株ブログ はっしゃん式 発掘チャート


賢者は歴史に学ぶ。株式市場の記憶に残る名場面を株価チャートで再現して振り返る懐古的株ブログ

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<3668>コロプラのドラクエウォーク復活劇と株価上昇メド


発掘チャート

ドラゴンクエストウォークのヒットで、
コロプラの株価が変換の兆しを見せています。

今回はコロプラの復活から
株価の上昇メドについてに考えてみましょう。

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発掘チャート<3668>コロプラ

コロプラは2012年12月に上場し、
黒猫、白猫シリーズなどのヒット作を連発。
業績も好調に推移していましたが、
最近はヒット作に恵まれず、
2019年9月期は3Qまで赤字に転落していましたが、
ドラクエウォーク効果で4Qは黒字の着地。

■コロプラの株価チャート(2012年12月-2019年9月)

■コロプラ経常利益の推移
2013年9月期 5,787 ※黒猫ウィズ
2014年9月期 23,556 (+307%) ※白猫プロジェクト
2015年9月期 32,363 (+37.4%)
2016年9月期 31,272 (-3.4%) ※白猫テニス
2017年9月期 12,901 (-52.7%)
2018年9月期 6,097 (-52.7%) ※任天堂より特許侵害訴訟
2019年9月期 1,655 (-72.9%) ※ドラクエウォーク
2020年9月期 3,804 (1Q)

2018年には任天堂から特許侵害訴訟を提起され
株価も低迷が続いていましたが、
ドラクエウォークのヒットにより、
業績の改善が期待されています。

■ドラクエウォーク発表からリリースまでの株価チャート(2019年5月-2019年9月)
 発表時に一時ストップ高まで買われたものの、その後は安値更新。
 ヒットを先読みして、一儲けできた方も少なくなさそうですね。

下はコロプラの月足チャートに
理論株価の推移を重ねたチャートです。
業績に比例して理論株価が急上昇し、
ピークアウトしていった経緯がよく分かりますね。
そして、全盛期には及びませんが復活しつつあります。

■コロプラの理論株価チャート(2012年12月-2019年9月)コロプラの理論株価チャート

上の理論株価チャートでは業績に先んじて
株価が下落に転じていますが、
コロプラに限らず、ゲーム株には、
成長が止まると株価は下落に転じる
という法則があります。

株価は将来の成長期待で上がりますから、
賞味期限の短いゲーム株の場合は、
見切られるのも早くなるわけです。

例えば、モンストが大ヒットしたミクシィのケースでも同様に株価が先行して下落しています。

ドラクエウォーク相場の上昇メド

ドラクエウォーク相場の上昇メドは、
どこまでコロプラの業績に貢献できるか?
の一言に尽きます。

セルラン上位が続いて
業績が右肩上がりを続ければ、
長い上昇相場になるでしょうし、
期待外れなら短期で終わるでしょう。

また、業績は理論株価で表せますので、
理論株価が、どこまで上昇するかの予測も
上昇メドを占う上で重要な視点です。

インフラ装置が不要なゲーム株の場合、
理論株価は1株利益とROEで決まります。
特にROEが変数として大きな要素を占めてきます。

 理論株価の計算式や考え方については、こちらの記事を参照してください。

ROEから上昇メドを考える

コロプラのROE推移は次のようなっています。

■コロプラのROE推移 (純利益ではなく予想経常利益×予想実行税率で計算)
2013年9月期 147% ※黒猫ウィズ
2014年9月期 90% ※白猫プロジェクト
2015年9月期 65%
2016年9月期 13% ※白猫テニス
2017年9月期 8%
2018年9月期 6% ※任天堂より特許侵害訴訟
2019年9月期 0% ※ドラクエウォーク(収益貢献1ヶ月)
2020年9月期(1Q) 15% ※ドラクエウォーク

初期ではROE100%超(予想1株利益>1株純資産)
という素晴らしい時期もありましたが、
最近は平均以下の水準に低迷しています。
(日本企業の平均ROEは10%弱といったところです。)

最近の株価低迷も低ROEと連動しているわけですが、
今回のドラクエウォークのヒットによる業績貢献を
ROE改善と理論株価の上昇で考えてみしょう。

ROE10%未満なら理論株価2000円に届かず
ROE15%程度に戻れば理論株価2000円
ROE20%まで回復すれば理論株価3000円
ROE30%超なら理論株価4000円

といったところでしょうか。
株価の上昇メド≒理論株価で考えます。

 理論株価電卓を使うと、3つの財務指標から理論株価を簡単に算出できます。

ドラクエウォークの考察ポイント

業績を予測する上でドラクエウォークの
特徴や収益構造についても抑えておきましょう。

■Strong & WeekPointの考察
○ ポケモンGOのように老若男女まで広く支持されることが期待できる
○ ポケモンGOのように長期間に渡る収益貢献が期待できる
○ ポケモンGO(既にリリースから3年経過)からの乗り換えが期待できる
× ポケモンGOとの競合が発生する
× スクエニへのライセンス料支払いのため、独自開発ゲームより利益率は落ちる
× ドラクエというコンテンツの性質上、現仕様でのグローバル展開が難しい
× ポケモンGOのように事件や事故で悪いイメージが発信されるリスクがある
○ NIANTICのように位置ゲームのノウハウを横展開して抜けた存在になれる可能性

2020年9月期は、ドラクエウォークが、
通期で収益貢献してきます。
これから、数字を伸ばすことができるのか?
決算予想も投資の楽しみの1つですよね。

長期投資家として、いちばん重視したいのが
位置ゲームのノウハウで抜けた存在になれる可能性。
独自企画でドラクエウォークの次の夢が見えるかどうかですね。

パズドラの大ヒットで株価100倍を達成したガンホーですが、期待された海外市場の攻略に失敗し、株価も急落してしまいました。

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あとがき

私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。

「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。

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