今回は、ITバブル最大の出世株で、
今や日本を代表する企業グループとなった
ソフトバンクGの株価チャートを紹介します。
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ITバブルの背景
ITバブルの原点はインターネット登場による
テクノロジー革命とナスダック市場の上昇です。
Windows95の頃からいった方が記憶にある方も多いでしょうか。
1990年代後半から急速に普及したインターネットは、
世の中の仕組みを大きく変えてきました。
2020年5月現在、世界の時価総額上位は、
サウジアラムコを例外として、
インターネット関連企業で独占されています。
1. サウジアラムコ(サウジアラビア)
2. Microsoft (米国)
3. Apple (米国)
4. Amazon (米国)
5. Alphabet(Google) (米国)
6. Facebook (米国)
7. Alibaba (中国)
8. Tencent (中国)
このうちマイクロソフトを除いた上位は、
ITバブル後に躍進した新興企業です。
4位のアマゾンはネット小売世界一
5位のグーグルはネット広告世界一
6位のFacebookはSNS世界一
1990年代後半から2000年にかけてアメリカでは、
低金利を背景に多くのITベンチャーが誕生。
イノベーションは新しいビジネスと富を生み、
現在の隆盛につながるITバブルが花を咲かせていました。
■株価推移
1994/07/22 1050円 (ジャスダック 初値)
1997/11/27 93円 (ジャスダック 安値)
1998/01/16 206円 (東証1部上場 初値)
2000/02/25 11,000円 (ITバブル頂点 118.3倍)
2002/11/18 138円 (ITバブル崩壊後安値 1/80倍)
※分割後の株価に補正されています
バブル頂点
2000年当時ソフトバンクはまだ通信事業を
手掛けていませんでしたが、
米ヤフーに先行投資するなど将来性で注目を集め、
株価は1997年のジャスダック安値から最大118倍。
1998年1月の東証1部上場からでも
2年余りで53倍に上昇しました。
その後2000年2月に大天井を打っています。
株式分割を実施していますので、
チャートの株価は当時と違いますが、
当時の高値では198,000円でした。
バブル頂点でのソフトバンクGの時価総額は、
同時期のトヨタをも上回っていました。
ちなみに、当時の1位はNTTドコモでした。
バブル崩壊
今にして思えば20年前のITバブルでの過剰期待は、
ソフトバンクGに限っては正しかったかもしれません。
その後のサクセスストーリーが素晴らしかったからです。
ITバブル後、アメリカの景気が過熱し、
金利が上昇してくると、まだ実利の少なかった
IT投資は次第に抑制されるようになり、
ナスダックの暴落とともにバブルは崩壊します。
バブル崩壊後のソフトバンクGの運命はハードでした。
大天井後の大底は2002年11月で、ピークから2年半後。
底値138円はピーク時の「80分の1」に過ぎません。
なんと下落率98.75%
その後は、少しずつ復活してきましたので、
ITバブル後の安値で買っていたとしたら、
2019年4月現在で株価は33倍です。
それでも株価は20年前の頂点の2分の1弱というのが、
バブルの怖さですが。(笑)
その後のソフトバンクG
ITバブル崩壊後も子会社のヤフーJapanが
倍々ゲームで成長するなど存在感を発揮。
Yahoo!BBでブロードバンド化を
推し進めたり、プロ野球球団を買収したり、
など認知度も向上します。
そして、2003年にボーダフォン(日本テレコム)を買収。
さらに当時まだ駆け出しだったApple社のiPhoneに目を付け、
2011年まで日本国内での販売を独占してシェアを拡大。
さらにスプリント社、ARM社の買収、
アリババ社への出資などで事業分野を広げ、
ペッパー君などAIやロボット分野でも存在感を増してきました。
2017年には10兆円ファンドを立ち上げ、
2018年は、通信子会社<9434>ソフトバンクを再上場。
2019年も国内でヤフーとLINE、ZOZOの資本提携をまとめ、
そのヤフー(ZHD)を<9434>ソフトバンクの連結下におくなど
順調にビジネスを拡大してきましたが、2020年に躓きました。
2019年あたりから攻めの経営が裏目に出て
WeWorkやウーバーへの投資が
損失となるなど綻びが出てきたところに、
コロナショックの株安が直撃。
2020年3月期決算では、1.4兆円もの大赤字に転落しました。
とはいえ決算発表後も株価は4600円台と
一定の水準を維持しています。
孫正義社長も意識しているという
ITバブル頂点の株価198000円
(分割補正後では11000円)
を奪還する日は果たして来るのでしょうか?
関連リンク
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あとがき
私たちは株価チャートを
結果から見て評価する傾向にありますが、
実際の相場は現在進行形ですから、
当時の業績や市場期待、需給を投影した
株価チャートは貴重な実録データです。
・バブル相場(1989年)
・ITバブル(2000年)
・NYテロ(2001年)
・リーマン・ショック(2008年)
・東日本大震災(2011年)
・チャイナ・ショック(2015年)
・コロナ・ショック(2020年)
「賢者は歴史から学ぶ」といいます。
今も昔も株式投資の基本コンセプトは
「将来、値上がりしそうな株を買う」
ということで同じですから、
過去を知るということは、
未来を知ることに通じると思います。