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成長株50銘柄から厳選10バガーに集中シフトする投資法


投資コラム

はっしゃんです。

今回は長期投資における
利大損小ルールの具体例として、
50銘柄の分散投資からスタートして、
優良成長株を厳選していき、
10バガーを獲得する集中シフト投資法
について紹介します。

初期の銘柄数と購入する時間を分散することで
空振りの失敗リスクを軽減し、
成功率を高めた長期投資向け集中投資法です。

ご参考になれば幸いです。

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動画版公開

動画がお好みの方はこちらをごらんください。

成長株を選択する

まず最初に分散投資の対象として、
成長が期待できる銘柄をセレクトします。
成長株の条件は、

1)業績が右肩上がり
2)株価チャートが右肩上がり
3)業績と株価が連動している

ということろです。

次に分散投資する数ですが、
多いほどスター株(10バガー)が
含まれている確率が上がりますが、
多すぎると管理が大変ですし、
スター株に選択集中する効率は低下します。

とはいえ、ある程度の数は必要なので、
今回は50銘柄程度への分散投資で考えます。

成長株の条件について、
もう少し詳しく説明します。

業績が右肩上がり

1)の業績は増収増益企業です。
10-15%以上の利益成長が望ましいですが、
現在や過去の数字にこだわり過ぎず、
これから伸びるかどうかも重要です。

株価チャートが右肩上がり

2)の右肩上がりチャートは、
長期投資では月足チャートで確認します。

さすがに見れば分かると思いますが、
直近半年以内に最高値を付けている
と旬な銘柄を選択できるでしょう。

成長株の多くは、
 過大評価→調整→過大評価
のサイクルを繰り返しますので、
調整期を選ぶ方法もあります。

■<3064>モノタロウの12年株価チャート(2008-2020年)
 株価は200倍に急成長しているが、1-2年程度の調整と急上昇を繰り返している。
モノタロウ12年チャート

業績と株価が連動している

3)の業績と株価の連動は、
経常利益と株価の比例関係です。
利益が2倍なら株価も2倍。
偽物を除外するために必要です。

また、より細かく見ると業績と株価には、
ROEが大きく関与してくるので
はっしゃんは、はっしゃん式理論株価を
使用して企業価値を計算しています。

銘柄選択ツールを使う

スクリーニングなど、
銘柄の選択ツールにも、
いろいろありますが、
ここでは、誰でも簡単にできる
四季報を速読して
付箋を付ける方法を
例として紹介しておきます。

ちなみに、はっしゃんの場合は
四季報速読で74銘柄を
ピックアップ
しました。
時間は約40分です。

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その後、74銘柄の
決算短信を最大過去6年まで遡って
成長の推移を確認し、
期待値を選別しました。

これには2週間程度かかっています。
(はっしゃんが仕事をしているためで、
実質は3日程度ですが。)

最終的には47銘柄を投資候補
としてセレクトしました。

分散投資でスタートする理由

50銘柄から、さらに絞り込んで
ベストワンを選ぶ方法もありますが、
多くの方は、さらに分析して
1つを選ぶ時間はないと思います。

そこで、もう少しお手軽に
50銘柄のまま分散投資して、
時間をかけて実績でセレクト
していく方法を紹介します。

はっしゃん自身は、
最初から1つを選ぶ方法で
何回かやってきましたが、
対象がたまたま自分の
得意分野や専門分野と
重なっていました。
 
こういうケースは多くない
と思いますので、
トライしやすい方法として
分散投資スタートを紹介します。

ただし、確信を持って1つを選べ、
その優位性に自信を持てるなら、
最初から集中投資でよいでしょう。

分散投資と予算

分散投資では、1銘柄あたりの
投資金額ができるだけ同じ
になるように購入株数を調整して
対象となる全銘柄を購入するようにします。

50銘柄への分散投資では、
同時に50銘柄の購入が必要となりますので、
それなりの初期資金が必要です。

対象銘柄の平均株価が5000円だとすると、
 5000×100株×50銘柄=2500万円

いきなり2500万円用意できる人は
少ないと思いますが、ミニ株を利用すると、
1株単位からでも購入できますので、
予算に合わせて検討してみてください。

10株ずつ投資する場合
 5000×10株×50銘柄=250万円
1株ずつ投資する場合
 5000×1株×50銘柄=25万円

運用ルールを決める

実際に購入する前に
運用のルールも決めておきましょう。

1)損切りの規定
2)売却と買い増しの規定
3)スター株シフト規定
4)ゴールの設定

今回の場合は、上の4つを
最低限決めておきましょう。

損切りの規定

1)の損切りですが、
最大許容コストを考えて
必ず決めておきましょう。

一例としては、
個別銘柄は-50%で強制カット。
この方法の場合、不幸にして全銘柄が損切りになったとしても
理論上の最大損失は全体の50%にコントロールできます。

同様にトータル-50%で全部失敗とみなし、
全株引き上げの規定もあるとよいでしょう。

損切りについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。

売却と買い増しの規定

2)の売却と買い増しですが、
成長株投資では、増収増益が続く
成長企業への投資が大前提なので、
成長路線から外れると分かったときに、
利益の有無にかかわらず売却します。

明らかに一時的な減益の場合は
よく考えて判断する必要があります。
(経営者がそう言っているだけの場合は、
嘘であることも多いので注意)

また売却後は、すみやかに
残った成長株に再投資します。
再投資先は、

・利益成長率の高い銘柄
・株価上昇率の高い柄

含み益プラスのうち
上位優先の再配分・再投資
でよいでしょう。

スター株シフト規定

3)スター株シフトは、
10バガー候補に資金をシフトして、
大きな利益を狙うためのルールです。

成長株が10バガーへと至る過程では、
それまでの10-20%程度の成長から、
30%、40%、50%成長へと
成長が加速する段階が見られます。
(100%超えることもあります。)

特に成長加速が1年で終わらず、
2年、3年と連続すると、
10バガーを期待できる
スター株の可能性が高まります。

このようなスター株が登場した場合は、

・含み益がマイナスの銘柄
・利益成長率が相対的に低い銘柄
・株価上昇率が相対的に低い銘柄

など下位銘柄を売却して
スター株に乗り換えます。

スター株シフトの条件例として、

売上成長率と利益成長率が
30%以上、または当初比で2倍以上

で数年程度の成長持続が
期待できること

などで判断します。
(売上成長も含めるのは利益成長だけでは、
長期の成長持続に限界があるため)

スター株シフト以降は、
分散投資から集中投資へ
徐々に舵を切ることになります。

何のために分散投資から
スタートしたのかというと
スター株へシフトするためです。
企業分析で1つに集中するのは、
困難だと思いますが、
50銘柄ならチャンスも
増えるでしょう。

ゴールの設定

4)のゴールの設定ですが、
10バガーの達成に設定します。

10バガーを達成しても売却の必要はなく、
成長が続けば20バガー以上も狙えるでしょうが、
ゴールを決めて目標をクリアした後は、
次の10バガー候補を探すことにも注力しましょう。

そのほかでは、5年間、10年間など
時間のゴールを決めておくことも有用です。

10バガー狙いなら最低3年。
通常は5年以上が望ましいです。

タイムリミットを過ぎたら、
まだ成長余力が十分ある有望株を残して
リセットすることになります。

下記コラムでは3年ルールによる長期投資について解説しています。

ルールを守ること

さて、ルールを決めたら
一番大切なことは、
ルールを守ることです。

失敗例で意外と多いのが、
ルールを守れなかった
というケースです。

決断力が大事ですね。

簡単なようで難しいのがルールを守ることです。下記コラムも参照してみてください。

失敗と成功のシナリオ

以上のような運用のルールで
時間をかけて成長株を厳選し、
ゴールを目指します。

最初は投資金額が同じになるように分散投資
 ↓
成長が続く限りそのまま保持
 ↓
成長倒れになったら売却して、
成長が続く銘柄を買い増し
 ↓
成長が加速したスター株にシフト
 ↓
10バガー獲得

実際にやってみないと
結果は分かりませんが、
失敗と成功のシナリオ
考えておきます。

成功のシナリオ

厳選サイクルを繰り返すことで、
成長が続く銘柄が残り、
上位銘柄の割合が高くなって、
手の内が実績のあるスター株
中心とした強いポートフォリオに
変わっていくことになります。

また含み損の銘柄は淘汰されて、
含み益の銘柄だけが残ると思います。

そして何年か先には10バガーを獲得して、
ゴールを迎えることができるでしょう。

失敗のシナリオ

失敗のシナリオとしては、
暴落型」と「選択ミス型
の2つケースが考えられます。

企業成長は景気や市況にも左右されますので、
結果として両方が重なることもあります。

失敗には運の要素もありますが、
大部分は実力不足といえます。

暴落型による失敗

リーマン・ショックのような
大規模な倒産が発生し、
世界的な経済危機に発展するケース。

株式は大暴落になりますので、
分散投資をしていたとしても、
多くがあっという間にロスカット
となることがあります。

ルールを守らなければ、
それ以上の大損失の恐れです。

同様に、平成バブルやITバブルなど、
バブル相場の崩壊による暴落もあります。

そのほかでは、NYテロや
東日本大震災のような
想定外の事件や自然災害がきっかけに
暴落するケースも考えられます。

右肩上がりの成長株狙い投資法は、
暴落に弱いという欠点があります。

株式市場では、
数年に1度の割合で暴落
繰り返してきた実績がありますから、
リスクとして受け入れておく
必要があります。

ただ、成長株にはリーマン・ショック時でも
ほとんど下げていないものもあります。
ルール通り運用しても銘柄選択によっては、
大暴落を乗り切れる可能性もあります。

選択ミスによる失敗

投資した銘柄の成長が持続せず、
選択した50銘柄の中に
スター株が1つもなかった場合です。

多くの銘柄が成長倒れとなり、
かつ、成長加速もみられず、
3年以上が経過している場合は、
失敗とみなしてリセットすること
も選択肢になるでしょう。

このケースでは運以上に
実力不足の割合が高くなります。
原因を分析して選択条件を改める
など、スキルアップを図りましょう。

この段階では、成長倒れパターンになった銘柄は
もう残っていないはずですが、
その他の失敗は、だいたい次の2つになると思います。

・割高な銘柄を買ってしまう
・成長性のない割安株を買ってしまう

成長株Watch初期47銘柄の1年後

参考までに成長株Watchで
最初にフォローした47銘柄の
1年3ヶ月後のパフォーマンスを
確認してみましょう。
(2019.6.18から2020.9.25まで)

6035 IRジャパン +369.1%
6920 レーザーテク +368.6%
3923 ラクス +169.3%
4686 ジャスト +111.6%
3038 神戸物産 +109.5%
7780 メニコン +97.3%
7564 ワークマン +85.1%
4348 インフォコム +65.1%
7476 アズワン +58.8%
6200 インソース +55.2%
2384 SBSHD +54.9%
6861 キーエンス +52.9%
6533 オーケストラ +52.4%
7518 ネットワン +52.0%
6750 エレコム +49.7%
2471 エスプール +48.8%
7741 HOYA +46.9%
6544 Jエレベータ +45.4%
3969 エイトレッド +43.4%
3983 オロ +34.6%
6099 エラン +29.5%
9984 ソフトバンクG +25.1%
3665 エニグモ +23.0%
9450 ファイバーG +19.1%
4921 ファンケル +18.2%
4722 フューチャー +12.0%
2412 ベネ・ワン +11.9%
2317 システナ +6.8%
3836 アバント -3.5%
3830 ギガプライズ -4.0%
6078 バリューHR -5.1%
6067 インパクト -6.9%
8056 ユニシス -9.9%
2130 メンバーズ -10.6%
4800 オリコン -10.7%
2326 デジアーツ -13.0%
4397 チムスピ -13.2%
4384 ラクスル -13.5%
9279 ギフト -17.9%
4587 ペプドリ -19.3%
7049 識学 -35.9%
2180 サニーサイド -36.3%
6232 自律制御シ研 -43.2%
9416 ビジョン -50.1%
3930 はてな -52.3%
3479 TKP -56.2%
6572 RPA -65.9%

47銘柄の平均は+35.1%で、
さすがに10バガーこそありませんが、
上位5銘柄が2バガー以上となり、
上位2社は4バガーを超えています。
この2社はスター株といってもよさそうですね。

コロナショックを経た結果ですから、
仮に47銘柄から集中シフト投資していれば、
かなりの好成績になったといえそうです。

まとめ

今回は分散投資からスタートする
成長株投資について紹介しました。

成長株投資は、投資期間が長くなるほど、
集中投資になっていきます。

長期保有、スター株の発掘に
ぜひチャレンジしてみてください。

こちらのコラムでは長期保有に必要な考え方について説明しています。

参考書籍

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