株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<8907>フージャース伝説の株価-99.64%と個人投資家の屍


発掘チャート
東証2部上場後のフージャースコーポレーションの株価チャート

今回は高値下落率-99.64%を記録。
伝説となっているフージャースコーポレーションの
株価チャートを紹介します。

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高成長期

フージャースコーポレーションは、
郊外中心のマンションデベロッパーで
格安物件で人気を集めていました。

ジャスダックから東証2部に市場変更後、
 2004年3月期 +78.5%
 2005年3月期 +97.6%
 2006年3月期 +77.2%
3期連続で非常に高い売上利益成長を遂げ、
個人投資家を中心に人気株となります。

当時、個人投資家の情報交換の場だった
Yahoo!掲示板や投資家ブログでも、
フージャースの話題はよく取り上げられ、
はっしゃん自身も一時保有していました。

フージャースの高値は2006年1月の205,000円。
(現在の株価では約2050円)
2003年12月安値から2年で7.5倍に上昇しています。

2000年代前半は、2001年にREIT市場が
開設されるなど、不動産開発が活況だった時期ですが、
投資加熱から少しずつ供給過剰になっていきます。

2007年以降、さすがのフージャースも成長率が鈍化し、
 2007年3月期 +6.6%
 2008年3月期 +2.6%
株価は逆回転を始めることになります。

同時期に破綻したアーバンコーポレイションとサンシティの事例はこちら。

発掘チャート<8907>フージャース

■月足チャート(2003年10月-2013年3月)東証2部上場後のフージャースコーポレーションの株価チャート

■株価推移
 2003/12/18 27,222円 2部上場後の安値
 2006/01/16 205,000円 最高値 (+653.1%)
 2009/03/11 736円 最安値 (-99.64%)
※株価は分割補正されています。

アメリカ住宅ローン債権の焦げ付きから、
2007年8月にパリバショックが発生すると、
不動産、金融市場に世界的な信用収縮が発生し、
日本でも建設や不動産の上場企業が連鎖倒産
2008年9月にリーマンショックに拡大すると、
不動産や株価は歴史的な大暴落となり、
フージャースもこれに巻き込まれます。

リーマンショックでは、50社以上の上場企業が倒産しました。

フージャースの株価は、成長が鈍化したとはいえ、
パリバショック以降、増益にもかかわらず下げ足を速めます。

リーマンショック後の2009年3月には、
最安値となる株価736円(現在の株価で約7円)を記録。
最高値から3年余りで-99.64%という
凄まじい下落率を記録しました。

この下落率-99.64%というのは、
100万円が3600円になる計算です。
株主にとっては、事実上倒産したも同然の株価
だったと言えるでしょう。

20日連続ストップ安で有名な光通信のITバブル高値から安値までが、
241000円から895円で-99.63%。それも上回っています。

それでも、フージャースは一期赤字になったのみで、
倒産することなく生還し、2011年3月期からは、
2期連続で100%成長と復活を遂げます。
 2009年3月期 赤字転落
 2010年3月期 黒字転換
 2011年3月期 +111.9%
 2012年3月期 +104.0%

株価も2013年3月末には103,600円まで復活。
最安値からは140倍と、最高値の半値まで戻します。

その後の<3284>フージャース

フージャースコーポレーションは、2013年4月から
フージャースホールディングスとして再上場、現在に至ります。

再上場直後には、1382円とリーマンショック後の
高値を付けますが、2013年3月期に再び成長が鈍化すると
また大きく売られます。
 2013年3月期 +27.9%
 2014年3月期 +6.7%
 2015年3月期 △30.5%
 2016年3月期 △37.0%
 2017年3月期 +89.4%
 2018年3月期 +30.3%
 2019年3月期 +22.2%
 2020年3月期 △11.5% ※会社予想

2018-19年3月期にはリーマンショック前の
最高経常を連続で更新しましたが、
不動産市況悪化の影響などもあり、
株価の方は低迷が続いています。

■月足チャート(2013年4月-2019年5月)フージャースホールディングスの株価チャート

※株価は<8907>時代から約100倍に分割されています。

現在は、もう成長株と呼ばれた頃の面影はありませんし、
企業規模も10年前とそれほど変わっていないのですが、
全国6拠点に支店展開したり、新規事業を始めたりと、
新しいチャレンジを見せてくれています。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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