はっしゃんです。
今回のテーマはROEです。
一般にROEが高いほど理論株価は
高くなります。
PBRやPERを理解している人には
当たり前のことですが、
これを株初心者向けに分かりやすく
説明してみたいと思います。
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ROEをお弁当屋さんで説明する
お弁当屋さんが、
200円の弁当を仕入れて
400円で売るとします。
弁当店Aでは20万円の資本金を元手に
1000個の弁当(元手いっぱい)を仕入れて販売しました。
全部売れると売上は40万で利益は20万です。
元手:■■ 20万
仕入:■■ 20万
販売:■■■■ 40万
利益:■■ 20万
ここまでは、分かりますね。
次にもう1つのケース。
弁当店Bも20万円の資本を元手に
A店の2倍、2000個の弁当を仕入販売しました。
(資本の2倍なので足りない分は借金や後払いです)
全部売れると売上は80万で利益は40万です。
元手:■■ 20万
仕入:■■■■ 40万
販売:■■■■■■■■ 80万
利益:■■■■ 40万
同じ元手20万でB店の利益はA店の2倍です。
B店は借金や売れ残りリスクもあるけど、
ビジネスとしては儲けは大きいわけです。
資本に対する利益をROEで説明すると
B店は元手20万、利益40万でROE200%
となります。
話を単純化するために、
売上から仕入原価のみを引いた粗利で
ROEを計算しましたが、
実際のROEは諸経費を引き算するので、
もっと低くなります。
ROE(%) = 利益/資本×100
ところで、あなたが投資家だったとして、
どちらの弁当屋さんに出資したいでしょうか。
Bの方が成長スピードが速くなりますが、
コロナのような想定外の出来事に弱い
ということも考えなければなりません。
ROEで成長速度を比較する
では、A店とB店がチェーン店を出すとすると、
どちらの店がどのくらい成長スピードがはやいか
シミュレーションで比較してみましょう。
得られた利益をすべて資本金に回して
元手を増やすとします。
最初に得られた利益は
A店:20万
B店:40万
でしたから、次回の元手に組み入れると
A店は20万+20万で2倍の40万
B店は20万+40万で3倍の60万
となります。
さらに仕入れの量は、
A店は元手いっぱいで40万
B店は元手の2倍まで60万x2=120万
と、3倍の差になりました。
そして、全部販売できたとすると、利益の差も3倍になります。
元手:■■■■ 40万
仕入:■■■■ 40万
販売:■■■■■■■■ 80万
利益:■■■■ 40万
弁当屋B
元手:■■■■■■ 60万
仕入:■■■■■■■■■■■■ 120万
販売:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 240万
利益:■■■■■■■■■■■■ 120万
元手2倍のビジネスをしている
B店が成長スピードが速く
どんどん差が開いていきますね。
このように業績が黒字で成長段階にある場合、
ROEが高いほど成長スピードが速くなります。
だから高ROE企業は将来の期待値が高くなり、
株価も高くなる傾向があるわけです。
はっしゃん式理論株価では、
このようなROEの成長スピードを評価して
次の計算式で事業価値を計算するようにしています。
※ROA×財務レバレッジ = ROE
単純にROEが2倍になれば事業価値も2倍
になるというわけですね。
増収増益でもROE低下で売られる理由
さて、ここまで分かれば成長株が
増収増益にもかかわらずROEの低下
で売られる理由も分かりますよね。
それは、成長が鈍化してきたというシグナルです。
高成長だった弁当屋Bさんが
成長の踊り場になってしまい
弁当屋Aさん並になってしまうと
Aさんの3倍速で成長する前提で
買われていた投資家さんはどうする?
って話ですね。
企業の成長ステージとROEの関係は次のようになります。
成長期:ROEが上昇
安定期:ROEは横ばい
衰退期:ROEは低下
ROE低下は、利益の成長が
純資産の増加を下回っていることを意味します。
そして、ROEが減少に転じた成長企業は、
たとえ増収増益を続けていた
将来に対する市場期待を得られにくくなり、
株価も頭打ちになる傾向があります。
はっしゃんが成長株の決算を点ではなく
時系列の連続した線で考えるようにしている
のもこのような視点からでもあります。
ご参考になれば幸いです。
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