4月1日は30年前に
消費税が導入された日です。
今回は、消費税と日経平均株価30年の
関連について考察します。
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発掘チャート<1989.04.01>消費税と日経平均株価
1989年12月29日大納会。
日経平均株価はバルブ相場ピークを記録し、
市場規模は世界一。
世界の時価総額上位は、
日本企業が独占していました。
あれから30年。。。
消費税と平成バブル崩壊
1989年4月に導入された消費税は、
同年末をピークとしたバブル経済の崩壊や
その後の失われた20年と深い関わりがあります。
消費税は増税前の駆け込み需要が期待できる反面、
増税後の消費冷え込みが内需不振をもたらし、
経済低迷要因となってきたのです。
実際、過去データを見ても、
消費税と日経平均株価の相性は、
あまりよくありません。
× 12月でバブル経済崩壊
1997.4.1 消費税5%増税
× 11月に拓銀、山一連鎖破綻
× 翌年長銀、日債銀も破綻で金融危機
2014.4.1 消費税8%増税
○ アベノミクス効果で影響なし
2019.10.1 消費税10%増税
1989年の消費税導入はバブル経済を崩壊させ、
失われた20年と呼ばれる低迷の主因となります。
1997年には、橋本内閣が景気が低迷する中、
消費税5%増税を強行した後、
日本経済はまさかのハードランディングとなり、
大手証券会社や都市銀行が連鎖破綻。
メガバンクとして再編されるも、
国際的地位は大きく低下しました。
2014年はアベノミクスが好調だったこともあり、
大きな混乱はありませんでした。
直接税から間接税へ
国際競争力向上のためには、
・法人税の減税
・消費税の増税
のセットで、直接税から間接税へのシフト
は必須でしょう。
しかし、消費税後の日本経済は、好調な輸出に対して、
内需の低迷に足を引っ張られる構図が続き、
その悪影響は否定できません。
最近は、訪日外国人の増加から、
内需にも復調の兆しが見られますが、
消費税10%への増税が悪影響とならないか、
注視する必要があるでしょう。
消費税10%を乗り切るために
2019年10月の10%増税では、
2.軽減税率の導入による負担軽減
3.キャッシュレス決済でのポイントキャッシュバック
などの経済対策により、乗り切る考えのようです。
増税直後の1-2年を耐えることができれば、
なんとかなると考えていると思われますが、
果たして、うまく事が運ぶかどうか。
市場環境は逆風
2018年以降、米中貿易摩擦が激化し、
2018年12月には米国市場が大幅下落。
日本市場も連鎖的に大幅安となるなど
景気見通しに先高感は全くありません。
株価動向や長短金利スプレッドからも、
リセッション入りが示唆されている
このタイミングでの増税で、
果たして大丈夫なのか?
という疑問が大いにあります。
安倍首相はリーマン級の事態にならない限り、
予定通りに増税すると言っていますが、
難しい舵取りを迫られることになるでしょう。
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あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。