株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。様々な銘柄の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

<2019.10.01>消費税10%導入で発動する天使と悪魔のシナリオ


発掘チャート
消費税10%導入後の2つのシナリオ

いよいよ消費税まで残りあと1ヶ月。

過去3回では、天使と悪魔いずれかの
シナリオが発動しています。

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消費税と日経平均株価

1989年4月に導入された消費税は、
同年末をピークとしたバブル経済の崩壊や
その後の失われた20年と深い関わりがあります。

消費税は増税前の駆け込み需要が期待できる反面、
増税後の消費冷え込みが内需不振をもたらし、
経済低迷要因となってきたのです。

実際、過去データを見ても、
消費税と日経平均株価の相性は、
あまりよくありません。

1989.4.1 消費税3%導入
 × 12月でバブル経済崩壊
 
1997.4.1 消費税5%増税
 × 11月に拓銀、山一連鎖破綻
 × 翌年長銀、日債銀も破綻で金融危機
 
2014.4.1 消費税8%増税
 ○ アベノミクス効果で影響なし
 
2019.10.1 消費税10%増税?

過去の消費税と日経平均株価の関係を
振り返ってみましょう。

1989/04/01 消費税3%導入

悪魔のシナリオ

1989年導入時は、
導入前1年の株価こそ好調だったものの、
導入後2年間はマイナスが続きました。

1989年の消費税導入前後の日経平均株価チャート
■消費税の導入と日経平均の騰落率
 導入前1年:+25.1%
  1988/3/31:26,260円
  1989/3/31:32,838円
 導入後1年:-8.7% ※バブル経済が崩壊
  1989/3/31:32,838円
  1990/3/31:29,980円
 導入後2年:-19.9% ※湾岸戦争で株安に拍車
  1989/3/31:32,838円
  1991/3/31:26,292円

1997/04/01 消費税5%に増税

悪魔のシナリオ

1997年には、導入前1年の株価がマイナスで
消費税増税を強行して失敗しています。

1997年の消費税増税前後の日経平均株価チャート
■消費税の増税と日経平均の騰落率
 増税前1年:-15.9%
  1996/3/31:21,406円
  1997/3/31:18,003円
 増税後1年:-8.2% ※拓銀、山一連鎖破綻で金融危機発生
  1997/3/31:18,003円
  1998/3/31:16,527円
 増税後2年:-12.0% ※長銀、日債銀破綻で平成金融恐慌
  1997/3/31:18,003円
  1999/3/31:15,836円

2014/04/01 消費税8%に増税

天使のシナリオ

アベノミクスが好調だった
2014年が例外になりますが、
チャイナショック後は低迷しました。

2014年の消費税増税前後の日経平均株価チャート
■消費税の増税と日経平均の騰落率
 増税前1年:+19.6%
  2013/3/31:12,397円
  2014/3/31:14,827円
 増税後1年:+29.5% ※アベノミクス好調でほぼ影響なし
  2014/3/31:14,827円
  2015/3/31:19,206円
 増税後2年:+13.0% ※チャイナショックで世界同時株安
  2014/3/31:14,827円
  2016/3/31:16,758円

2014/11/01 消費税10%増税を延期

■消費税の増税延期と日経平均の騰落率
 延期前1年:+14.6%
  2013/10/31:14,327円
  2014/10/31:16,413円

2016/06/01 消費税10%増税を再延期

■消費税の増税延期と日経平均の騰落率
 延期前1年:-16.2% ※ギリシャ危機やチャイナショックで経済混乱
  2015/05/31:20,563円
  2016/05/31:17,234円

2019/10/01 消費税10%増税予定

天使のシナリオ?悪魔のシナリオ?

2019年は、アベノミクスが天井を打った雰囲気。
1997年に近い状況になってきているようです。

2019年の消費税増税前の日経平均株価チャート
■消費税の増税予定と日経平均の騰落率
 増税前1年:-14.2% (8月末現在)
  2018/09/30:24,120円
  2018/08/31:20,704円

消費税増税を月次業績で検証する

消費税の影響が大きいのは、
高額な耐久消費財を扱う業態ですが、
消費者の財布の紐が締まるため、
他の業態も影響を受けやすくなります。

2014年の8%増税時の状況を確認してみましょう。
(過去3回で最も影響が少なかった天使のシナリオです)

<8282>ケーズデンキの事例

■ケーズデンキの月次チャート(2013-2015年)
2014年消費税増税時のケーズデキンキの株価チャート

増税の3ヶ月前から売上が増加し、
直前は既存店が60%の大幅増となりますが、
株価はほとんど動きません。

その後、1年間は業績低迷が続き、
2年後から回復傾向となります。

株価は回復を見越していて、
業績悪化の中を上昇していく
難しい流れになっています。

<9843>ニトリの事例

■ニトリの月次チャート(2013-2015年)
2014年消費税増税時のニトリの株価チャート

ニトリは増税直後の落ち込みをセールでカバーしています。
それでも、増税前1年間を通して好調だった業績が、
増税後1年間は低迷を余儀なくされたのが分かります。

市場は、成長ペースを維持すると判断したようで、
株価にそれほど大きな影響はありませんでした。

連続して30年以上も増収増益を続けるニトリですが、
足下を掬われるとしたら消費税かもしれません。

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消費税10%で発動する天使と悪魔のシナリオ

悪魔のシナリオ

日本経済はバブル崩壊後、
いまだゼロ金利状態が続いており、
景気が過熱しているとは言えません。

国民の体感としては、
むしろ疲弊している
といった方が近いかもしれません。

この状況で金融引き締めに相当する
消費税の増税を実施するのは、
景気の腰折れリスクを伴っています。
これが、悪魔のシナリオです。

■悪魔のシナリオ
 消費税導入・増税前の1年程度前から需要の先食い・駆け込みやシステム対応などで特需効果が発生し、一時的に景気が底上げされるが、導入・増税後から2年程度の間、景気の停滞が続く現象。
 過去3回のイベントでもなんらかの影響が発生しており、対応を誤ると経済的な大混乱を引き起こす。

天使のシナリオ

一方で消費税の増税は株価に織り込み済みであり、
消費税10%増税をきっかけに株価が上昇する
という天使のシナリオもあります。

そもそも現在の株価水準は、
日経平均でPBR1.0倍前後と過去最安水準
(リーマン・ショック時を除く)
配当利回り5%以上の銘柄が130社もあり、3%以上は1000社を超える。

消費税を警戒して世界的に出遅れているとも考えられ、
何もなければ上昇してもおかしくかもしれません。

■天使のシナリオ
 消費税の導入は、約1年程度前から株価に織り込み済みであり、過去の事例でも導入後はむしろ株価は上昇している。(1997年も3ヶ月間は上昇)
 過去2回の混乱は、消費税増税も遠因になっているが、外的要因が大きい。
 従って、大規模な経済混乱がない限り、(一時的に企業業績が悪化しても)株価はむしろ上昇する。 

株価は持ち合いを経てどちらかに動く

消費税10%導入後の2つのシナリオ

8月末の株価水準は2018年9月末比-14.2%。
橋本内閣の二の舞とならないか危惧されます。

一人の投資家として、悪魔のシナリオが回避されることを切に願いますが、
投資家として、行動する準備をしておきましょう

参考書籍

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

・ブラックマンデー(1987年)
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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