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テスラがトヨタを時価総額で抜いて人気化している本当の理由


投資コラム

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テスラの株価が話題です。

2020年7月にはトヨタを抜いて
自動車業界1位に躍り出ました。

テスラ:時価総額23兆円
トヨタ:時価総額22兆円

今回はテスラ株の人気理由について
考えてみたいと思います。

テスラ株が人気の理由

■テスラの株価チャート
2020年7月のテスラの株価チャート

テスラ株がなぜ人気なのか?
疑問に思う方も多いでしょう。

販売台数
 トヨタ:1000万台
 テスラ:36万台
純利益
 トヨタ:2兆円
 テスラ:赤字

テスラ株はバブルだ。
そうかもしれません。

でも、売っている車が日本車とは少し違う
将来性があるように見えるクルマ
だとしたらどうでしょうか?

■テスラはEV仕様
 航続距離600kmとされる

■テスラのコクピット
 ソフトウェア制御されている
 自動運転はレベル2相当
 (まだまだ、なんちゃってレベル)
テスラ車のコクピット

例えば、クルマを携帯電話に例えると
おおざっぱに次のようなものだとしたら・・

  ガソリン車:ガラケー
ハイブリット車:i-mode
   テスラ車:iphone

もしテスラ車がiphoneだとしたら、
期待値が高くなり人気化するのも
わかりますよね。

《参考》i-modeとは?
 NTTドコモが規格し各社から発売されていた
 ネット接続型の携帯電話です。
 日本ではi-modeの実用化で世界に先駆けて
 メールやブラウザなどのモバイル通信が普及しました。

ちなみに20年前、i-modeが流行った時も
NTTドコモ株はトヨタを抜いて40兆円
まで上昇しました。
もっともその後、iphoneに全部持って行かれ、
現在は9兆円台に留まっています。

NTTドコモとi-modeの黄金時代についてはこちら

日本の自動車株が安い理由

テスラがトヨタを抜いた理由は、
テスラ車が人気なこともありますが、
同時にトヨタや日本車が投資家に不人気
なこととも関係しています。

おそらく日本の個人投資家の皆さんも
アマゾンやアップル、マイクロソフトなど
米国トップ企業を買ってもトヨタやホンダは
魅力的に思っていないのではないでしょうか?

では、日本の自動車株が安い理由
について考えてみます。

日本の自動車株のPBR
 トヨタ 0.96倍
 日 産 0.35倍
 ホンダ 0.61倍
 マツダ 0.35倍
 スバル 1.01倍

トヨタでさえ資産価値を下回る
評価になっています。
将来性の付加価値ゼロってことです。

日本の自動車株は、コロナショックで
販売台数が落ち込んでいますし、
検査不正やゴーン事件などもありました。

でも株価が安い理由は、
それだけではありません。

自動車株が安い理由を
短期的理由と長期的理由で見ると
次のようなものでしょう。

短期:コロナショックによる収益懸念
長期:自動運転時代到来による収益懸念

コロナショックについては
長引く可能性もありますが、
いずれは収束する問題です。

より大きな理由は、
差し迫ってきた2つ目の
自動運転時代で収益が悪化する
ことへの懸念です。

ウィズコロナをパラダイムシフトと考える銘柄選択の考え方

PC、携帯電話の二の舞は避けられない

90代にインターネットブームを巻き起こした
パソコン業界がスマホ時代の到来と共に
没落していったことは、おじさん世代には
記憶に新しいことと思います。

NEC、富士通、東芝、シャープ、ソニー、日本IBM

パソコン業界がブームを過ぎると
成り立たなくなった理由は簡単です。

パソコンのコアとなる部品とソフトウェア。
CPUとOSを外部から調達する
アセンブリメーカーに過ぎなかったからです。

アセンブリではコストの安い
韓国、台湾、中国に勝てません。

国産PCメーカーは絶滅に等しい状況ですが、
インテルやマイクロソフトは、
しっかりと生き残っています。

当時からパソコンはWintel時代と呼ばれ、
コア技術を持つマイクロソフトとインテルが
高収益を得る収益構造でした。

そして、2007年にiPhoneが登場すると、
携帯電話でも同じことが起きました。

携帯電話の世界は、アップルとグーグルが
支配する世界になりました。

100m走とマラソンでは練習方法は違う。長期投資には長期投資のやり方があります

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自動車業界の時価総額ランキング

ここで自動車業界と
自動運転時代に関わってくる
IT企業の時価総額を
ランキングしてみましょう。

■2020年7月現在の株価と為替で計算。
米アップル 147兆円
米グーグル 90兆円
中アリババ 57兆円
米テスラ 23兆円
米NVIDIA 22.6兆円
トヨタ 22.1兆円
独VW 5.9兆円
ホンダ 5兆円
米GM 3.4兆円
デンソー 3.3兆円
SUBARU 1.7兆円
日産自 1.6兆円
仏ルノー 0.6兆円
マツダ 0.47兆円

まず、株価が低いのはトヨタだけではなく、
ライバルのVWやGMでも同様です。

一方、2020年7月現在のトヨタは、
テスラだけでなく、自動運転技術の頭脳を
担当するNVIDIAよりも下位のポジション。

■NVIDIAとTESLAの月足チャート
 テスラ株だけがバブル化しているのではなく、自動運転で期待されている企業が上昇している
NVIDIAとTESLAの月足チャート

自動運転は夢の技術ではなく、
カウントダウンが始まっている
近い将来、実現する技術です。

はっしゃんは、現時点の市場評価が
ほぼ正しい未来だと思っています。

テスラとトヨタだけではなく、
業界全体の時価総額の評価ですから
大きく間違ってはいないと思いますし、
中下位の生き残りは、かなり厳しいでしょう。
将来の企業価値を予測して未来に投資する成長株投資と理論株価は相性抜群

自動車メーカーの生き残る道

自動車業界もPCや携帯電話と
全く同じ道を歩んでおり、
既定路線になっていると感じます。

トヨタ自動車社長の豊田章男氏の
最近の発言から引用してみましょう。

「100年に1度の大変革の時代」
「生きるか死ぬかの瀬戸際の戦い」

さすがに豊田章男氏は、
置かれている状況を100%把握
しておられるようです。

ここ最近のトヨタの提携や投資の動きを見ていると、覚悟がよく分かります。
ほぼ戦力外の位置ながら、ドタバタしている日産は論外ですけど。

自動車の価値が自動運転の性能、
すなわちソフトウェアで決まるようになると、
車両製造技術はコモディティ化します。

自動車メーカーは、
もはや完成車メーカーとしては、
生き残っていけないので、
モビリティサービス企業として
活路を見いだそうとしています。

つまり、AIやビックデータ、コネクティッド技術など、
自動運転のコア技術を自社開発して握るのではなく、
周辺技術とサービスで生き残り
賭けているということです。

テスラとトヨタの株価逆転は、
超高度化した新しい自動運転時代を前に
旧態の自動車業界が飲み込まれようとしている
のを現しているのが実情ではないでしょうか。

自動運転技術の競争に入ってくる
2020年以降の自動車業界は、
収益面はもちろん、生き残りにおいても、
不確実性が高い業界と言えるでしょう。

現在の株価や市場評価は、
待ち受けている過酷な運命
如実に表していると言えそうです。

配当利回りが高いという理由だけで、
自動車業界に投資できますか?

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