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下げ続けている電機業界が暗示する株価踊り場の向こう側


分析レポート

今日は電機業界の株価と業績の動向を
理論株価チャートでまとめて確認します。

かつて世界一だった電機業界は、
現在そのポジションを失っています。

時価総額上位の顔ぶれも変わりましたが、
新しい商品価値で市場を切り開き、
成長または復活しつつあると言えるでしょう。

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電機主力株の年初来株価

2018年の電機主力株は、
時価総額トップのソニーを除き、
年初から株価が下げ続けています。

■時価総額順の年初来の株価騰落率
6758 ソニー (+16.8%)
6861 キーエンス (-2.4%)
7974 任天堂 (-16.0%) ※厳密には、その他製品業です
6594 日本電産 (-4.4%)
7751 キヤノン (-23.3%)
6954 ファナック (-28.3%)
6752 パナソニック (-29.4%)

理論株価チャート分析

各社の理論株価チャートから業績を確認してみましょう。
理論株価は、EPS、ROE、BPSなどから資産価値と事業価値を算出しています。
オレンジ色のラインが理論株価の推移です。

■6758 ソニー 年初来+16.8%
6758

業績が本格的に回復し、株価も力強い上昇となりました。
カテゴリ:AV機器、ゲーム、カメラ、半導体、金融など

■6861 キーエンス 年初来-2.4%
6861

業績は堅調で右肩上がり維持も、期待先行で上げすぎた株価が日柄調整。
カテゴリ:センサー、ファクトリーオートメーション

■7974 任天堂 年初来-16.0% ※厳密には、その他製品業です
7974

Switch人気も一服。スマホアプリも収益貢献は先ということで調整。
カテゴリ:ゲーム

■6594 日本電産 年初来-4.4%
6594

業績好調で右肩上がりも、期待先行で上げすぎた株価は調整入り。
カテゴリ:モーター

■7751 キヤノン 年初来-23.3%
7751

OA機器やデジカメ縮小傾向で業績横ばい。高配当も株価は理論値を下回る。
カテゴリ:OA機器、カメラ、半導体製造装置

■6954 ファナック 年初来-28.3%
6954

米中貿易摩擦の影響で業績下方修正。株価は理論株価まで下落し不透明。
カテゴリ:産業ロボット、ファクトリーオートメーション

■6752 パナソニック 年初来-29.4%
6752

電池で中国企業に首位を譲り価格、開発競争懸念。株価は先行下落。
カテゴリ:白物家電、AV機器、カメラ、電池

電機主力株の成長ステージ分類

各銘柄を業績動向から、
 成長株、景気サイクル株(復活、ピークアウト、後退)
に分類すると次のようになります。

成長株

 キーエンス、日本電産

景気サイクル株(復活組)

 ソニー

景気サイクル株(ピークアウト組)

 パナソニック、ファナック、任天堂

景気サイクル株(後退組)

 キヤノン

成長株が2社というのは、やや寂しいですが、
循環サイクルの壁を破って成長してほしいものです。

理論株価電卓で真の企業価値をビジュアル化する

電機主力株の配当格付

各銘柄を配当投資の観点からみると、
次のような評価になります。

配当格付B

 キヤノン 利回り4.97%

配当格付D

 ファナック 利回り2.97%

配当格付E

 パナソニック 利回り2.6%

配当格付除外

 ソニー 利回り0.46%
 キーエンス 利回り0.32%
 任天堂 利回り1.99%
 日本電産 利回り0.69%

成長株は配当格付からは除外です。
残った利益を配当に回すか、投資に回すかの
違いですね。
 参考:配当格付Web

はっしゃん独自のExcel企業分析シートはこちら。

注目カテゴリ

注目カテゴリを3つ
ピックアップしておきます。

ファクトリーオートメーション

これから世界中の工場がAIにより
オートメーション化されます。
「人件費が安いところに工場を作る」
という価値観はAIで変わります。
集積価値が高いところに工場を作る
ようになるでしょう。
持続的な成長を期待したいです。

EV

次世代自動車の基幹部品は電池とモーターです。
化石燃料とエンジンに替わる
これからの100年を担う分野で、
先行すればメリットは大きいでしょう。

コンテンツ知財

ゲームはスマホ、教育、eスポーツ等へ拡大。
かつてディズニーはアニメキャラクターという
第一世代コンテンツで世界に君臨しましたが、
ゲームは、一方向ではなく双方向で
自分自身の分身を大冒険させるという
ユーザー体験を世界中で共有しました。
知的財産とのコラボレーションに注目です。

成長率を設定すれば、5年後の企業価値も計算できます。

今後の業績と株価の見通し

理論株価チャートを見る限り、
業績が明確に悪化している兆候はありません。

株価が2017年に上昇しすぎた調整だったり、
米中貿易摩擦や消費税増税による減速を
織り込んでいる状況だと思われます。

成長組のキーエンス、日本電産については、
日柄調整が終わると再び株価上昇に転じる
可能性が高そうです。

景気サイクル組は、外的要因次第で、
業績も景気動向に大きく左右されます。
米中摩擦の行方次第では波乱かも。

来年は復活となって日本株を
盛り上げて欲しいものです。

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