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<2019.10.01>消費税10%へ発動した悪魔のシナリオと株価崩壊

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<2019.10.01>消費税10%へ発動した悪魔のシナリオと株価崩壊

2019年4月1日は、30年前に
消費税が導入された日です。

過去2回、3→5%、5→8%への増税も
4月1日に行われています。

今回は、消費税と日経平均株価30年の
関連について考察します。

発掘チャート<1989.4.1>消費税と日経平均株価

1989年4月に導入された消費税は、
同年末をピークとしたバブル経済の崩壊や
その後の失われた20年と深い関わりがあります。

消費税は増税前の駆け込み需要が期待できる反面、
増税後の消費冷え込みが内需不振をもたらし、
経済低迷要因となってきた経緯があります。

1989/04/01 消費税3%導入

1989年の消費税導入前後の日経平均株価チャート
■消費税の導入と日経平均の騰落率
 導入前1年:+25.1%
  1988/3/31:26,260円
  1989/3/31:32,838円
 導入後1年:-8.7% ※バブル経済が崩壊
  1989/3/31:32,838円
  1990/3/31:29,980円
 導入後2年:-19.9% ※湾岸戦争で株安に拍車
  1989/3/31:32,838円
  1991/3/31:26,292円

1997/04/01 消費税5%に増税

1997年の消費税増税前後の日経平均株価チャート
■消費税の増税と日経平均の騰落率
 増税前1年:-15.9%
  1996/3/31:21,406円
  1997/3/31:18,003円
 増税後1年:-8.2% ※拓銀、山一連鎖破綻で金融危機発生
  1997/3/31:18,003円
  1998/3/31:16,527円
 増税後2年:-12.0% ※長銀、日債銀破綻で平成金融恐慌
  1997/3/31:18,003円
  1999/3/31:15,836円

2014/04/01 消費税8%に増税

2014年の消費税増税前後の日経平均株価チャート
■消費税の増税と日経平均の騰落率
 増税前1年:+19.6%
  2013/3/31:12,397円
  2014/3/31:14,827円
 増税後1年:+29.5% ※アベノミクス好調でほぼ影響なし
  2014/3/31:14,827円
  2015/3/31:19,206円
 増税後2年:+13.0% ※チャイナショックで世界同時株安
  2014/3/31:14,827円
  2016/3/31:16,758円

2014/11/01 消費税10%増税を延期

■消費税の増税延期と日経平均の騰落率
 延期前1年:+14.6%
  2013/10/31:14,327円
  2014/10/31:16,413円

2016/06/01 消費税10%増税を再延期

■消費税の増税延期と日経平均の騰落率
 延期前1年:-16.2% ※ギリシャ危機やチャイナショックで経済混乱
  2015/05/31:20,563円
  2016/05/31:17,234円

2019/10/01 消費税10%増税予定

2019年の消費税増税前の日経平均株価チャート
■消費税の増税予定と日経平均の騰落率
 増税前1年:-12.1% (3月末現在)
  2018/09/30:24,120円
  2018/03/31:21,205円

実際、過去データを見ても、
消費税と日経平均株価の相性は、
あまりよくありません。

1989年導入時は、
導入前1年の株価こそ好調だったものの、
導入後2年間はマイナスが続きました。

1997年には、導入前1年の株価がマイナスで
消費税増税を強行して失敗しています。

アベノミクスが好調だった
2014年が例外になりますが、
チャイナショック後は低迷しました。

2019年は、もう好景気とは呼べないでしょうし、
むしろ、1997年に近い状況になってきているようです。

消費税導入から30年

1989年12月29日大納会。
日経平均株価はバルブ相場ピークを記録し、
市場規模は世界一。

世界の時価総額上位は、
日本企業が独占していました。

あれから30年。。。

■日経平均株価の月足チャート(1987年08月-2019年03月)
消費税導入後の日経平均株価30年チャート

消費税導入はバブル経済を崩壊させ、
失われた20年と呼ばれる低迷の主因となります。

1997年に橋本内閣が景気が低迷する中、
消費税5%増税を強行した後、
日本経済はまさかのハードランディングとなり、
大手証券会社や都市銀行が連鎖破綻。
メガバンクとして再編されるも、
国際的地位は大きく低下しました。

消費税後の日本経済は、好調な輸出に対して、
内需の低迷に足を引っ張られる構図が続き、
その悪影響は否定できません。

最近は、訪日外国人の増加から、
内需にも復調の兆しが見られますが、
消費税10%への増税が悪影響とならないか、
注視する必要があるでしょう。

消費税10%が誘う悪魔のシナリオ

日本経済はバブル崩壊後、
いまだゼロ金利状態が続いており、
景気が過熱しているとは言えません。

この状況で金融引き締めに相当する
消費税の増税を実施するのは、
景気の腰折れリスクを伴っています。

2019年10月の10%増税では、

1.東京オリンピックによる経済活性化
2.軽減税率の導入による負担軽減
3.キャッシュレス決済でのキャッシュバック

などの対策により、乗り切る考えのようです。

国際競争力向上のためには、
・法人税の減税
・消費税の増税
のセットで、直接税から間接税へのシフト
は必須でしょう。

しかし、2018年に米中貿易摩擦が激化し、
2018年12月には米国市場が大幅下落。
日本市場も連鎖的に大幅安となるなど
景気見通しに先高感は全くなく
中国経済にもバブル崩壊サインが点灯しています。

株価動向や長短金利スプレッドからも、
リセッション入りが示唆されている
このタイミングでの増税で、
果たして大丈夫なのでしょうか?

■消費税増税が誘う悪魔のシナリオ
 消費税導入・増税前の半年程度前から約2年分の需要の先食い・駆け込みが発生し、一時的に景気が底上げされるが、導入・増税後から2年程度の間、景気の停滞が続く現象。
 過去3回のイベントでもなんらかの影響が発生しており、対応を誤ると経済的な大混乱を引き起こす。

安倍首相はリーマン級の事態にならない限り
予定通りに増税すると言っているようです。

3月末の株価水準は2018年9月末比-12%。
橋本内閣の二の舞とならないか危惧されます。

追記:
2019年4月18日に自民党の萩生田幹事長代行から、7月の日銀短観次第では、消費税10%増税の延期もありえるという発言があり、注目を集めています。同氏は、延期となった場合は、国民の信を問うとも述べており、なんらかの思惑があるアドバルーン発言と推測されます。
■悪魔のシナリオは既に発動されている?
 はっしゃんは、小売業やサービス業を中心に上場企業の月次売上を集計していますが、3月度の月次業績が記録的な好数字を記録しています。
  3月度月次 既存店100%超 196社中121社 (月次Web)
 既存店は通常、平均95%程度で、軒並み100%以上となるのは、営業日が1日増える「うるう年の2月」でも見られない現象です。(2019年4月18日現在)

<月次Web>上場企業261社の月次情報を毎日更新

アベノミクスが牽引してきた日本経済が
急速に伸び悩む中、難しい舵取りを迫られる
ことになるでしょう。

あとがき

一人の投資家として、悪魔のシナリオが回避されることを切に願います。

参考書籍

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

・ブラックマンデー(1987年)
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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プロフィール

はっしゃん

はっしゃん

50歳代エンジニア兼業投資家。月次情報と理論株価の分析をライフワークに、ストレスのかからない「スロートレード」を実践しています。 [詳細]