/funda/riron/
■5年後株価計算ツール
成長率と財務3指標から5年後までの理論株価を計算
http://kabuka.biz/funda/calc/
5年後株価の計算には、
利益成長率の数値が必要となりますが、
四季報の2期予想を参考に
1年あたりの成長率を算出します。
(自分の見込みを反映してもよい)
なお、はっしゃんの場合は、
成長率を2期で20-30%以上。
年平均10-15%を選別ラインとし、
該当未満は除外します。
理論株価の計算に使う指標
理論株価の計算に必要な指標は、
・BPS(1株純資産)
・EPS(1株利益)
・利益成長率(税引前利益、経常利益から計算)
です。
それぞれの指標を
四季報から持ってきます。
今回は、たまたま
最初にピックアップされた
2130 メンバーズ
を例に業績を確認してみます。
理論株価電卓にアクセスして、
ツール画面の中ほどにある
財務指標と株価の数値を入力します。
合わせて銘柄コードも入力します。
入力できたら、[理論株価を計算する]ボタンをクリック。
理論株価チャート
数値が正しく入力できていれば、
下のような理論株価チャートが表示されます。
左端の青い棒グラフが現在の株価。
横の2色の棒グラフが現在の理論株価です。
(オレンジが事業価値、緑色は資産価値)
あわせて、
自己資本比率、PBR、PER、ROA、ROE
などのよく使う評価指標を表示しています。
入力が面倒な方は、[メンバーズのデータ入力済み理論株価チャート]をクリックしてみてください。
上のグラフが示すところは、
株価と理論株価の比較です。
将来性が期待される企業ほど
株価は理論株価より高くなります。
そのほか、PBRやPERなどの割安度を示す指標、
ROA、ROEなどの効率性を示す指標も表示し、
理論株価と合わせて確認できます。
5年後株価の計算
さらに、成長率を指定して
5年後の企業価値を計算する
こともできます。
5年後株価計算ツールにアクセスして、
ツール画面の中ほどにある
成長率と財務3項目の数値を入力します。
合わせて株価の数値も入力します。
入力できたら、[5年後の株価を計算する]ボタンをクリック。
(1500-968)/968/2*100=27.5%
となりましたので25%成長で
計算することにしました。
5年後株価チャート
数値が正しく入力できていれば、
下のような5年後株価チャートが表示されます。
左端の青い棒グラフが現在の株価。
横の3色の棒グラフが現在の理論株価です。
(オレンジが理論株価、水色は上限株価)
そして、
1年後、2年後、3年後、4年後、5年後と
5年先までの企業価値の推移を表示しています。
入力が面倒な方は、[メンバーズのデータ入力済み5年後株価チャート]をクリックしてみてください。
上のグラフが示すところは、
四季報2期予想ペースでの
25%成長が5年続いたとすると、
1578円 → 5941円
と企業価値は3.76倍になり、
現在株価からは3倍程度の上昇が
見込めることを示しています。
自分で考えて判断する
このようなプロセスで
企業価値を計算していき、
・競合分析
・成長余力の判断
など定性分析を加えて、
投資候補とするか判断します。
そして、投資候補となった場合は、
四半期決算の結果を追いかけて、
成長力が四季報予想と同等以上か。
上回るペースで成長が加速しているか。
などを見ていきます。
(成長が鈍化すれば外す)
NYテロや東日本大震災のような
想定外の出来事も発生します。
最終的には、自分で考えて判断する
しかありません。
四季報やツールを活用して、
よい企業を探しましょう。
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