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INDEX
株価と市場評価
長期投資スキルは突き詰めると、銘柄選択と売買タイミング
の2要素に集約されます。
今回は売買タイミングについて考えていきましょう。
成長企業の場合、株価は成長の後からついてくるものですが、
どのような仕組みで株価が動いているのかを理解していないと、
売買タイミングを誤り、チャンスを逃してしまうかもしれません。
株価は業績や材料が市場に織り込まれることで形成されますが、
独自の分析だけで結論を出してしまうと、市場評価と誤差が生じることになり、
分析と株価が一致しないチグハグな状況に陥ってしまいます。
株価チャートは、市場の温度を測り、分析との誤差を補完する役割を果たします。
株価チャートに業績や材料を重ねる
下は任天堂の月足チャートです。
このチャートから何か分かりますか?
株価が上下に変動していることは分かりますが
しょせん、数字をグラフ化しただけのものですから、
これだけでは何も分かりません。
株価チャートを形成した業績や材料が書かれていないからです。
ゲームや株式のニュースに詳しい人ならば、
何があったか覚えているかもしれませんが、
もうちょっと情報が欲しいですよね。
イベント表示付き株価チャート
下の株価チャートを見てみてください。
前チャートにニュースなどの材料を記入したものです。
年1回程度の節目イベントを記入しただけですが、
6年間の株価と形成要因がよく分かりますよね。
■任天堂の主要イベント
2012/12/08 WiiU発売
2014/01/28 赤字転落
2015/03/17 DeNAと提携
2016/07/06 ポケモンGOリリース
2017/03/03 Switch発売
2018/06/13 E3プレゼン失望売り
2019/01/18 Switch下方修正
イベント表示付き理論株価チャート
さらに下の株価チャートを見てみてください。
イベントに加えて、業績から理論株価を計算して
その推移を合成したものです。
(理論株価は決算発表のタイミングで変動します。)
新たに大きな材料が出たり、業績が大きく変動した時に、
株価も大きく動いていることが分かると思います。
これが、売買タイミングのヒントです。
動くタイミングにある程度の共通点があるとすれば、
分析することで予測は可能です。
いい企業、いい株価チャートの類似性
株価チャートのグラフ(数字)だけでは、
価格形成の背景が分かりませんし、
業績や材料だけピックアップしてみても、
市場評価、株価インパクトが分かりません。
これらの情報を体系的に捉えて整理・分析することで、
はじめて、関連付けられた意味を持つ情報になります。
長期投資では、株価チャート分析=材料・業績・需給の分析ですから、
新しい銘柄を分析するときは、過去のニュースリリースや
決算短信、月次情報をさかのぼって株価チャートと関連づけていきます。
株価チャート分析も経験を重ねることでスキルアップします。
いい企業、いい株価チャートには類似性があるからです。
みんな右肩上がりになっています。(笑)
株価チャートが右肩上がりであるということは、
いつ買ってもよいという結論になりますが、(笑)
決算発表の時期に大きく動く傾向がありますので、
売買タイミングも合わせると効率的です。
月足チャートと右肩上がりの重要性
長期投資では、月足チャートをメインに使います。
月足チャートは、積算期間が長くなるため、
短期的な需給変動の影響を受けにくく、
長期トレンドを確認するのに適しています。
重要なのは、月足チャートが、
右肩上がりであることです。
1.業績が順調ではない
2.株価が割高過ぎて調整中
3.景気変動サイクルがマイナス
などの要因が存在します。
長期トレンドが反転するには、
大きなインパクトが必要になりますので、
予測難易度も高くなります。
まずは、株価が右肩上がりから、
選ぶことが大切になります。
バブル相場に注意
右肩上がりの株価チャートでも、
注意が必要なのはバブルです。
バブル時の株価チャートは、
弾けるまでは、右肩上がりなので、
業績相場のチャートとよく似ています。
(途中まで業績相場だったのが、
バブル化するケースも多い)
業績を伴っているかどうかを
時系列で追いかけて区別しますが、
判別が難しいケースもあります。
はっしゃんは理論株価を計算して、
理論株価の約2倍を上限株価として、
バブルの判断材料にしています。
バブル相場には、個別株だけに発生する場合と、
ITバブルのような特定カテゴリに発生する場合。
平成バブルのように国全体に発生する場合もあります。
銘柄探しは株価チャートから
最終目標が業績と株価が連動した
右肩上がりのチャートだとすると・・・
実は、慣れてくると、株価チャートを
パラパラ見て銘柄を発掘し、
後から業績や材料を確認する方が
むしろ効率的になってきます。
まず株価チャートで右肩上がりに付箋をつけておき、業績は後から確認します。
数字を読むより、グラフで一瞬で判断できる。
これも株価チャート分析の大きなメリットです。
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