株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<3765>ガンホー、パズドラで1年で株価100倍からの挫折


発掘チャート

ゲームセクターの株価が
乱高下することがよくありますが、
その元祖とも言える銘柄が、
パズル&ドラゴンズで一世を風靡した
ガンホーです。

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発掘チャート<3765>ガンホー

パズドラの大ヒットで、2012年12月期のガンホーは、
経常利益が前年比6倍の驚異的な成長率を記録。
さらに翌年は9.6倍となり、2年で58倍まで膨張します。

■ガンホー月足チャート(2010年12月-2019年3月)パズドラリリース以降のガンホーの株価チャート

■ガンホー経常利益の推移
2011年12月期 1,545
2012年12月期 9,355 (+505.5%)
2013年12月期 90,104 (+863.1%)
2014年12月期 93,524 (+3.8%)
2015年12月期 72,606 (-22.4%)
2016年12月期 46,081 (-36.5%)
2017年12月期 34,351 (-25.5%)
2018年12月期 26,659 (-22.4%)
2019年12月期 13,089 (+108.7%) ※1Qまで

そして、パズドラ公開から1年3ヶ月で株価100倍。
上昇期間としては、
 2012/06/15 16円 (分割補正後)
 2013/05/14 1633円
と、わずか11ヶ月で100倍の快挙を達成しました。

パズドラのライバル的な存在で、マルチプレイで人気があったのがモンストでした。

パズドラのあゆみ

パスドラiOS版リリースは約7年前。
パズドラ以前はGREEやMobageの携帯ゲームが中心で、
AppStoreやGooglePlayでのスマホゲーム配信は、
まだまだ少数でした。

その中で単純なパズルとRPG要素、ガチャ要素を
組み合わせたパズドラが大ヒットとなり、
携帯からスマホへ流れが大きく変わります

2012/02/20 iOS版リリース
2012/07/15 100万ダウンロード
2012/09/18 Android版リリース
2013/03/09 1000万ダウンロード
2013/10/14 2000万ダウンロード
2014/07/29 パズドラWリリース
2014/08/15 3000万ダウンロード
2015/12/21 マルチプレイ対応
2016/03/17 パズドラレーダーリリース
2017/03/23 3人マルチ対応
2017/07/19 ガチャで景品表示法違反
2018/11/02 5000万ダウンロード

スマホ画面を手で触って遊ぶという
特徴的なパズドラの操作は、
携帯からスマホへの過渡期だった当時、
スマホへの橋渡しの役割も果たし、
ヒット番付にもランキングされるなど、
大きな社会現象となりました。

ちなみに当時の任天堂は、スマホゲームへの対応が遅れ苦戦していました。

グローバル市場失敗の教訓

株価ピーク時、ガンホーの時価総額は1.5兆円。
短期間ではあるものの、あの任天堂を上回り、
ゲーム専業で国内首位のポジションに君臨しました。

YouTubeでゲーム動画の配信が流行したり、
ゲーム攻略サイトが人気になるなど、
周辺ビジネスにも大きな影響を与えています。

ガンホーの業績ピークは2014年でしたが、
株価ピークは2013年5月で終焉となりました。
期待された海外市場での苦戦が、
ガンホーとパズドラの壁となりました。

スマホゲームは海外展開が容易ですが、
パズドラは海外で成功できませんでした。
ガチャ依存しすぎたゲームシステムが、
海外で支持されなかったのが一因です。

パズドラの功罪を述べるのはまだ早いかもしれませんが、
スマホゲームの先駆者としては評価されるべきでしょう。
しかし、GREE、Mobage時代から問題視されていた
ガチャシステムをいち早くスマホ展開しただけとも言えます。

先行者利益により、1000万単位のアクティブユーザーを得た
ガンホーですが、ピークを過ぎると売上は徐々に低下。
業績も減収減益が続く状況となり、
株価は1633円を頂点に下げ続けています。

絶好の機会がありながらグローバル市場を攻略できず、
ガラパゴス市場での成功に留まってしまったことは、
日本のゲーム業界にとって、むしろ不幸でした。
国内でパズドラに続くスマホゲームはガチャばかり。(笑)

結局、パズドラはスマホゲーム創成期において、
日本というガラパゴス市場でガチャ要素により、
成功を納めた特殊なケースと言えるでしょう。

世界戦略なくしてパズドラの壁は超えられないでしょう。

ドラゴンクエストウォークのヒットで株価急上昇のコロプラの解説記事はこちらです。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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