株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<9437>NTTドコモの営業利益1兆円と時価総額日本記録42兆円


発掘チャート
上場直後のNTTドコモの株価チャート

今回は、1998年10月22日の上場から
8ヶ月で時価総額日本一となり、
日本企業の時価総額最高を記録している
NTTドコモの株価チャートを紹介します。

発掘チャート<9437>NTTドコモ

NTTドコモの株価は上場後2年足らずで
5倍超まで上昇しました。

2000年2月のピーク時に記録した時価総額42兆円は、
2018年末のトヨタの約2倍で、日本企業の過去最高記録です。

時価総額日本記録とi-mode

当時は、ITバブルのピークであり、
IT企業の株価が次々にバブル化していましたが、
NTTドコモのような超大型株がこれだけ上昇したのには、
それなりの理由があります。

■日足チャート(1998年10月-2006年12月)上場直後のNTTドコモの株価チャート

※分割後の株価に補正されています

1999年2月、上場後まもなく
サービスを開始したi-modeが大ヒットとなり、
ドコモの株価を押し上げました。

スマホ全盛の今ではi-modeといっても
ピンとこない方も多いかもしれませんが、
ドコモを時価総額日本一に導いたのは、
i-modeだったことは言うまでもありません。

親会社のNTTも上場直後は大人気で、当時の時価総額世界一を記録しています。

i-modeと営業利益1兆円

ドコモが携帯電話のサービスとして提供した
i-modeの簡易メールと簡易ブラウザ機能は、
日本に世界の先駆けとなってモバイル文化の
華が開く大きな役割を果たしました。
(初代iPhone発売から8年も前のことです。)

i-mode以前の携帯電話は音声通話のみで
テキスト情報を送ることはできませんでした。
(数字をやりとりできるポケベルは別にあった)

i-modeは携帯電話の小さい画面で、
(文字数などの制限がありながら)
メールとWebサイト閲覧を可能にし、
ポケットに入れて持ち歩ける携帯電話+ネット端末として、
爆発的なヒット商品になりました。

同時期、MicrosoftがWindowsのモバイル版を模索するなど、
世界レベルでモバイル競争の幕が開いていましたが、
ドコモが実用化&収益化1番乗りになったわけです。

i-mode以前の携帯電話会社は、
通話料収入減の解消が大きな課題
となっていました。
音声通話だけの携帯電話は、
インターネットメール等と競合し、
苦戦を強いられていました。
(ノートパソコン+モバイルモデムと競合)

i-modeは、通話料収入に依存していた同社に、
パケット通信料収入という新たな収益源をもたらし、
2002年3月期には日本企業として初めて
営業利益1兆円を達成します。
(この時はもうITバブルは崩壊していましたが)

ITバブルの時価総額42兆円というのは、
世界展開の夢も含まれた株価だと言えます。
(2018年末の株価は当時の4分の1以下)

ITバブルの象徴

NTTドコモはITバブルの象徴として
よく取り上げられます。

携帯電話でメールやブラウザが使えた
i-modeは世界をリードしていましたし、
マイクロソフトのように世界制覇できるのでは?
とも思いました。iPhoneが出るまでは。

ITバブル期の象徴としては、
他に次のような銘柄があります。

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その後のNTTドコモ

世界標準も期待されたi-mode規格でしたが、
残念ながらグローバル市場では苦戦しました。

日本の携帯電話はガラパゴス化とも呼ばれる
独自の進化を続けていましたが、
そうこうしているうちに2007年になり、
アップルから初代iPhoneが登場します。

ボーダフォンを買収したソフトバンクグループは、
iPhoneの国内販売を独占してドコモを猛追。
KDDIもこれに続いてドコモの地位は
相対的に低下していくことになります。

■月足チャート(1999年2月-2019年1月)NTTドコモの20年株価チャート

※分割後の株価に補正されています (補正前株価)

シェアの変動が落ち着いてくると、
キャリア各社は高収益化を暗黙の了解とし、
国民から割高な通信料を搾取し続けるという
現在の状況に繋がっていきます。

もっとも、各社は株主還元には積極的で、
成長ピークが過ぎると、増配や自社株買いで株主に利益をもたらしました。
(2018年末現在でドコモの配当利回りは4%を超えています。)

このような中、2018年末に政府意向への忖度もあり、
ドコモが通信料値下げを発表、このドコモショックから、
親会社のNTTを含む通信各社の株価は暴落します。
通信料の値下げは、株主還元の原資となる利益減少に
直結することが懸念されています。

その後、ソフトバンク(旧ボーダフォン)の再上場などもあり、
通信業界は混沌とした状態で2019年をスタートしています。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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